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A=T S で表わされる。

ドキュメント内 HOKUGA: マーケティング学の試み:草稿 (ページ 78-93)

また,Ttを第

t期の変形とすれば,n期間

の政策というのは変形関数の系列

{T,

T

T

, ,

T

である。

t

期のシステムの状態を

S

とすれ ば,t+1期のシステムの状態

S

は,S と そのときにとった行動

T

(S)によっての み決まるという仮定(マルコフ性の仮定)か ら,

S

=K S,T S

なる関係で表わされる。ここで

K

t

期の 状態の変換を表わす関数で,とくに

t

+1期

の状態が

t期に関する要素だけから変換され

て求められることに注意しなければならない。

システムの状態

S

とそのときとった行動

T

(S)から決まる

t

期の収益の現在価値を

g

で,表わせば,多段階の最適決定問題は,

N

期間の総収益(現在価値に割引いた)である,

G S

:T,

T

, ,

T

Σg S

T S

を最大化する行動{T,

T

,・・・・・,

T

}を求 める問題であるということができるであろう。

この最適性の原理を用いると,⑴式で与え られる多段階の最適決定問題は,2つの期の 間の関係式―循環式一によって定式化するこ とができる。最適政策をとったときの期間の 総利益(価値額の総体)の最大値は,システ ムの初期状態

S

に関係するので

T S

と表 わしてみよう。すなわち,

T S

=max G S:T,

T

,・・・・・,

T

と す る。最 適 政 策(変 形)を{T ,

T

・・・・・,

T

)で表わせば,

T S

=G S:

T

T

,・・・・・,

T

=g S,

T S

+g S,

T S2

+・・・・・+

g S

T S

となる。第1期の決定後の残りのN−1期の 最大利益も同様な記号を用いて表わすと,

T S

=g S,

T S2

+・・・・・+g S ,

T S

であるから⑶式は,

T S

=g S,

T S

+T

S

となる。最適性の原理を用いれば2期以後の 変 形 行 動{T ,

T

,・・・・・,

T

)は,第 2

期の初期状態

S

がどんな値になろうと,す なわち,第1期の行動が最適行動

T S

で なく,どんな行動

T S

をとろうともそれ から生じた第2期の状態

S

に関して最適に なっている筈である。第1期の行動を任意の

T S

としたときのN期間の総利益(価値総 額)は,

g S

T S

+T

S

で表わされる。このことから逆に⑹式を最大 にする第1期の行動を求めれば,それはN期 間の総収益を最大にする決定なのであるから,

最適決定関数

T

に一致しなければならな い。したがって⑵式の問題,あるいは⑸式の 関係は,

T S

max

g S

T

(

S

)+

T S

} なる循環式で,表現されることがわかるであ ろう。ここで

S

は第1期の行動

T

によっ て生じた第2期の状態である。

一般に,最適性の原理を用いて,⑺式のよ うな循環式で,定式化された問題のことを動 的 計 画 法(Dynamic Programming:DP) の問題と呼ぶ。また,最適性の原理を応用し て問題を定式化し最適解を求める方法および それに関係する理論全般のことを動的計画法 という。

最適性の原理と表現⑺式とは本質的に同値 な関係であり,⑺式が成り立つことは,式の 上からも直接証明することができるが,ここ では省略する。

②DP のあてはめで理解されること

T

を第

t期の変形とすれば,n期間の政

策というのは変形関数(すなわち行動)の系 列

{T,

T

T

, ,

T

であるが,消費者に価値あるものと認められ

購買された商品を作りだした行動は

T

で ある。そのときの最適政策(最適行動系列)

を{

T

T

,・・・・・,

T

)で 表 わ せ ば,そ れは製品製造過程(製造工程)と流通過程

(卸,小売など)に分けられる。

この系列において,トヨタのかんばん方式 に例えると,

T

を前提にしつつ,製造過 程か流通過程のどこかでさらなる最適政策

(コストを低減など)を考えることができる。

新素材による変更,新しい機械導入による 製造期間の短縮といったメリットを導入する こ と も 可 能 で あ る。そ の 結 果,

T

T

・・・・・,

T

のどこかを短縮するなどである。

先にも指摘した,コスト面から検討するこ とで,この過程に新しい製造企業や流通企業 を生み出すことになるとする

R.H.

コース

(Ronald H.Coase)理論もでてこよう 。 以上の内容については黒田(2010)で検討 されている 。

8‑2.キッコーマン株 式 会 社: 特 選 丸 大 豆 しょうゆ 開発と販売の経緯

経営学者の楠木 建氏が ストーリーとし ての競争戦略 ⎜ 優れた戦略の条件 ⎜ と いう本を出版している 。

こ の 中 で,楠 木 氏 は,M .ポーターの

〝Competitive  Strategy"(訳 本, 競 争 の 戦 略 )を静態論として退けている。事業の意 思決定は,連続的なプロセス(ストーリー)

において決定されるもので,あれもある,こ れもある,ということではないというもので ある。

筆者としては,マーケティングの

P.コト

ラーの〝Marketing   Management"(マーケ ティング管理論)についてもこれと同じこと だと考えている。

流通システム論では,ともすれば,製造工 程との関係を忘れがちである。すなわち,ま ず,ある作品(製品)を受け取って,買い手 に提示する,引き渡すとき何をすれば良いか

(外装(カバー)をどうするか,また,どう 変形すればよいか(どのようなサービスを付 加すればよいか))だけが問題となりがちで ある。流通部門(卸・小売・運送)も製品づ くりから関与すべきなのかもしれない。

これはオルダーソンの トランスベクショ ン の考え方を受け入れることでもある。

キッコーマン社の新製品開発に見るように,

製造過程でいくらやり取りをしていても,市 場に出荷してもうまくいかない。やはり,販 売 手 段 の 一 工 夫 が 必 要 と い う こ と が 分 か る 。

つまり,徹底的に消費者と一体化して作っ た製造品でも,販売がうまくいかなかった場 合があるということである。リサーチを徹底 的に行い, 共創 の考え方を徹底的に実行 し,長い時間掛けて作り上げた作品でも,ま だ,それだけで買い手が購入するものなった かどうかは確かではないのである。販売・流 通部門がしっかりフォローしなけば成功しな い(多くの買い手が購入しない)場合がある ことを考えておかねばならないのである 。

8‑3.全農による農機具や飼料の 仕入 と 販売 のずれ

全農(全国農業協同組合連合会)における 仕入 と 販売 の機能分担の在り方は,

企業における 製―配―販 統合や ロジス ティックス 上の問題が見られ,そこに ト ランスベクション の観点の導入の必要性が 浮かび上がるということである 。

8‑4.ベネトン社の製造工程の変更による優 位性確保

消費者の意識や行動の変化(特に,製品を 出来る限り早く手に入れたいという欲求)に 応える手法として,従来の 先染め方式 か ら, 後染め方式 に変えるなど,製造工程

process

)を変更したことによる競争優位性 確保の政策を実行し成功している。これも,

トランスベクションの観点から分析評価可能 な例である 。

9.お わ り に

マーケティングはマーケティング・リサー チであるということ

米国において 20世紀 の 初 頭 に 生 ま れ た

〝Marketing"(マーケティング)という言葉 の出自の背景には,販売競争激化があったと 考えられる。そこでは有効な販売方法とはど ういうものかが検討されていた。実際に,大 学でも営業部長などの成功例が講義されてい る。

しかし,それも大不況期に入ると,販売競 争もなくなり,それまでの営業成功例は用を なさなくなっている。人々がこれまでのビジ ネスに万策尽きたと思ったとき,大不況でも 消費者に受け入れられ成功している企業のあ ることが報告された。

そのことは,ものづくりするにあたって,

消費者に受け入れられるものは何なのか,消 費者の望むものはどのようなものか,を知る ことが第一ではないかと人々に考えさせる 切っ掛けとなるものであった。

米国における人々や企業においては,単に 自分たちがこれはいけそうだとか,自分本位 で作ったものを提供しきた感が深いが,そう でないものの重要性を考えせしめた最初のこ とであったといっても過言ではないであろう。

それがいわゆる〝

Marketing Research

"

(マーケティング・リサーチ)の登場のきっ かけであった。

一方で,大不況期から新しいマーケティン グが始まったと考えると,その出自の背景と なった大不況の意味するものは,なにも米国 が最初ではない。Merchant(商人)が発生 した時代まで遡ることができると考えている。

マーケティングという言葉は,米国に生ま れたが,その生み出す元になった状況は,人

類が農耕生活をはじめたころ(紀元前 8000 年前)の,不作時にメソポタミヤ地方の人び とが物資を求めて彷徨い歩いた苦境時と何ら 変わることがないのである。

自己のビジネスを決定することはマーケ ティングである。自己のビジネスが天から 降ってくるわけではない。どうやって探すか。

そこでは予測の科学が必要となる。

これはマーケティング・リサーチが問題と するところである。

マーケティング=マーケティング・リサーチ

マーケティング学 は 企業学 でどうか ここまで述べてきて, マーケティング という言葉が日本語にならないことに若干の 拘りを持つのである。

マーケティングが米国に生まれ,育ってき たのであれば,その持つ意味は,現行の経営 管理の一環としての営業とか販売管理として の意味として捉えておいてよいのかもしれな い。

しかしながら,この本拙論考ではマーケ ティングを学問とするべく検討してきた。単 に マーケティング学 では,営業とか販売 の仕方・方法の考え方と捉えられかねない。

また, 商学 の延長線上という意味もある かもしれない。

大学における科目名としては,米国の大学

(経営学部)では, ビジネス 系科目として,

マーケティング,マネジメントなどが配置さ れている。そういう意味では, ビジネス学 という名称もあるかもしれない。

どちらにしても日本語科目名ではない。上 記に示された マーケティング学 は, 人 間が生きて行くためのビジネスの選択決定と その後の運営一切を体系的に言い表す学問 のこととしてきたことから, 企業学 とす るのが相応しいと考えている。

そうすると,経営学関係の科目一切(たと

ドキュメント内 HOKUGA: マーケティング学の試み:草稿 (ページ 78-93)

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