コモンモードチョークコイル ハイブリッドチョークコイル
PLA10 PLH10 PLY10
スイッチング CL 電源
L1
CB1
CB2
■スイッチング電源のノイズ対策例
一般的なスイッチング電源のノイズ対策法
スイッチング電源では、図に示したようにノイズフィルタ を取り付け、ノイズがAC電源ケーブル側に伝導しないよ う対策しています。コンデンサはノイズをバイパスし、コ イルはラインインピーダンスを高くすることによりノイズ を抑制します。
記号 名 称 役 割
L1
コモンモード
チョークコイル コモンモードノイズの除去 CL アクロスライン
コンデンサ(Xコン)ノーマルモードノイズの除去 CB1
CB2
ラインバイパス コンデンサ(Yコン)
コモンモードノイズと ノーマルモードノイズの除去
AC電源のノイズ対策例
9
39
9
AC電源のノイズ対策例 9
コモンモードノイズ
基準大地面
スイッチング電源 ノーマルモードノイズ
ノーマルモード
コモンモード 電源コード
信号源
ノイズ源
N
スイッチング電源
(a)ノーマルモードノイズ(ディファレンシャルモードノイズ)
信号源
浮遊容量
(ex.)基準大地面 浮遊容量 ノイズ源
N
スイッチング電源
(b)コモンモードノイズ
ノーマルモード(ディファレンシャルモード)
ノイズとコモンモードノイズ
ノイズはノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノ イズとコモンモードノイズの2種類に分類されます。
ノーマルモードノイズは図(a)に示したように伝導するノ イズです。2本の電源ケーブルを互いに逆向きに流れます。
コモンモードノイズは図(b)に示したように全てのケーブ ルを同じ向きに流れるノイズです。
9
0.1 1 10 100
Frequency (MHz) 120
110 100 90 80 70 60 50 40 30
Conducted Disturbance (dBμV) 20 Conducted Disturbance
Differential mode Component Common mode Component
0.1 1 10 100
Frequency (MHz) 120
110 100 90 80 70 60 50 40 30
Conducted Disturbance (dBμV) 20 Conducted Disturbance
Differential mode Component Common mode Component
120 110 100
μV) Conducted Disturbance Differential mode Component Common mode Component
(a)フィルタなし
(b)Xコン追加
■ノイズフィルタの各素子の役割確認例
ノイズフィルタの各素子の役割
下図はスイッチング電源に使用されていたノイズフィルタ の各素子の役割を確認した例です。雑音端子電圧の変化 を、ノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズ とコモンモードノイズに分解して確認しています。
(a) はノイズフィルタなしです。ノーマルモードノイズも コモンモードノイズも強く出ています。
(b) はXコンを追加しています。ノーマルモードノイズが 減少しています。
(c) はYコンを追加しています。コモンモードノイズと ノーマルモードノイズが減少しています。
(d) はコモンモードチョークコイルを追加しています。コ モンモードノイズが減少するとともにノーマルモード ノイズも減少しています。実際のコモンモードチョー クコイルには多少のノーマルモードインダクタ成分が 含まれているためです。
AC電源のノイズ対策例
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41
9
0.1 1 10 100
Frequency (MHz) 120
110 100 90 80 70 60 50 40 30 20
Conducted Disturbance (dBμV)
Conducted Disturbance Differential mode Component Common mode Component
■ ノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズと コモンモードノイズに分解した例
最近のスイッチング電源のノイズの傾向
最近のスイッチング電源の傾向として、スイッチング周波 数が高くなっており、発生するノイズが強くなっています。
特にスイッチング周波数に近い数 100kHz 帯のノイズが強 くなっています。
図は雑音端子電圧の測定例です。この例では 500kHz 以下 のノイズが強く発生しています。このノイズをコモンモー ドノイズとノーマルモード(ディファレンシャルモード)
ノイズに分解すると、後者が主体となっていることが分か ります。
最近のスイッチング電源は低周波数域のノーマルモードノ イズが強く出る傾向にあるので、ノーマルモードノイズを より効果的に対策する手法が求められています。
AC電源のノイズ対策例 9
9
(a)一般的なスイッチング電源のノイズ対策法
(c)コモンモードチョークコイルの追加
(b)ノーマルモードチョークコイルの追加
(d)コモンモードチョークコイルの大型化
■チョークコイル追加・大型化によるノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズ対策例 下図は、実際に市販されている照明用インバータ電源のノ
イズ対策例です。低周波域のノーマルモードノイズが強い ため、(b)〜(d)のようなアレンジでその対策が施され ています。
(b)ではノーマルモードチョークコイルの追加により、(c)
ではコモンモードチョークコイルの追加により、(d)では コモンモードチョークコイルの大型化によりノーマルモー ドインダクタ成分を増やしています。コモンモードチョー クコイルがノーマルモードインダクタ成分を含んでいるの は、実際のコモンモードチョークコイルは漏れ磁束が発生 するため、ノーマルモード電流による磁束が完全に打ち消 されないためです。ノーマルモードノイズ対策としてはコ ンデンサの定数を大きくすることも考えられます。
しかし、X コンの静電容量増は、無効電流が増加するとい う問題があります。また、Y コンの静電容量増は、漏洩電 流が増加するという問題があります。これらの理由により、
あまり大きな静電容量のコンデンサは使えません。そのた め、ノーマルモードノイズが強い場合は、(b)〜(d)に 示したようにノーマルモードインダクタを増やす対策が必 要となるわけです。しかしながら、図の対策方法では、部 品点数が増える、実装面積が大きくなる、コストが高くな るなどの問題点があります。この問題を解決するために、
コモンモードインダクタ成分はそのままで、ノーマルモー ドインダクタ成分を増やしたチョークコイルが求められて います。
ノーマルモードノイズが強い場合の従来の対策事例
AC電源のノイズ対策例
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ノーマルモード電流 コモンモード電流による磁束は足しあわされ、インピーダンスが発生する
ノーマルモード電流による磁束は打ち消され、インピーダンスが発生しない コモンモード電流
■理想的なコモンモードチョークコイル
ノーマルモード
漏れ磁束が発生するために、ノーマルモード(ディファレンシャルモード)電流が 完全に打ち消されない。そのためノーマルモード成分発生する。
漏れ磁束
■実際のコモンモードチョークコイル 理想的なコモンモードチョークコイルでは、コモンモード
電流により発生する磁束がフェライトコア内で足し合わさ れます。そのため、コモンモードの電流に対してはインダ クタとして働きます。一方、ノーマルモードの電流による 磁束は打ち消されます。そのため、ノーマルモードの電流 には影響を与えません。
しかしながら、実際のコモンモードチョークコイルには漏 れ磁束が発生するため、ノーマルモード電流による磁束が 完全に打ち消されません。つまり、実際のコモンモード チョークコイルは、コモンモードインダクタ成分だけでな くノーマルモードインダクタ成分も含まれています。
コモンモードチョークコイルにノーマルモードインダクタ成分が含まれている理由
AC電源のノイズ対策例 9
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外観 等価回路
■ハイブリッドチョークコイルPLY10シリーズ
■ハイブリッドチョークコイルによるノイズ対策のメリット コモンモードチョークコイルのノーマルモードインダクタ 成分を強めたものに、ハイブリッドチョークコイルがあり ます。図にハイブリッドチョークコイルPLY10シリーズの 外観と等価回路を示します。ハイブリッドチョークコイル は、その構造を工夫することにより、ノーマルモードイン ダクタ成分を強めています。例えばPLY10の場合、同サイ ズのコモンモードチョークコイルと比較した場合、コモン モードインダクタンスは同等レベルのままでありながら、
ノーマルモードインダクタンスは3〜5倍も含んでいます。
つまり、従来使用していたコモンモードチョークコイルを PLY10に置き換えるだけで、コモンモードノイズだけでな くノーマルモードノイズも効率的に対策することが可能で す。ノーマルモードチョークコイルやコモンモードチョー クコイルの追加に比べ部品点数と実装面積が約半分になり ます。
ハイブリッドチョークコイルによる効果的なノーマルモードノイズ対策法
AC電源のノイズ対策例
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ノイズ フィルタ
アクティブ
フィルタ インバータ 蛍光灯
コモンモード チョークコイル
7mH (18×16mm)
(23×5mm) (23×5mm)
0.22μF (23×5mm)
0.22μF (23×5mm) ノーマルモード
チョークコイル 330μH (20×10mm)
ハイブリッドチョークコイルPLY10AN8720R7D コモン 8.7mH ノーマル 500μH
(18×16mm)
(実装面積を約半分に削減)
(部品点数を半分以下に削減)
0.01 0.1 1 10 50
Frequency (MHz) 120
110 100 90 80 70 60 50 40 30 20
Noise Level (dBμV)
0.01 0.1 1 10 50
Frequency (MHz) 120
110 100 90 80 70 60 50 40 30 20
Noise Level (dBμV)
0.22μF 0.22μF
■ハイブリッドチョークコイルPLY10の使用例
ハイブリッドチョークコイルの有効性の確認
ハイブリッドチョークコイルPLY10を実際に使用してその 効果を確認した例を図に示します。ノーマルモードチョー クコイルを追加した場合に比べ、コンパクトな回路構成で しかも省スペースを実現して雑音端子電圧対策ができてい ます。
AC電源のノイズ対策例 9
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10 携帯電話のノイズ対策例
RF部 ベースバンド部
TCXO
LCD Panel
ANT
Base Band IC
RF Chip Set
携帯電話のベースバンド部は、ベースバンドICを中心とし て、音声信号やLCD信号などの様々な制御が行われていま す。このベースバンドICは、高速動作し、多数のデータライ ンが接続されるため、強いノイズ源になります。このノイズ がデータラインや電源/GNDラインを経由してRF部に伝導 すると、感度抑圧が起き、BER(Bit Error Rate)が劣化す るという問題が発生します。