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A.1 SDS

調査の標本設計

SDS

調査は

5, 319

に上る副業

CT

のそれぞれを詳細な生産物分類へと分割することを

目的としているが、調査全体のサンプルサイズは

8,000

と限られている。そのため、

SDS

調査は無作為抽出ではなく、副業の種類や売上額を考慮した有意抽出によって調査対象 となる事業所を選定する。標本抽出は、第一に副業をおこなっている事業所の抽出、第 二に産業

×

事業活動マトリックスの作成、第三に標本割り当て、そして最後に調査対象事 業所の決定という四つのプロセスによっている。

第一に、副業をおこなっている事業所の抽出として、

SDS

調査では

2015

年を対象とす る「平成

28

年経済センサス

-

活動調査」(以下では、単に経済センサスと呼ぶ)における 事業所の事業別内訳(

22

区分)に基づいて、副業をおこなっている事業所を抽出した。

2.1

節のように

SDS

調査では、事業所の主活動(

JSIC

小分類別)の属する事業別内訳以外 の

21

の事業別内訳に含まれる活動群を「副業」と定義している。そのため、ここでの「副 業をおこなっている事業所」とは、事業別内訳において

2

つ以上の区分にまたがって生 産活動をおこなっている事業所を指す。そこで最初に、複数の事業別内訳に売上額が計 上されている事業所を抽出し、

SDS

調査における副業をおこなっている事業所の母集団 としている。ただしここには、経済センサスにおいて事業所別に売上額を調査していな い、建設業、サービス関連産業

A

、学校教育に格付けられる複数事業所企業は含まれて いない。これらの事業所については、後に別途調整をおこなう。

第二に、産業

×

事業活動マトリックスを作成する。

SNA

での定義(

2.1

節)の考察のよ うに、副次的生産物の種類は、当該企業が所有・使用する資本や労働などの生産要素が 密接な関係を持っているケースが多いと考えられる。その場合、単独事業所企業の事業 所では当該事業所の主活動に関連する副次的生産物を生産しているのに対し、複数事業 所企業の事業所では同一企業内他事業所の活動に関連する生産をおこなっているなど、

たとえ主活動が同一であったとしても異なる副次的生産物を生産している可能性が想定 される。

そこで

SDS

調査では、上記で抽出された事業所を、単独事業所企業の事業所と複数事 業所企業の事業所に分割し、さらに副業の事業別内訳が

1

種類である事業所、

2

種類で ある事業所、

3

種類以上である事業所に区分した上で、それぞれについて図

12

のような 産業(小分類)

×

副業の事業別内訳(

22

区分)別の売上額および事業所数マトリックスを 作成した

31

第三に、産業

×

事業活動別事業所数・売上額マトリックス(図

12

)に基づき、売上額 の大きさに応じて標本の比例割り当てをおこなう。この際、副業の事業活動が

1

種類で ある事業所については、産業別・事業活動別の金額(図

12

における各セル)に応じて、

2

種類および

3

種類以上である事業所については、各産業の合計金額(図

12

における右 端「合計」列)に応じて割り当てをおこなっている。

SDS

調査のサンプルサイズは全部

8,000

事業所であるが、ここでは

7,398

事業所の割り当てをおこなった。残りの

602

31 商業売上額については、売上額にマージン率を乗ずることによってマージン額としている(マージン率について

Appendix A.2

を参照)。

35

業所については、建設業、サービス関連産業

A

、学校教育の調査に割り当てられる。

12

:産業

×

事業活動別事業所数・売上額マトリックスの形式

第四に、割り当てられた標本の大きさに応じて、調査対象事業所を確定する。その際、

副業の売上金額が大きい事業所から順に調査対象とする有意抽出をおこなう。これは、

金額面からできる限り多くの副業をカバーすること、また回収率を少しでも高めるため の措置である

32

。ここで抽出された事業所が

SDS

調査の対象となる。ただし、図

12

の 形式に基づく事業所数のマトリックスと、割り当てられた標本の大きさを比較し、事業 所数が標本の大きさを下回る場合、当該層は全数調査としたうえで、他の層に標本を再 度割り当てている。

この他に、建設業、サービス関連産業

A

、学校教育といったいわゆるネットワーク型 の複数事業所企業については、経済センサスにおいて企業を対象とした売上額が調査さ れているものの、事業所を対象とした調査はおこなわれていない。そこで、経済センサ スにおける企業の産業格付けと事業別内訳(

22

区分)別の売上額に基づいて図

12

と同 様の売上額表を作成し、その大きさに応じて

602

事業所分の標本を割り当てる。ただし、

企業が副業をおこなっていても、必ずしも事業所が副業をしているとはいえない。たと

32 大規模事業所に比較して、小規模事業所の回収率は低いことが想定されるための措置である。また同一産業であ っても小規模事業所と大規模事業所のおこなう副業の内訳が異なっている場合、売上金額の大きい事業所のみを調 査対象とすればバイアスが発生する可能性がある。しかし本調査では単独事業所企業および複数事業所企業を区分 して標本設計を行っており、単独事業所企業から抽出される事業所には規模の小さな事業所が多く含まれることか ら、小規模事業所の副業の内訳についてもある程度把握されることになる。

959その他のサービス業 012畜産農業 011耕種農業

011耕種農業 012畜産農業

959その他のサービス業

959その他のサービス業

959その他のサービス業

959その他のサービス業

959その他のサービス業

副業の事業別内訳(22区分)

主業の産業分類(小分類)

単独事業所

副業の事業別内訳(22区分)

複数事業所

個別事業所で行って いる副業の事業数に 応じて3群に分ける

3種類以上の副業に従事 2種類の副業に従事

1種類の副業に従事 主業の産業分類小分類)

36

えば、建設業の企業が副業として製造活動をおこなう場合に、当該企業が保有する事業 所の

1

つが製造業を専業でおこなうようなケースである。この事例においては、企業単 位では製造業を副業としても、事業所単位では副業はないと定義される。

SDS

調査では、

企業がおこなう副次的生産物に関する詳細な情報を収集したうえで、

Web

調査(第

3

節)

を併用することにより、それらが事業所の副業であるか否かについて可能な限り識別す ることを試みるものとした

33

。ただし、本稿ではまだその十分な検討に至らず、ネット ワーク型産業を除く評価に留まっている。

A.2

経済センサス副業生産表

2015

年を対象とする「経済センサス

-

活動調査」(事業所に関する集計)の第

6

表(「産 業(中分類)別民営事業所数,売上(収入)金額及び事業活動(

22

区分)別売上(収入)

金額(外国の会社及び法人でない団体を除く)」)は、副業としての売上(収入)金額の うち、事業所の産業格付けが付与されているもののみが計上されており、その合計およ びそれと整合した副業

CT

を公表資料から直接に利用することはできない。

ここでは「経済センサス

-

活動調査」調査票情報のデータにおいて、事業所の産業格付 けとして

JSIC

小分類(

3

桁)の産業コードが付されておらず、企業の産業格付けとして

JSIC

小分類(

3

桁)の産業コードのみが付されている事業所については、企業の産業格付 けを事業所の産業格付けとみなし、小分類ごとに売上額を集計した。その際に、企業の 産業格付けに従って

22

区分の中での主業を特定し、主業分の売上額を除いて副業分のみ 求めている。また、企業の

JSIC

小分類(

3

桁)も付されていない事業所については、す べて「

999

分類不能の産業」にまとめて集計している。この中には、中分類あるいは大分 類レベルの産業コードが付されているものも含まれている。これらについては、大分類 あるいは中分類の産業格付けに従って可能な限り主業を特定し、主業分の売上額を除い ている。産業格付けに関する十分な情報がなく主業を特定できない事業所については、

22

区分のうち売上金額が最大となる活動を主業とし、これを売上額から除いて副業分を 計算している。

このようにして推計された副業売上(収入)金額は

134.2

兆円となり、第

6

表において 格付けられている

55.6

兆円を大きく上回っている。また公表資料(第

6

表)は産業中分 類であるため、事業所個票より集計した

JSIC

小分類での副業売上(収入)金額を、第

6

表での中分類を制約にして

JSIC

小分類へと分割している。また卸売・小売業の売上は商 品販売額であるため、平均マージン率として卸売については

15.3%

、小売については

29.9%

を適用して商業部門の生産額へと転換している

34

。なお金融業の収入は手数料収入に加 えて利子収入を含むため、

SDS

生産物分類のうち

3301.

銀行業、

3302.

中小企業等金融業、

3303.

農林水産金融業、

3304.

消費者向け貸金業、

3305.

事業者向け貸金業については、手数

33 建設業企業が製造業の事業所を保有しているケースでは、製造業事業所は事業所調査票によって詳細な品目別の 売上額を回答しているため、当該建設業企業と製造業事業所を名寄せし、建設業企業が回答した事業別内訳別の売 上額から製造業企業の売上額を差し引くことにより、建設業の事業所における事業別内訳別の売上額を推計するこ とも論理的には可能である。しかし実際にそのような名寄せ計算によれば、企業の売上額が事業所の売上額を下回 るなど、整合的でない事例が多くみられた。

34「経済センサス

-

活動調査」(企業等に関する集計)における「卸売業,小売業に関する集計」より、企業レベルで の卸売・小売の平均マージン率を算定している。

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