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71 3.3.2.4 Bi・Eu置換固溶量の評価

ドキュメント内 慶應義塾大学大学院理工学研究科 (ページ 77-80)

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各熟成時間の

YVO

4

:Bi

3+

,Eu

3+ナノ粒子試料について,(200)ピークの重心位置から(200) 面間隔を算出し,これを面間隔の実測値

d

200,obsとした.熟成時間に対する

d

200,obsの変化を

Fig. 3-15

に●で示す.図中の点線は,

XRD

から見積もった

YVO

4母体の結晶化が完了した

時間を示す.Bi3+粉末を用いた場合(Fig. 3-15上図),結晶化完了後も熟成を続けることで

d

200,obsが約

0.009 Å

増大しており,Biリッチな副生成物とのイオン交換を通じて,Bi3+

溶量が漸増していることを反映していると考えられる.Bi3+溶液を用いた場合(Fig. 3-15 下図),実験誤差による± 0.002 Å程度の変動は見られるものの,結晶化完了後の熟成によ

って

d

200,obsは変化しておらず,Bi3+固溶量が一定であることを示唆している.

2.1.3

で前述したように,Y1−xy

Bi

x

Eu

y

VO

4ミクロン粒子では,

x

および

y

値の増加に対 して面間隔

d

200が直線的に増加し,三者の関係は(2-4)式に従うことがわかっている.そこ で,各熟成時間の

YVO

4

:Bi

3+

,Eu

3+ナノ粒子試料について,

XRF

より測定した

Bi

および

Eu

含有量を(2-4)式の

x

および

y

にそれぞれ代入し,面間隔の計算値

d

200,calcを算出した.熟成 時間に対する

d

200,calcの変化を,エラーバーを付加し,

Fig. 3-15

に○で示す.どちらの

Bi

3+

原料を用いた場合でも,

d

200,obs(●)は

d

200,calc(○)と同等かそれ以上の値を示した.こ のため,尐なくとも

XRF

で検出された量の

Bi

3+および

Eu

3+が,Y3+サイトに置換固溶して いると考えられる.一方で,とくに

Bi

3+溶液を用いた場合について,

d

200,obs

d

200,calcを一

貫して約

0.01 Å

上回る値を示した.この理由については現在のところ明らかでない.考え

られる可能性として,欠陥生成に伴う

a

軸方向への伸長や,ナノサイズ化に起因する格子 定数の増大が挙げられる.前者に関しては,

YVO

4は非化学量論化合物であり,

Y: V = 1 : 1

からの組成ずれや,酸素欠陥の生成による

a

軸方向への伸長が報告されている[3-11,12].

後者に関しては,固体表面に位置する原子・イオンはダングリングボンドを有するため,

結晶内部の原子・イオンよりも不安定であり,この不安定さを低減するために,表面近傍 の原子・イオンが結晶内部の配置と比較してわずかずつ変位(表面緩和)することが知ら れている.比表面積が大きいナノ粒子では表面緩和の影響が無視できず,同一組成のミク ロ ン 粒 子 と 比 較 し て 格 子 定 数 が 増 大 す る 例 が 報 告 さ れ て い る

[3-13]

. 本 研 究 の

YVO

4

:Bi

3+

,Eu

3+ナノ粒子についても,類似の表面緩和現象が生じている可能性がある.

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3.56

3.58 3.60 3.62 3.64

0 100 200 300 400

d ( Å )

Aging time (min)

200

pure BiVO

4

pure EuVO

4

pure YVO

4 (3.649 Å)

(3.619 Å)

(3.559 Å)

3.56 3.58 3.60 3.62 3.64

0 25 50 75 100

Aging time (min) d ( Å )

200

pure BiVO

4

pure EuVO

4

pure YVO

4 (3.649 Å)

(3.619 Å)

(3.559 Å)

Fig. 3-15. Changes in d

200,obs

(●) and d

200,calc

(○) with aging time. (top) Using Bi

3+

powder

and aged at 60 °C. (bottom) Using Bi

3+

solution and aged at 85 °C. The d

200

values of

pure YVO

4

(ICDD no. 17-341), BiVO

4

(ICDD no. 14-133), and EuVO

4

(ICDD no. 15-809)

are also shown.

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