大うつ病エピソードに関する M.I.N.I.の質問は 9 問(抑うつ気分、興味・喜びの減退、 著しい体重の 変化、不眠、精神運動抑制あるいは焦燥、易疲労感・気力の喪失、無価値感・ 罪責感、思考力・集中力の 減退・決断困難、希死念慮・自殺企図)であるが、これをより簡便に実施できるよう 5 問に短縮したの が、BSID(Brief Structured Interview for depression)である。
本法では、2 週間以上持続する「抑うつ気分」と「興味・喜びの減退」についてまず質問し,そのどちらか 一つ以上が認められた場合に,追加して「不眠」、「無価値感や自責感」、「集中や決断の困難」の 3 項目の質 問をする。判定は、これら5問のうち、「抑うつ気分」か「興味・喜びの減退」のどちらかを含む計3問以 上に「はい」(肯定)があった場合、大うつ病エピソードであると判断することになる。
B1、またはB2 のどちらかが「はい」であるである場合下記の質問にすすむ
B1、B2のどちらも「いいえ」である場合面接終了とする
B3 この 2 週間以上、憂うつであったり、ほとんどのことに興味がなくなっていた場合、 あなたは:
a 毎晩のように、睡眠に問題(たとえば、寝つきが悪い、真 夜中に目が覚める、 いいえ はい 朝早く目覚める、寝過ぎてしまうなど) がありましたか?
b 毎日のように、自分に価値がないと感じたり、または罪の意識を感じたりし いいえ はい ましたか?
c 毎日のように、集中したり決断することが難しいと感じましたか? いいえ はい
B1~B3(a~c)の回答に、少なくともB1 とB2 のどちらかを含んで、3 つ以上「はい」がある?
「はい」である場合、大うつ病エピソードの疑いとなる。
本構造化面接法は、数分~(長くても)10 数分で実施できるため、健診時や健康相談時に活用することが可 能である。本法を使用する際は、必ずしも、一語一句質問項目に記載されている通りに質問する必要はない。
質問の意味を正確に伝えられるならば別の表現を用いてもよいし、他の質問を追加してもよい。また、出来 るだけ「はい」か「いいえ」の形で対象者に自ら答えを出してもらう働きかけをすることである。「2 週間 以上、ほぼ毎日のように」といった内容に合うかどうかなどを確認しながら「はい」か「いいえ」を出来る だけはっきり回答してもらう必要がある。その際、保健スタッフが回答を誘導するような態度を取ってはな らない。ただし、これはうつ病の診断をするための面接法ではなく、あくまでもうつ病の時に出現しや す いエピソードをとらえるための面接法である。こういったエピソードの把握がうつ状態の評価の基本であ ることを強調しておきたい。うつ病診断のためにはより詳細に症状をとらえ、うつ状態を来すその他の病態 を除外する必要がある。
B1 この 2 週間以上、毎日のように、ほとんど1 日中ずっと憂うつであったり沈んで いいえ はい
気持ちでいましたか?
B2 この 2 週間以上、ほとんどのことに興味がなくなっていたり、大抵ならいつも楽し いいえ はい
めていたことが楽しめなくなっていましたか?
サイコロジカル・ファーストエイド
サイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First
Aid : PFA) とは、深刻な危機的出来事に見舞われた人に対
して行う、人道的、支持的、かつ実際的な支援のことであ る。心理的(サイコロジカル)という言葉を使用しているが、
PFA には心理的支援だけではなく社会的支援も含まれる。
サイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First
Aid : PFA) とは、深刻な危機的出来事に見舞われた人に対
して行う、人道的、支持的、かつ実際的な支援のことであ る。心理的(サイコロジカル)という言葉を使用しているが、
PFA には心理的支援だけではなく社会的支援も含まれる。
PFA は 、 機 関 間 常 設 委 員 会(Inter-Agency Standing
Committee : IASC)やスフィア(Sphere)計画 をはじめ、国
内外の数多くの専門家団体から推奨されている。PFA は
「心理的デブリーフィング」に 代わるもので、世界保健機 関(World Health Organization : WHO)の「メンタルヘル ス・ギャップ・ アクション プログラム(mhGAP)」ガイド ライン策定グループは、2009 年に、PFA と「心理的デブ
リーフィング」の有効性を評価し、トラウマティックな出来事に遭遇して深刻な精神的苦痛を感じて いる被災者には、「心理的デブリーフィング」よりも PFA を提供すべきという結論を出した。
職場における災害時のこころのケアマニュアル
職場における災害時のこころのケアマニュアル」とは独立 行政法人労働者健康福祉機構が平成 17年 4月25日のJR 福知山線脱線事故等の凄惨な災害や事件に遭遇し、強いスト レスを受けた労働者及び家族の心のケアの参考に供するた め、高田勗・北里大学名誉教授、故・島悟・東京経済大学教 授等の専門家の協力を得て作成したものである。このマニュ アルは、心身に強いストレスを受けた労働者等の所属する企 業の産業医、保健師等の専門職や、事業主、衛生管理者、労 務担当者、同僚労働者等が、このような労働者や家族等にど のように接するべきか、企業においてどのような対応をとる べきかなどについて、一般的な指針を示している。