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CNN のフィルタと特徴マップの可視化

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第 4 章 実験

4.1 ゴルフ場を対象とした地物認識実験

4.1.9 CNN のフィルタと特徴マップの可視化

○:ゴルフ場と正解付したセル (a)正解データの例

○:False Negative のセル

(b) False negativeの例

○:False Negative のセル

(c) 正例のクラス確率が0.1より小さいfalse negative の例

図 4.8: KGの認識結果の例.(a)は鹿児島周辺の一部に対する正解付けの例である.(b)

は同一地点について認識した際のfalse positiveの例であり,(c)は正例のクラス確率が0.1 より小さいfalse positiveの例である.(c)を見ると正例であってもクラス確率が0.1以下 になっているセルが存在することが分かる.

実験方法

データセットとしては,4.1.2項のGCD-16を用いる.DtrainおよびDvalとして,4.1.2 項のGCD-16のKT80kを用いる.Dtestとしては,GCD-16のKGを用いる.

CNNのモデルとしては,3.3.2項のcifar10-fullを用いる.CNNモデルの実装として はCaffe (A.1.3項)を,実験環境はA.2.2項のPCを用いる.学習のepoch 数は73-6-6 で ある.

上記の環境で学習を1回行い,その学習済みモデルでKGを認識した際に出力される クラス確率を観察する.

実験結果と考察

本実験で学習したCNNのモデルにKGの正例の画像を入力した際のCNNの内部処理 の可視化結果の例を図4.9に示す.また,入力画像の種類を変えた場合の特徴マップの比 較を図4.10,4.11,4.12に示す.

ゴルフ場と非ゴルフ場では第2層と第3層の特徴マップを比較したところ,活性化して いるマップに違いがみられた.第1, 2層の特徴マップは非ゴルフ場のなかでも入力画像 の違いによって活性化にも違いがみられた.非ゴルフ場をさらに目視判読で市街地,森 林,海,雲を含む画像の特徴マップを見ると,活性化に違いがみられた.これより,二値 の教師データで学習していても内部的にはより細かい分類がなされていると考えられる.

(a)入力画像 (b)1層目のフィルタ (c)1層目の特徴マップ

(d)2層目の特徴マップ (e)3層目の特徴マップ

図 4.9: 正例の画像を入力した際のCNNの内部処理の可視化結果の例.(a)はCNNへの 入力画像であり,(b)は学習したCNNの1層目の畳込み層のフィルタである.(c), (d), (e)はそれぞれ(a)を入力した際の1層目,2層目,3層目の特徴マップである.

ゴルフ場非ゴルフ場

(a)雲が含まれる入力画像あり

ゴルフ場非ゴルフ場

市街地

(b)雲が含まれる入力画像なし

図 4.10: 第1層の畳込み層の特徴マップの比較.正例と負例をそれぞれ10枚ずつCNN

に入力した際の第1層の畳込み層の特徴マップを可視化して各セルについて横に並べた ものであり,ゴルフ場については上から順に正例のクラス確率が大きいものである.(a) は20枚のすべての場合の特徴マップであるが,雲を含むセルの特徴マップが他より値が 大きいため,画像として表示する際の正規化で他の特徴マップがつぶれてしまっている.

そのため,雲を除いて特徴マップを正規化して可視化したものが(b)である.ゴルフ場は 同一の特徴マップが活性化していることが分かる.また,非ゴルフ場について目視判読 で市街地,森林,海,雲に分類したが,それらについても活性化している特徴マップが異 なっていることがわかる.

ゴルフ場非ゴルフ場

ゴルフ場 に共通し て活性化 している

図 4.11: 第2層の畳込み層の特徴マップの比較.正例と負例をそれぞれ10枚ずつCNN

に入力した際の第2層の畳込み層の特徴マップを可視化して各セルについて横に並べた ものであり,ゴルフ場については上から順に正例のクラス確率が大きいものである.ゴ ルフ場については特に右から5番目の特徴マップが活性化していることが分かる.

ゴルフ場非ゴルフ場

図 4.12: 第3層の畳込み層の特徴マップの比較.正例と負例をそれぞれ10枚ずつCNN

に入力した際の第3層の畳込み層の特徴マップを可視化して各セルについて横に並べた ものであり,ゴルフ場については上から順に正例のクラス確率が大きいものである.ゴ ルフ場とそれ以外では活性化している特徴マップが異なることが分かる.

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