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各熟成時間の
YVO
4:Bi
3+,Eu
3+ナノ粒子試料について,(200)ピークの重心位置から(200) 面間隔を算出し,これを面間隔の実測値d
200,obsとした.熟成時間に対するd
200,obsの変化をFig. 3-15
に●で示す.図中の点線は,XRD
から見積もったYVO
4母体の結晶化が完了した時間を示す.Bi3+粉末を用いた場合(Fig. 3-15上図),結晶化完了後も熟成を続けることで
d
200,obsが約0.009 Å
増大しており,Biリッチな副生成物とのイオン交換を通じて,Bi3+固溶量が漸増していることを反映していると考えられる.Bi3+溶液を用いた場合(Fig. 3-15 下図),実験誤差による± 0.002 Å程度の変動は見られるものの,結晶化完了後の熟成によ
って
d
200,obsは変化しておらず,Bi3+固溶量が一定であることを示唆している.2.1.3
で前述したように,Y1−x−yBi
xEu
yVO
4ミクロン粒子では,x
およびy
値の増加に対 して面間隔d
200が直線的に増加し,三者の関係は(2-4)式に従うことがわかっている.そこ で,各熟成時間のYVO
4:Bi
3+,Eu
3+ナノ粒子試料について,XRF
より測定したBi
およびEu
含有量を(2-4)式のx
およびy
にそれぞれ代入し,面間隔の計算値d
200,calcを算出した.熟成 時間に対するd
200,calcの変化を,エラーバーを付加し,Fig. 3-15
に○で示す.どちらのBi
3+原料を用いた場合でも,
d
200,obs(●)はd
200,calc(○)と同等かそれ以上の値を示した.こ のため,尐なくともXRF
で検出された量のBi
3+およびEu
3+が,Y3+サイトに置換固溶して いると考えられる.一方で,とくにBi
3+溶液を用いた場合について,d
200,obsはd
200,calcを一貫して約
0.01 Å
上回る値を示した.この理由については現在のところ明らかでない.考えられる可能性として,欠陥生成に伴う
a
軸方向への伸長や,ナノサイズ化に起因する格子 定数の増大が挙げられる.前者に関しては,YVO
4は非化学量論化合物であり,Y: V = 1 : 1
からの組成ずれや,酸素欠陥の生成によるa
軸方向への伸長が報告されている[3-11,12].後者に関しては,固体表面に位置する原子・イオンはダングリングボンドを有するため,
結晶内部の原子・イオンよりも不安定であり,この不安定さを低減するために,表面近傍 の原子・イオンが結晶内部の配置と比較してわずかずつ変位(表面緩和)することが知ら れている.比表面積が大きいナノ粒子では表面緩和の影響が無視できず,同一組成のミク ロ ン 粒 子 と 比 較 し て 格 子 定 数 が 増 大 す る 例 が 報 告 さ れ て い る
[3-13]
. 本 研 究 のYVO
4:Bi
3+,Eu
3+ナノ粒子についても,類似の表面緩和現象が生じている可能性がある.73
3.563.58 3.60 3.62 3.64
0 100 200 300 400
d ( Å )
Aging time (min)
200
pure BiVO
4pure EuVO
4pure YVO
4 (3.649 Å)(3.619 Å)
(3.559 Å)
3.56 3.58 3.60 3.62 3.64
0 25 50 75 100
Aging time (min) d ( Å )
200pure BiVO
4pure EuVO
4pure YVO
4 (3.649 Å)(3.619 Å)
(3.559 Å)
Fig. 3-15. Changes in d
200,obs(●) and d
200,calc(○) with aging time. (top) Using Bi
3+powder
and aged at 60 °C. (bottom) Using Bi
3+solution and aged at 85 °C. The d
200values of
pure YVO
4(ICDD no. 17-341), BiVO
4(ICDD no. 14-133), and EuVO
4(ICDD no. 15-809)
are also shown.
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ドキュメント内
慶應義塾大学大学院理工学研究科
(ページ 77-80)