的
標記の研究は,言語行動第三研究室が継続的に行っている現代属本語の音 声の,音韻論上の問題,表現的な個kの特微などを調音的,音響的,機能的 な側面から閣らかにすることを目的とした一一連の研究の中の一つである。本 研究は,主に動的人工口蓋装置(dynamic palatograph,以下DPと略す)によ る調音運動の観測,分析を通して研究を進める。当面は,標準語の音声を分 析の対象とするが,比較の必要から,方言や外濁語の音声を今後取り扱うこ
とを予定している。
B 担 当 者
言語行動研究部第三研究室 主任研究官 高田正治
C 本年度の経過
本年度は,収集ずみの標準語DP資料(8人分)との比較を行うために,
前年度収集した二三方言DP資料(電算機印字用紙で約4,0GOページ分)へのソ ナグラムによる音素境界の割当て作業を主として進めた。なお,この作業と 並行して,方言DP資料の分析法を検討するために,上記青森方言の中から 促音のみを対象として分析を試み,標準語の促音の分析結果とともに,次の 報告をまとめた。
「促音の調音上の特徴について」(三三報告集(6)』〈報告83>1985.3)
その他,当研究室で使用中の研究用資料,X線映画「日本語の発音」のト レース図(延べ2,431枚目を各・発話セットごとにまとめて製本(17冊)した。
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D 次年度の予定
次年度は,59年度に整理した上記の青森方言DP資料の中から,特徴的な いくつかの音韻を対象にして,標準語との対比的な分析を実験音声学的な立 場から進める予定である。
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文法的特徴の全国的地域差に関する研究
A 目 的
方言における文法の諸特徴について,その全国的地域差を嬰らかにする。
具体的には,これまでに行った個々の事象についての臨地調査結果(全国約 800地点)に基づいて言語地図を作成し,さらに新たに全国十数地点で体系 的調査を実施,両者を総合的に分析して報告書を執筆する。
B 担 当 者 貫語変化研究部第一研究室
室長 佐藤亮一 研究員 沢木幹栄 小林 隆 白沢宏枝 非常勤研 究員W・A・グPt・一タース(59.4.1〜60.3.31)
昭和59年度の地:方研究員は次の各氏に委嘱した。
確当地区 南棄北 関 東 中 部 東 海 北 陸 近 畿 中国1 四 国 北九州 南九州 奄 美
氏 名 加藤 正儒 大島 一郎 馬瀬 良雄 山口 幸洋 真田 信治 山本 俊治 室肉 敏昭 土居 重俊 愛宕八郎康隆 田尻 英三 三石 泰子
藤属機関(職)
東北大学文学部(教授)
東京都立大学人文学趨(教授)
儒州大学人文学部(教授)
大阪大学文学部(助教授)
武庫川女子大学文学部(教授)
広島大学文学部(助教授)
四国女子大学(教授)
長崎大学教育学部(教授)
鹿児島大学教育学部(助教授)
熊本短期大学(助教授)
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C 本年度の調査研究
この研究は昭和52年度〜56年度の「方書における音韻・文法の諸特徴につ いての全國的調査研究」,及び,昭和57年度の「文法の諸特徴についての全 闘的調査研究」を引き継ぐものである。研究は5か年謙画とし,本年度はそ の第2年次である。
本年度は下記の調査・作業を行った。
(1)前年度,電箪機に入力したデータを出力して校正作業を行うとともに,
項門閥の関連について考察するためのプログラムを作成した。なお,こ の作業は文部省科学研究費補助金による研究「方言研究資料の電子計算 機による作成および分析に関する研究」(劉項参照)と相互に関連させつ つ行った。
(2)これまでの調査結果のうち,助詞及び動詞(活用)項羅の一部につい て言語地図を作成した。
(3)動詞・形容詞・形容動詞の活用について,下記の14地点で体系的調査 (記述的研究)を実施した。
地区名 門爽北 南東北 関 東 中 部 東 海 北 陸 近 畿 中国1
中国1王 四 国 北九州
地点名 握幾者 青森県黒石市大字二字富山 佐藤 亮一 宮城祭多賀城市(高綺・八幡地区)凹凸 正儒 東京都八丈町三根 大島 一郎 長野県松本市島立華北渠 馬瀬 良雄 愛知県名古屋市(旧礁街地中心部)由m 幸洋 福井繋審田郡松岡町石舟
大阪市東区道修町 広島県呉市苗代町上条 島根県松江市新庄町 高知梁土佐郡土佐町爾泉 長:崎市手熊町
真田 信治 山本 俊治 室山 敏昭 小林 隆 土居 重俊 愛宕八郎康隆
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南九州 鹿児島市(中心部) 賑尻 英三 奄 美 鹿児島県名瀬市小湊 三石 泰子 沖 縄 沖縄県石垣市川平 沢木 幹栄
以上のほか,中本正智琉(東京都立大学助教授)に,同氏の出身地の方欝(沖 縄累島尻郡玉誠村字奥武)のうち,動詞・形容調・形容動詞の活用について,
内省による記述を依頼した。
なお,r方言談話資料(8)』(資料集10−8,15ページ参照),
「購本琶譜地図」検証調査報告』 (報告84,14ペーージ参照),
(縮罰版)5』 『同 6』を刊行した。
D 今後の予定
次年度以降は,引き続いて下記の調査研究を行う。
(1)
る。
(2)
(3)
屠を中心とする予定。
『方言の諸相
『日本密語地閣
電算機に入力したデータを随時出力し,項目間の関連について考察す
57年度までの調査結果に基づいて言語地図を作成する。
前年度と岡一の地点で体系的調査を実施する。次年度は蓑現法(1)の項
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方言研究法に関する基礎的研究
A 目
的方需調査法,及び調査結果の処理・分析法に関する基礎的な調査研究を行 う。また,今後に発展させるべき研究計画についての小規模な実験的調査研 究を実施する。
B 担 当 者
言語変化研究部第一研究室
室長 佐藤亮一 研究員 沢木幹栄 小林 隆 白沢宏枝
面接調査には,上記佐藤,沢木,小林のほか真欄信治氏(大阪大学文学部助 教授),加藤和夫属(東京都立大学人文学部助手)が参加した。
C 本年度の調査研究
本年度は,「通儒調査法の有効性と限界」と題するテーマについて,調査 研究を行った。この研究の主眼は,以下のようなところにある。.
④方醤調査における通信調査法の有効性と限界を,面接調査法との比較を 通して明らかにする。
②種々の通信調査法を実験し,それぞれの利点・弱点を囲らかにする。
③以上から,全国的な言語地理学調査を行う場合の,適切な通信調査法を 開発する。
一般に,通儒調査法は面接調査法に比べ儒頼性の低いものとみなされ,方 雷調査においてはあくまで二次的手段と考えられてきた。しかし,方言現象 の衰退が各地で進む今,全國的に緊急でかつ大規模な調査(例えば舶本言 語地國』の関連項Rの調査)が必要だとするならば,通信調査法も魅力的な 方法と言わざるをえない。そもそも,これまで通信調査法の性格が三三にわ 一33一
たって吟味されたことはなかったように思われる。本年度,通信調査法につ いて取り上げたのは,以上のような理由による。
さて,この研究のために実施した調査は,次のとおりである。
(1)津由市通儒調査
逓信調査票の形式・内容による違いを見る。調査票は,質問法(謎々式●
翻訳式),参考健欝(有・無),項輿の分墨(多・少),郵便形式(封書・葉 書)などをこバラエティを持たせたもの9種。項目は語彙,文法それにアクセ
ンbを加えた。語彙が中心で『臼本言語地麟』の隣接意味項目など様々な性 格のものを含む。インフt一マントは,津山市街地在住の60〜69歳の男性全 員で664人,これを9グループに分けた。昭和59年10月4日に調査票を発送
し,昭和60年5月1β現在52.6%の園収率を得ている。なお,これに先だっ て,住民票の閲覧と調査項目選定のため,7月16日〜21H,小林が津山市に 赴いた。
(2)岡山照通信調査
協力機関による結果の違いと,通儒調査による方欝分聯のありさまを見 る。〈1)では調査票についての考察のためダイレクトメールの形を取ったが,
実際の通信調査では協力機関が必要になろう。そこで,岡三県内の市町村役 場,中学校,郵便局に興じ調査票を発送L,回収率,園答内容などを比較し
ようとした。中学校の場合には,職場の先生に記入してもらう方法と,生徒 の祖父に回答してもらう方法の二つを試みた。10月26日に全体で374機関に 調査票を発送し,昭稲60年5月1日現在60%強の圃収率を得ている。これら の結果から岡由県内の方言分布図を描き, ll H本言語地回』(襟回調査)の分 布との比較も行う。
(3)津山市面接調査
通信調査の結果と比較すべく行った。インフォーマントは,通信調査に回 答を寄せてくれた方の中から抽出し,64人を調査した。調査項目は通信調査
と同じものを中心とする。調査時期は,昭和60年3月1輯〜19臼である。
以上の結果は現在整理中であり,分析を加えて近いうちに報告したいと考 一34一
えている。それを土台にした通儒調査法の開発と,全国的な言語地理学調査 の実施も今後の課題である。
なお,この研究では多くのインフォーマントの方々のほか,岡山県内の各 機関にご協力いただいた。特に,津山市役所民生部市民生活課の鳥越豊治 玩,鈴木佐光氏には,住民票の閲覧をはじめ種々お億話になった。また,面 接調査に際してに,大阪大学大学院生 渋谷勝己氏の協力を得た。
この研究は,小林隆が中心となって行った。
D 今後の予定
:本年度の調査結果の整理及び分析を行う。なお,次年度は「方言アクセン トの社会言語地理学的研究」と題するテーマについて実験的調査砺究を行う 予定である。
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