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Biomass-CO パーシャルカラム量の推察

第 2 章 手法

3.2 CO-HCN 相関解析

3.2.3 Biomass-CO パーシャルカラム量の推察

第1章の1.1.4で述べた通り,HCNの発生源の大半はバイオマス燃焼である.よって本

研究では,つくば上空のHCNはすべてバイオマス燃焼起源であると仮定し,HCNをバイ オマス燃焼のプロキシとして解析に用いた.回帰分析において有意な直線的相関が認めら れる場合,回帰直線の傾きを二成分の存在量比としてとらえることができる.春季のつくば 上空の高度5-18kmにおいてCO,HCNに有意な相関が確認されたことから,本研究では 回帰直線のHCN増加量に対するCO増加量を,HCNに対するバイオマス燃焼起源COの 存在量比( CO/HCN )Biomassとしてとらえ,以下の式から3,4,5月および春季におけるバイオ マス燃焼起源CO,非バイオマス燃焼起源COを算出した.

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[Biomass-CO] = [Biomass-HCN] × ( CO/HCN )Biomass

[Others-CO] = [All-CO] - [Biomass-CO]

[Biomass-CO]: 高度5-18kmにおけるバイオマス燃焼起源COパーシャルカラム

[Biomass-HCN]: 高度5-18kmにおけるHCNパーシャルカラム

( CO/HCN )Biomass: 高度5-18kmにおけるCO,HCN相関の回帰直線の傾き

[Others-CO]: 高度5-18kmにおける非バイオマス燃焼起源COパーシャルカラム

[All-CO]: 高度5-18kmにおけるCOパーシャルカラム

高度5-18kmにおける3,4,5月および春季のCO,HCN相関を図3.2.3に示す.3月,4

月,5月,春季における(CO/HCN)Biomassの値はそれぞれ202.9,225.0,260.7,206.4とな った.また表3.2.3に,これらの結果とAkagi et al. (2011)における植生別森林火災による

CO,HCH 放出量比の比較を示す.高度 5-18km つくばにおける 3,4,5 月および春季の

(CO/HCN)Biomass値は,熱帯林火災によるCO, HCN発生量比と近い値を示した.またアジ

ア州の多くの国が属する亜寒帯林および温帯林での森林火災によるCO,HCN発生量比と は整合的な結果が得られなかった.

図3.2.3 高度5-18kmにおける3,4,5月および春季のCO,HCN相関

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表3.2.3 植生別森林火災によるCO/HCH放出量比の比較

表3.2.4および図3.2.4に算出したバイオマス燃焼起源COおよび非バイオマス燃焼起源

COのパーシャルカラム量の結果を示す.(a)はすべての月の( CO/HCN )Biomassとして,す べ て の 月 に お い て 春 季 に お け る 回 帰 直 線 の 傾 き (=206.4) の 値 を 使 用 し ,(b)は ( CO/HCN )Biomassとして,各月の回帰直線の傾き(Mar=202.9,Apr=225.0,May=260.7,

Spr=206.4)の値を使用している.春季つくば高度5-18kmにおけるバイオマス燃焼起源CO

について,(a)の存在量および割合は各月で4.60~6.29×1017 [molec/m2],65~75 % の変 動幅を持ち,(b)の存在量および割合は各月で 4.52~7.94×1017 [molec/m2],64~95% の 変動幅が確認された.各月の( CO/HCN )Biomass 値を使用した(b)の方が,春季通算の

( CO/HCN )Biomass 値を用いた(a)よりも,4,5月において高いバイオマス燃焼起源CO存在

量を示した.

また,表3.2.3より,牧草や残渣の燃焼によるCO/HCH放出量比は,他の植生の燃焼よ

りも大きくなっている.よってつくば上空の大気に牧草や残渣の燃焼による CO が含まれ ている場合,本研究で求めたバイオマス燃焼起源 CO の割合の値は,過剰に見積もられて いる可能性がある.

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表3.2.4 高度5-18km,バイオマス燃焼起源COのパーシャルカラム量

図3.2.4 高度5-18km,バイオマス燃焼起源COのパーシャルカラム量

(a)すべての月の( CO/HCN )Biomassに,春季の回帰直線の傾きの値を使用

(b) 各月の( CO/HCN )Biomassに,各月の回帰直線の傾きの値を使用

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