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Ⅵ. 肺移植

7.1 BOS 7.2 RAS

7.3 その他のCLAD

8 その他の呼吸器疾患 8.1 気管支拡張症

8.2 閉塞性細気管支炎 8.3 じん肺

8.4 ランゲルハンス細胞組織球症 8.5 びまん性汎細気管支炎 8.6 サルコイドーシス 8.7 リンパ脈管筋腫症 8.8 嚢胞性線維症

9 上記に該当しないその他の疾患

l 年齢は原則として両肺移植では55 歳未満、片肺移植では60歳未満であること。こ のほかに肺移植関連学会協議会の定めた「一般的適応指針」を満たしていること、

そして「除外条件」を有していないことが必要とされています。

【一般的適応指針】

1. 治療に反応しない慢性進行性肺疾患で、肺移植以外に患者の生命を救う有

効な治療手段が他にない。

2. 移植医療を行わなければ、残存余命が限定されると臨床医学的に判断され る。

3. レシピエントの年齢が、原則として、両肺移植の場合 55 歳未満、片肺移 植の場合には60歳未満である。

4. レシピエント本人が精神的に安定しており、移植医療の必要性を認識し、

これに対して積極的態度を示すとともに、家族及び患者をとりまく環境に 十分な協力体制が期待できる。

5. レシピエント症例が移植手術後の定期的検査と、それに基づく免疫抑制療 法の必要性を理解でき、心理学的・身体的に十分耐えられる。

【除外条件】

1) 肺外に活動性の感染巣が存在する。

2) 他の重要臓器に進行した不可逆的障害が存在する。

悪性疾患 骨髄疾患

冠動脈疾患 高度胸郭変形症 筋・神経疾患

肝疾患(T-Bil>2.5mg/dl)

腎疾患(Cr>1.5mg/dl、Ccr<50ml/min)

3) 極めて悪化した栄養状態。

4) 最近まで喫煙していた症例。

5) 極端な肥満。

6) リハビリテーションが行えない、またはその能力の期待できない症例。

7) 精神社会生活上に重要な障害の存在。

8) アルコールを含む薬物依存症の存在。

9) 本人及び家族の理解と協力が得られない。

10) 有効な治療法のない各種出血性疾患及び凝固能異常。

11) 胸郭に広汎な癒着や瘢痕の存在。

12) HIV(human immunodeficiency virus)抗体陽性。

3. 移植実施件数 (図 3)

l 脳死肺移植は日本臓器移植ネットワークへ登録した患者のみに実施できます。一方、

生体肺移植は登録を必ずしも必要としません。

l 脳死肺移植の国内での実施件数は、2019 年 12月までで、合計 526 件です。図に示 すように改正臓器移植法が施行された 2010 年以降の実施件数が増加しています。

2019 年には過去最多となる年間79件の脳死肺移植が実施されました。施設別の実 施件数の累計は、京都大学 140件、東北大学 116 件、岡山大学 108 件、大阪大学58

件、福岡大学34 件、東京大学34 件、獨協医科大学 16 件、長崎大学 13 件、千葉大 学 7件です。(図2)

l 生体肺移植の国内での実施件数は、2019 年 12月までで、合計234 件です。施設別 の実施件数の累計は、京都大学 95 件、岡山大学 94 件、東北大学 14 件、大阪大学 11件、東京大学 7件、福岡大学4 件、長崎大学4 件、獨協医科大学3 件、千葉大学 2件です。脳死・生体肺移植全例を合計しますと、2019 年 12月までにわが国では 763 件の肺移植を行ったことになります。なお、これに加えて3例の心肺同時移植 が実施されています。(図 3)

4. 移植待機者数

l 日本臓器移植ネットワークへの登録作業を開始した 1998年8 月から 2019 年 12月 までの 21 年4ヶ月間で合計1,623人が肺移植登録をされました(心肺同時移植登 録を含む)。(図 4)

l 移植を受けた方、亡くなった方を除いて毎年 12 月末時点で肺移植を待機されてい る方の数は図のように推移しており、2019 年 12月末では待機数は心肺同時移植の 3人を含めて392 人となっています(図 5)。

5. 待機期間と待機中の死亡

l 2019 年末時点での肺移植待機患者(3 例の心肺同時移植待機患者を含む)の平均待 機日数は、登録を中止している患者(内科的治療などにより登録後に病状が改善ま たは安定している患者)を合わせると 902 日、登録を継続している患者のみ(297 人)では448日です。

l 2019 年 12月までの 21 年4ヶ月の期間中に登録された 1,623人のうち 606人(37.3%)

が待機中に亡くなっています。

6. 移植成績

l 肺移植実施 763 件のうち、これまで 203人が移植後の合併症で死亡しています。死 因としては、感染症が最も頻度が高く、次いで移植肺機能不全、慢性拒絶反応の順 となっています。

l 2019 年末の時点でのわが国の成績は、脳死肺移植では5 年生存率 71.2%、10 年生 存率58.9%、生体肺移植では5年生存率 73.6%、10 年生存率61.9%と成績に違いは ありません。いずれの成績も欧米での肺移植の成績を中心とする国際心・肺移植学 会の 2019 年の報告で公表されている成人肺移植の5年生存率約55.4%、10 年生存 率約33.6%を脳死肺移植、生体肺移植ともに大きく上回るものになっています。ま た、心肺同時移植の3例は 2019 年末時点で生存中です。(図 6)

7. 実施可能な施設

l 脳死ドナーからの肺移植は、臓器移植関係学会合同委員会によって認定された施設 のみが実施できます。現在は以下の 10 施設が実施施設として認定を受けています。

東北大学、京都大学、大阪大学、岡山大学(1998年認定)

獨協医科大学、福岡大学、長崎大学(2005年認定)

千葉大学(2013年認定)、東京大学(2014年認定)

藤田医科大学(2019 年認定)

l 生体肺移植については、日本移植学会の生体部分肺移植ガイドラインにおいてその 実施のための条件として脳死肺移植の実施施設であることが謳われています。

8. 費 用

l 肺移植は脳死ドナーからの肺移植については 2006年4 月から保険診療の対象とな り、費用の負担は大きく軽減されました。また、生体肺移植についても 2008年4 月 より保険診療の対象となりました。

l 退院後も免疫抑制薬などの服用が必要ですが、術後の免疫抑制療法については 2003 年 1月から保険適用となりましたので、患者個人負担はかなり軽減されました。

9. その他

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