当社は、社会に対する使命を「企業理念」に、ステークホルダーとの関係を踏まえた経営の 目的を「経営理念」に掲げています。役員・従業員一人ひとりが社会の一員としての自覚を持 ち、理念の実現に向けて日々実践していくことが、当社の
CSR
であると考えています。当社が
CSR
を推進していくうえでの基本姿勢として、当社の理念、バリューをより具体的 な形にした「行動宣言」を設定しています。「行動宣言」に沿った事業活動を通じて、真に望ま れる製品を提供し続けていくとともに、企業市民としての責任を果たしていきたいと考えてい ます。そのため、「行動宣言」の項目ごとに“企業活動を遂行するための具体的な行動”をまと めた冊子「行動宣言(実践の指針)」をすべての役員・従業員に配布し、その理解と浸透、共有 化を図っています。また、当社が企業市民としての責任を果たすためには、国際的な社会的課題を正しく把握 し、企業活動に適切に反映させることが重要であると認識しています。そのため、社会的責任 に関する国際規格
ISO26000
※の中核主題に沿って「行動宣言(実践の指針)」を整理し、具体的な取り組みを進めています。
※ ISO26000: 2010年11月に国際標準化機構が発行した、社会的責任に関する国際ガイダンス規格です。規模や所在地に関係なく、
あらゆる種類の組織を対象にしたもので、説明責任、透明性、法令遵守、人権の尊重など社会的責任に関する7つの原則 をはじめ、実践活動として検討すべき具体的な内容などを規定しています。
真に望まれる製品を提供し続けていくとともに、
企業市民としての責任を果たしていきます。
大日本住友製薬の社会的責任
CSR活動に関する詳しい情報は当社ウェブサイトに掲載しています。
http://www.ds-pharma.co.jp/csr/index.html
32 大日本住友製薬株式会社
ISO26000 の中核主題と大日本住友製薬「行動宣言」対照表
ISO26000の中核主題と課題 「行動宣言」の該当項目
組織統治 ▲企業統治 P.43参照
人権
課題1 デューディリジェンス
▲行動宣言2.誠実な企業活動を行います
▲行動宣言4.従業員の能力を活かします
▲行動宣言5.人権を尊重します 課題2 人権に関する危機的状況
課題3 加担の回避 課題4 苦情解決
課題5 差別及び社会的弱者 課題6 市民的及び政治的権利 課題7 経済的、社会的及び文化的権利 課題8 労働における基本的原則及び権利 労働慣行
課題1 雇用及び雇用関係 ▲行動宣言3.積極的な情報開示と適正な情報管理を 行います
▲行動宣言4.従業員の能力を活かします
▲行動宣言5.人権を尊重します 課題2 労働条件及び社会的保護
課題3 社会対話
課題4 労働における安全衛生
課題5 職場における人材育成及び訓練 環境
課題1 汚染の予防
▲行動宣言6.地球環境問題に積極的に取り組みます P.36参照 課題2 持続可能な資源の利用
課題3 気候変動の緩和及び気候変動への適応 課題4 環境保護、生物多様性、及び自然生息地の回復 公正な事業慣行
課題1 汚職防止
▲行動宣言2.誠実な企業活動を行います 課題2 責任ある政治的関与
課題3 公正な競争
課題4 バリューチェーンにおける社会的責任の推進 課題5 財産権の尊重
消費者課題
課題1 公正なマーケティング、事実に即した偏りのない 情報、及び公正な契約慣行
▲行動宣言1.人 々 の「 からだ・くらし・すこやかに 」 に貢献します P.40参照
▲行動宣言3.積極的な情報開示と適正な情報管理を
行います P.35, 40参照
課題2 消費者の安全衛生の保護 課題3 持続可能な消費
課題4 消費者に対するサービス、支援、並びに苦情及び 紛争の解決
課題5 消費者データ保護及びプライバシー 課題6 必要不可欠なサービスへのアクセス 課題7 教育及び意識向上
コミュニティへの参画およびコミュニティの発展 課題1 コミュニティへの参画
▲行動宣言7. 社会との調和を図ります P.41参照 課題2 教育及び文化
課題3 雇用創出及び技能開発
課題4 技術の開発及び技術へのアクセス 課題5 富及び所得の創出
課題6 健康 課題7 社会的投資
P.34, 35, P.39参照
P.34, 35, P.40参照
P.34, 39 参照
治験に参加される方の人権を 最優先にして行われる臨床試験
当社は、患者さんの役に立つ薬を世の中に送り出すた め、新薬の承認申請に必要な、ヒトを対象に行う試験(臨床 試験または治験)を行っています。治験は、参加される方の 人権保護、安全性の保持、福祉の向上を図るために設定さ れ た「 医 薬 品 の 臨 床 試 験 の 実 施 の 基 準に関 する省 令
(Good Clinical Practice:GCP)」をはじめとする法令など を遵守して実施しなければなりません。治験はボランティア として参加される患者さんの協力によって成り立っており、
当社は、「良識と良心に基づく新薬開発活動の推進」に取り 組んでいます。また、医薬品候補物質の有効性(効き目)や 安全性(副作用)を確認している途中段階であるだけに、協 力いただく患者さんの人権や安全性を尊重し保護するため に、効果・効能だけでなく、安全性や副作用情報を十分に説 明することが必要不可欠です。
具体的には、治験を実施する医師が、患者さんに治験へ の協力を依頼します。その際に、医師は治験の目的、方法、
予想される効き目や現れるかもしれない副作用などを詳し く説明します。患者さんは、治験のことをよく理解したうえ で、治験への参加を患者さん自身の意思で決めます。
当社は、治験に参加いただく患者さんご自身の意思を尊 重し、その人権が損なわれることがないように十分な配慮 を行い、社内基準および治験計画書に従って試験を実施し ています。
職場における差別の排除
ハラスメントの防止
職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラス メントは、個人の尊厳を傷つけるという意味において、人権 侵害に関わる重要な問題です。
当社は、こうした問題が起こらないようにするために就業 規則の服務規律に明文化し、これに違反した場合は懲戒の 対象となることを明確にしています。
また、職場でハラスメントが生じないよう、評価者研修や 階層別研修を通して正しい知識を身につけ、ハラスメント 防止の意識を高めることを徹底しています。
主要事業所ごとに相談窓口を設置し、苦情の申し出や相 談に迅速かつ丁寧に対応できる体制も整えています。
2012年度は、ハラスメント防止のための研修用DVDを 作成して全部門に配布し、より一層の徹底を図りました。
個人の尊厳の尊重
当社は、当社を取り巻くすべての人の人権を尊重し、
人種、国籍、出身、宗教、思想、信条、性別、身体的障がい、
年齢、雇用形態などに基づく差別を行わないことを、行動 宣言(実践の指針)に明記しています。
人権
「総合相談窓口設置」周知用ポスター
34 大日本住友製薬株式会社
安心して仕事に専念できる 職場環境づくり
当社は、「安全衛生基本方針」を定め、従来からさまざま な安全衛生活動を実施し、労働災害の未然防止に努めてき ました。また、重大な労働災害や火災・爆発事故、さらには 大規模な自然災害が発生した場合に備え、その影響を最小 限にするための設備面での対策やルールの制定など種々 の対策を講じてきました。
それらに加えて、従業員自身が安全で健康であろうと意 識することが重要だと考え、安全衛生意識の啓発にも努め ています。新入社員研修では、環境安全委員会事務局が安 全衛生教育を実施し、「なぜ安全衛生活動が必要なのか?」
といった基本的な事項を改めて問いかけることで、自発的 な意識向上を促しています。また、社内で発生した労働災 害の情報を、イントラネットなどを利用して全社的に共有 し、災害事例を身近なものと認識してもらうことで、従業員 一人ひとりの安全衛生意識の醸成を図っています。
業務上災害の分析
2009〜2012年度の4年間に発生した業務上災害(営業 車両事故による災害を除く)について、事故の型を分類した 結果、転倒が全体の38%を占めていました。転倒の起因物 は歩道縁石、濡れた床面、凍った路面などさまざまでした
が、急いでいた、慌てていたなど、危険予知が不十分となる 心理的要因が重なっているケースが多いこともわかりまし た。これらの分析結果より、会社の諸施策に加えて従業員 自らが安全であろうとする意識の定着が大切であると考 え、全国安全週間などを利用して、従業員の安全意識の維 持・向上に向けた各種取り組みを進めています。
総合相談窓口の設置
当社は、「コンプライアンス・ホットライン」「セクシュアル ハラスメント相談窓口」「メンタルへルス社外相談窓口」に 加えて、2012年1月から「総合相談窓口(通称:なんでも相 談窓口)」を設置しています。
総合相談窓口では、会社生活において上司や同僚に職 場で相談できない、あるいは相談したが解決できない問題 や悩み、疑問、質問など、幅広く受け付けており、2012年度 は40件の相談に対応しました。
当社は今後も、従業員一人ひとりが安心して仕事に専念 できる職場環境づくりに努めていきます。
社員の能力を十分に発揮できる環境づくり
当社は、社員一人ひとりが自主的に自身の能力開発に取 り組む風土を醸成するとともに、社員の成長を積極的に支 援し、能力を発揮できる環境の整備に力を入れています。
当社の人材育成は、業務遂行や課題への取り組みなどを 通じたOJT(On-the-Job Training)を基本とし、それを補 強・補完する支援施策や研修などのOffJT(Off-the-Job Training)に、ジョブローテーションを組み合わせて実施し ています。また、当社では、会社と社員双方向の意思疎通 が人材育成にとって重要と考え、「自己申告制度」を導入し ています。社員各人の長期的な育成や能力伸長を考えるう えで、個別の状況や事情および希望を把握することを主な 目的とし、上司は部下一人ひとりと「自己申告書に基づく面 談」を実施します。
これにより、社員は今後の会社生活の充実に向け、自ら の意思や関心、志向を見つめ直す機会とし、上司は育成方 針や日々の業務を振り返り、OJTやOffJTにつなげること で、各自の成長を支援しています。
労働慣行
38
転倒%
無理な
19
動作%
19
その他%
切れ・こすれ
9 %
交通事故
9 %
転落
6 %
業務上災害の原因内訳
※ 2009〜2012年度の4年間に発生した業務上災害(営業車両事故 による災害を除く)の分類結果です。