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Airbnb の成長戦略

ドキュメント内 Airbnbの成長戦略 (ページ 30-37)

 起業以来、Airbnb は長足的な発展を遂げて、スタットアップ企業から、民泊市場リーダー および宿泊市場の有力なチャレンジャーへと成長してきた。Airbnb の仲介商品のリスト規模 が年々拡大し、年商と収益も高まりつつある。経営の視点から見て、急激かつ持続的な成長 は、Airbnb に一番顕著な印象と付かれた。今段階において、Airbnb にとって成長し続ける ことは経営の第一目標にほかならない。Airbnb の成長を支えている戦略について、標準理論 であるアンゾフの PPM 理論によって分析をすることが適合的だと思われる。

(1)アンゾフ・マトリックス理論

 アンゾフ・マトリックスは、Ansoff(1957)に提起された経営戦略における古典的な名論で ある。アンゾフ・マトリックスのコツは、商品と市場の異なる組み合わせによって生まれた 4 つの戦略にある(表 11)。アンゾフにより、成長を実現するために、企業は内部の資源と 市場の状況に合わせて適合な戦略を選択すべきである。

表 11.アンゾフ・マトリックスによる成長戦略のベクトル

出典:Ansoff(1965),p.99.広田寿亮訳(1969)、137 ページ

   

表 11.アンゾフ・マトリックスによる成長戦略のベクトル 現商品

Present Products

新商品 New Products 現市場

Present Markets

市場浸透 Market Penetration

商品開発 Product Development 新市場

New Markets

市場開発 Market Development

多角化 Diversification 出典:Ansoff(1965), p.99. 広田寿亮訳(1969)、137 ページ

表 12.多角化種類のベクトル

既存商品との関連性 生産技術的関連性

ある ない

マーケティング的関連性 ある 水平的多角化 マーケティング関連多角化

ない 技術関連多角化 コングロマリット多角化

出典:喬(2014)、11 ページ

 市場浸透は、現在の市場において、今までと変わらぬ顧客に対して、既存の商品(モデ ル・ チェンジされたシリーズ新商品を含む)をさらに売り込み、既存顧客の購入頻度と購入 量の増大を通じて、売上高と市場シェアの拡大をはかる戦略である。市場開発は、新しい市 場セグメントに経営努力を投入し、事業のさらなる成長を求める戦略である。商品開発は、

現在の市場セグメントに対して、既存の商品と大きく異なるような、 新機能や新内容などを 付けた新しい商品を投入して、売上の増大をはかる戦略である。多角化は、新しい市場に向 けて新しい商品を投入し、今までと完全に異なる事業を開始して成長を企てる戦略である。

 アンゾフ・マトリックスによる 4 つの戦略は異なる状況を対応しているとともに、成功す る条件も異なっている。市場浸透または市場開発を実現するために、マーケティングが重要 な能力と手法である。市場浸透の場合に、広告と宣伝の強化、顧客関係管理の強化などの方

熊本学園商学論集 第 24 巻 第 2 号(通巻第 63 号)2020・3

策が効果的だとされる。市場開発を遂げるには、市場浸透とほぼ同様に、企業が蓄積した営 業販売や顧客関係強化に関する資源と経験を活用することが重要である。企業は商品開発と 多角化へ伸長すれば、企画、開発、資金をはじめとする能力は勝負に肝要な条件である。こ の上、喬晋建(2014)は、アンゾフ・マトリックスによる戦略策定の要点について論述をし た。それによると、企業が成長する段階に合わせて成長戦略を切り換える必要がある。そし て、戦略に導かれる事業展開の成功に易しいものから始めるのは一般的である。すなわち、

市場浸透→市場開発または商品開発→多角化、というのは一般的な順序である。

(2)Airbnb の成長戦略

 Airbnb のスローガンでもある企業ミッション「Belong anywhere(至るまで属する)」の 言う如き、現在、当社は 191 か国と地域の 8 万都市に 600 万件民泊を仲介し、民泊ビジネス のグローバルリーダーとして君臨している。これから、アンゾフ・マトリックスの視点から、

Airbnb の成長戦略を分析してみる。

①市場浸透による成長

 Airbnb の事業の土台を支えているのは、民泊を中心とした宿泊商品の仲介業務である。始 業以来、Airbnb の発展は同一商品(シリーズ)で同一顧客市場に向かって事業展開であるた めで、市場浸透に該当する。現在の民泊市場において、Airbnb は民泊営業に対する監理経験 に富み、グローバル化が一番高いしリスト規模が一番大きいである。これまでの市場浸透を 遂げたことには、単なるインターネットの隆盛に乗っていることだけではない。マーケティ ングの視角から見て、3 つの要因があると考えられる。

 第一に、Airbnb は先行者として、民泊という新たな宿泊サービスの導入初期から市場に参 入した。最初に、旅行家、スタジオオーナー、芸術家などがゲストに、個人営業者、ツーリ ズム業者などがホストになったことにより、業界の革新的採用者集団が形成した。この時期 はスマートフォンによるインターネット普及のトレンド(およそ 2008 ~ 2013 年)を踏まえ て、革新的採用者集団が前期採用者集団への意識波及が費用対効果に著しかった。そのため、

Airbnb はマーケティングによるコストを抑えながら、市場浸透を比較的容易に実現した。そ の波及効果に乗ったことも、Airbnb の急成長の外部要素と見られる。かくして、広ければ広 いほどあまねく分布してある民泊物件は、旅行者に対して経済的便利な宿泊ソリューション となった。結果的に、民泊の利用者集団も取引件数も年々増えてきている。

 第二に、民泊ビジネスによって得られる豊富な旅行体験および起業チャンスは、グローバ

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ル範囲で若い層集団を引き付けつつある。民泊を営業する・民泊に泊まることを積み重ねて いくと、一種のライフスタイルが形成すると考えられる。それは、民泊を中心活動としたプ ライベートトラベルを好むことである。このライフスタイルは、民泊ビジネス利用者集団の セグメント特徴でもある。この点を利用して、Airbnb は若い層に積極的にマーケティングを している。安全保障保険と営業支援でホストに向けて民泊ビジネスへの参与を誘致しながら、

『airbnbmag』雑誌とレストラン情報掲載でゲストの消費を誘致している。これらの施策によ り、Airbnb が業界リーダーを維持した原因を解明する。

 第三に、民泊ビジネスは CSV へのアプローチと思われ、持続的な発展に寄与する。民泊営 業が抱えている法律違反・脱税・安全措置不備の課題は、民泊ビジネスの発展というより、

むしろ存続できるかどうかに関する命題に当てはまる。一方、Airbnb のビジョンとなる「健 全ツーリズム」が、ツーリズム業による地方創生と環境友好型の生活習慣養成を提唱する。

民泊ビジネスによる地方創生は、貧困削減、過疎化脱却などに役立つと見込める。そして、

個人が資源を節約し、リサイクル、シェアに取り組むと、微小でも環境保護に貢献すること が疑わない。2019 年、日平均取引件数が 200 万に達した Airbnb の民泊ビジネスは、健全化 とすれば社会の持続的な発展に寄与できる。Airbnb はこの点を利用して、民泊ビジネスを基 軸に、社会的課題に取り組んで会社利益と社会的便益を同時に創出する。すなわち、CSV に より、事業の持続的な発展を実現する。

②市場開発および商品開発により成長

 Airbnb は民泊を経由して利益基盤を築き、民泊市場におけるブランド力を握っている。民 泊は、Airbnb の事業成長の源泉と言える。Airbnb の経営現状から見て、ホストの新規参入 と民泊ゲスト集団の再購入比率が高いため、利益基盤が安定している状態にある。Airbnb は 依然として、民泊を事業中心として市場開発に運用する。一方、欧米市場でも、中国市場で も、アジア太平洋市場でも、Airbnb は市場開発を積極的に取り扱って始めた。例として、中 国と日本市場での外部連携強化は新市場開発をサポートしている。ただし、新市場の参入 に従って、多数のライバル企業が出現し、Airbnb は追われる状態に陥っている。うちには、

TUJIA など民泊仲介社もあり、BOOKING など OTA 大手もあり、OYO などフランチャイ ズホテルのスタットアップ社もある。これから、業界競合が正式に始まっているといえる。

 このような競合状態を踏まえ、Airbnb は近年、民泊ゲスト集団のセグメント特徴を基で、

新商品を次々と打ち出した。市場開発の面で、Airbnb は宿泊施設の品質に対する要求と消費 能力を条件で市場を細分し、民泊に Airbnb Plus、Airbnb Luxe という 2 つカテゴリーを加

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えた。Airbnb Plus はビジネスホテルと対照して開発した商品であり、競争に効くことが見 込める。Airbnb Luxe は施設とサービスの面に一般的な民泊と異なり、高い価格帯の商品で ありながら、高価により高い利潤を求められる。そして審査制度付きの政策により、仲介す る宿泊商品に品質保証と体験向上を図れる。体験イベントとアドベンチャーは、新たなカテ ゴリーの商品であり、プライベートトラベルという一種の本人企画の旅行をめぐる商品開発 に当てはまる。体験イベントは、民泊のように観光産業に対して画期的な商品に値する。今 は導入期段階に立て、規模が小さいことしかないが、未来の成長性と利益貢献が期待できる。

この市場開発および商品開発は、仲介商品ラインの補完になり、現市場顧客層の旅行ニーズ をたっぷり応える。こんな戦略施策は、Airbnb の次段階の持続的な成長に寄与することがで きる。

 さらには、Airbnb はプライベートトラベル業全般に介在しはじめた姿勢をアピールしてい る。それを新しい段階にシフトする準備と見ていい。それにより、Airbnb は早めに業界資 源を囲み、キーパートナーとの関係を築き、新たなコアコンピタンスを育成して、次段階に OTA 上位社との競争に備えようとしている。

(3)Airbnb に対する成長展望

 インターネット系会社大手は相次いで民泊ビジネス市場に殺到し、これら強力なライバル は Airbnb の成長にとって、不安定な要因と見ていい。白兵戦のように、直面する競争は激 しいし、資源を消耗して経営コストを高騰させる。現状より更なる発展を図るためには、適 切な成長戦略が肝要で、不可欠である。Airbnb は民泊に集中して、事業拡大を企てればいい のではなかろうか。アンゾフ・マトリックスのアングルで、多角化が Airbnb の次段階の成 長に役に立てる。

①多角化の効能と最適化

 多角化は、会社が新しい顧客市場に新しい商品を投入し、新たな事業を開始して成長を遂 げる戦略である。市場浸透、市場開発、商品開発という 3 つの戦略は、現市場または現技術 からなる事業を拡大して会社の成長を促成するものである。それに対して、多角化こそが本 格的な成長戦略と見なされる。しかし、会社が自ら新しいスタートラインを引き直して二次 創業をすれば、企業内部に既存のコアコンピタンスから大きく逸脱することになりがちと考 えられる。不適切なポジション或いはペースに置かせたら、多角化が従来の優位性を保たな いだけでなく、競争に取りこぼして現事業の黒星となってしまう可能性もある。ゆえに、多

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