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本節では,BPの観測誤差𝑑𝑞が突発事象の検出に及ぼす影響について説明する.

BPの観測誤差が定点観測流率に及ぼす影響

BPが計測する流率の観測誤差𝑑𝑞が,これより推定される定点観測者の流率𝑄に 及ぼす影響𝑑𝑄について説明する.はじめに,定点観測者が計測する流率𝑄と,反対 車線を速度-uで走行する BPが計測する流率𝑞との関係式 3-1 を簡略的に記すと,

以下の通りとなる.

𝑄 𝑞 𝑢𝐾 3-7

さらに,式 3-3 の両辺をqにより微分すると,以下の通りとなる.

𝑑𝑄

𝑑𝑞 1 𝑢𝑑𝐾 𝑑𝑞

一方で,forward wave speedが𝑣, backward wave speedが-𝑤である図3-3のよう な区分線形 FDを仮定すると,BP が計測する流率の変分dqと密度の変分 dKの関 係は以下の通りとなる.

𝑑𝑞 𝑢 𝑣 𝑑𝐾 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 𝑓𝑟𝑒𝑒 𝑓𝑟𝑜𝑤 𝑢 𝑤 𝑑𝐾 ∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 𝑗𝑎𝑚 𝑓𝑙𝑜𝑤

さらに,式 3-7 の両辺を𝑑𝐾 により除すると,以下の通りとなる.

∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 𝑓𝑟𝑒𝑒 𝑓𝑙𝑜𝑤

∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 𝑗𝑎𝑚 𝑓𝑙𝑜𝑤

そして,式 3-8 の右辺に式 3-10 を代入すると, は以下の様に整理される.

3-9

3-10 3-8

∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 𝑓𝑟𝑒𝑒 𝑓𝑙𝑜𝑤

∙∙∙∙∙∙∙∙∙ 𝑗𝑎𝑚 𝑓𝑙𝑜𝑤

式 3-11 から分かるように,図 3-3に示す様な区分線形の fundamental diagram が所与である時,𝑣 60km/h,𝑤 15km/hにおいて,u 30km/h~60km/hの範囲 の値をとる時,𝑓𝑟𝑒𝑒 𝑓𝑙𝑜𝑤の状況においては, は𝑢と𝑣により規定され,1/3<

<1/2の範囲の値をとる.また,𝑗𝑎𝑚 𝑓𝑙𝑜𝑤 の状況においては, は u wにより 規定され, 1/2< < 1/4の範囲の値をとる.

BPの観測誤差が突発事象の検出に及ぼす影響

ここまでの整理を踏まえ,BPの観測誤差𝑑𝑞が突発事象を検出する時に及ぼす影 響について考察する.

(1) a点の検出について

はじめに,突発事象情報を検出するアルゴリズムでは,BPが時刻位置 aに到達 後,BPは区間 oa に対する区間abでの流率と密度の変化を検知することで,上流 側で少なくとも何かが生じていることを把握する.

この時,aの下流側が自由流,上流側も自由流である場合,式 3-11 より,BP が計測する流率𝑞は,定点観測者の流率𝑄の 𝑢 𝑤 /𝑣倍で観測される.

一方で,aの下流側が渋滞流,上流側が自由流である場合,𝑞は𝑄の 𝑢 𝑤 /𝑤倍 で観測することができるため,自由流領域よりも渋滞流領域で突発事象が発生す る場合の方が,a点を検出しやすいと考えられる.

但し,いずれの場合であっても,a点における流率𝑞の変化が,BPの観測誤差𝑑𝑞 相当である場合は,a点の検出が困難となる可能性を有する.

3-11

(2) b点の検出について

アルゴリズムでは,BP が時刻位置 bに到達,BP は突発事象発生位置𝑥 を検出す るとしている.この時,時刻位置 bでは自由流領域から渋滞流領域に遷移するこ とから,b点における流率𝑞の変化は,BP の観測誤差𝑑𝑞よりも相当に大きいと考え られ,b点の検出は aの点の検出よりも困難でないと考えられる.

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