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MIG Head

* Track width: 12 μm

* Gap length: 0.22 μm

* Number of turns 26

* Linear velocity 1.15 m/s

B

B B

B B

B B B B

-95 -90 -85 -80 -75 -70 -65

10 100 1000

2.5 磁気力顕微鏡による記録分解能ならびにS/N評価

2.5.1 磁気力顕微鏡による記録信号の解析 [28]

上記の検討を記録特性の面から特徴付けるために、MIGヘッド(GL = 0.15 μm, Tw =6 μm)で書き込んだ 記録パターンを磁気力顕微鏡(MFM: Magnetic Force Microscope)で観察し、その画像を解析することで、

その性能を検証した。

具体的には MFM 像を画像処理し、A. 媒体ノイズの解析、B. 信号品質(S/N)解析および C. 磁気的な クラスタサイズと媒体の分解能の関係を検討した。

A. ノイズ解析

前節で述べた元素添加効果を記録特性の面から特徴付けるために、Table 2-4に示す4種類の媒体に ついて、マージ型MIG/MRヘッド(ヘッドの仕様はTable 2-5による記録再生特性を測定した。媒体としては、

前項で低ノイズ媒体の可能性を示した Co-Cr-Nb膜、比較用として従来から用いられている Co-Cr-Ta膜、

そしてより性能向上(分解能、S/N)のためにPtを添加したCo-Cr-Nb-Pt(以上単層膜媒体)、とこれに極薄軟 磁性裏打ち層を付与した擬似二層膜媒体(Co-Cr-Nb-Pt/Ni-Fe-Nb膜)である[28]。

Fig. 2-25に一例としてCo-Cr-Pt-Nb単層膜媒体(Table 2-4の(c)に相当)の測定結果を示す。媒体ノイズ は線記録密度に依らず、ほぼ一定の値をとることが分かる。

この結果をより詳しく調べるために、Table 2-4 の各媒体に記録パターンを書き込み、それぞれの MFM 観察を行なった[28]。記録周波数はdc残留磁化状態および100 kFRPIから500 kFRPIまでである。

Fig. 2-26には記録周波数100 kFRPIから500 kFRPIのMFM像を示す。これらのMFM像から、すべて の媒体について線記録密度400 kFRPIの記録パターンを確認できる。また、Co-Cr-Pt-Nb媒体については 軟磁性裏打ち等の有無に関わらず、線記録密度500 kFRPIの記録パターンも部分的にではあるが観察で きる。

次に、媒体ノイズと関係していると考えられる磁気的なクラスタサイズを、次のような手法によりそれぞれ のMFM像から求めた[30]。

(1) 記録パターンをMFM観察し(Fig. 2-27(a))、記録部分を抽出する(Fig. 2-27(b))。

(2) 抽出した部分に二次元のフーリエ解析を実施し、記録周波数の成分のみを逆フーリエ変換する(Fig.

2-27(c))。

る。

上記の作業は記録パターンから、その記録周波数に対応する成分を除くことで、ノイズ成分だけを抽出 しようとするものである。このようにして各媒体、各周波数について磁気的なクラスタサイズを求めた結果を 線記録密度に対して示す(Fig. 2-28)。このグラフには[31]に示されている面内媒体の結果も合わせて載せ ている。

それによると、面内媒体では磁気的なクラスタサイズが記録周波数とともに激しく増加するのに対し、本 検討で作製した単層膜垂直媒体では、記録周波数に対して大きな依存性は見られない。すなわち上で述 べたように実際の磁気ヘッドで記録再生した場合と傾向が一致した。このことは単層膜垂直記録媒体の磁 気的なクラスタサイズは信号記録の影響を受けないことを示している。このことは垂直記録媒体が記録転移 点においてビット間の反磁界が極小になるために、シャープな磁化転移が実現でき、そこでの磁区のクラス タリング(まとまり)が起きないことに対応している。

一般に磁気的なクラスタサイズは媒体ノイズや媒体の記録分解能を決める要因と考えられているので、

磁気的なクラスタサイズの大きさを小さくすることで、媒体ノイズの低減と高分解能化が可能と考えられる。

Table 2-4 Specification of media for MFM read/write test [28].

Table 2-5 Head specification for MFM read/write test [28].

Fig. 2-25 Read/write property for Co-C-r-Pt-Nb film [28].

Fig. 2-26 Recorded MFM patterns for various kinds of Co-Cr system media [28].

(100-500 kFRPI)

(b)

(c)

(d) (a) 10 μm square image

(e) 2d

(d) subtracting (c) from (b) (e) spectrum analysis

peak wavelength

= 2 x magnetic domain size (c) extracting recorded frequency Noise analysis procedures (a) MFM observation (b) extracting recording area

(200 kFRPI)

Fig. 2-28 Dependence of magnetic cluster size of Co-Cr system media on linear recording density.

■, ●, ▲, ◆ indicate Co-Cr-Nb, Co-Cr-Ta, Co-Cr-Nb-Pt and Co-Cr-Nb-Pt/NiFeNb media, respectively. Longitudinal medium shows different tendency as indicated in □ [28].

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

0 200 400 600 800 1000

ドキュメント内 第2章 スパッタ堆積条件と薄膜微細構造 (ページ 38-44)

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