71
72
【Recommendation】
ゲノタイプ
1
型のC
型代償性肝硬変に対するソホスブビル/レジパスビル併用12
週間のSVR
率は国内第3
相試験では100%であった。
有効性・安全性ともに代償性肝硬変とそれ以外の症例との間に有意な差異はみられない。
非代償性肝硬変症例に対するソホスブビル/レジパスビル併用療法には保険適用がなく、安 全性も確認されていないため、使用すべきではない。
6-1-4.ソホスブビル/リバビリン併用療法
海外第
3
相試験でのPOSITRON
試験では、ゲノタイプ2
型の初回治療代償性肝硬変でのSVR
は94%であった
135。Peg-IFN+リバビリンの前治療歴のあるゲノタイプ2
型に対するFUSION
試験で は、ソホスブビル・リバビリン 併用12
週間の代償性肝硬変でのSVR
は60%であった
135。VALANCE 試験では肝硬変9
例のSVR
は78%であった
136。国内第3
相臨床試験では、肝硬変では全体のSVR12
は94%(16/17)、初回治療では 100%(8/8)、既治療では 89%(8/9)であった。肝硬変の有無によ
り副作用の発現頻度と重篤度に差はなかった137。【Recommendation】
ゲノタイプ
2
型のC
型代償性肝硬変に対するソホスブビル/リバビリン併用12
週間のSVR
率 は国内第3
相試験では94%(16/17)であった。
有効性・安全性ともに代償性肝硬変とそれ以外の症例との間に有意な差異はみられない。
非代償性肝硬変症例に対するソホスブビル/リバビリン併用療法には保険適用がなく、安全性 も確認されていない。
6-1-5.オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法
オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法の国内第3相臨床試験では、ゲノタイプ
1b、
Child-Pugh
スコア6以下の代償性肝硬変症例42
例が対象となり、非盲検で実薬12
週間投与が行 われた。治療成績(SVR12)は90.5%(38/42)であった(図 19)。非肝硬変症例同様、年齢、性別、治
療開始時のHCV RNA
量、IL28B遺伝子多型、過去のインターフェロン治療の有無などは治療効果 に関係しなかった。ただし、非代償性肝硬変症例に対する安全性は確認されていない。また、欧米において、もともと進 行した肝硬変を有している症例へのヴィキラ・パック(オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル配合 錠およびダサブビル併用)使用により肝不全など重篤な肝障害が頻発したことから、FDA は
2015
年10
月、Child-Pugh分類grade B
およびC
へのヴィキラ・パックの投与を禁忌(contraindicated)とする 通達を出した。これに伴い、本邦でもChild-Pugh B
およびC
症例へのオムビタスビル・パリタプ レビル・リトナビル配合錠投与は禁忌とされている147。73
【Recommendation】
国内第
3
相試験において、ゲノタイプ1b
型のChild-Pughスコア6以下のC
型代償性肝硬 変に対するオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法のSVR
率は90.5%(38/42)で
あった。 非代償性肝硬変、および
Child-Pugh
分類grade B
またはC
の症例へのオムビタスビル・パリ タプレビル・リトナビル配合錠投与は禁忌である。6-1-6.1
型・代償性肝硬変に対する抗ウイルス療法の選択(図24)
代償性肝硬変は線維化が高度に進行しており、発癌リスクがきわめて高く、早期の抗ウイルス療 法の導入が必要である。初回治療・既治療例とも、代償性肝硬変で保険認可されている
Peg-IFN+リ
バビリン2
剤併用療法の治療効果が低いため、ソホスブビル/レジパスビル併用療法およびオムビタ スビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法が第一選択である。ただし、重度の腎障害がある症例、透析例ではソホスブビル/レジパスビル併用療法は禁忌である。また、オムビタスビル/パリタプレビル
/リトナビル併用療法ではゲノタイプ 1a
に対する有効性が低下する。さらにY93
変異が存在しないことを確認する必要があり、加えて
Child-Pugh
分類grade B
の症例に対する投与は禁忌である。ゲノ タイプ1b
であればダクラタスビル/アスナプレビル併用療法も選択肢となるが、慢性肝炎同様、極力Y93/L31
変異を治療前に測定し、変異があった場合にはダクラタスビル/アスナプレビル併用療法は行わない。ダクラタスビル/アスナプレビル併用療法も
Child-Pugh
分類grade B
の症例に対する投与 は禁忌である。抗ウイルス療法を行ってもウイルス排除が得られない場合、あるいは抗ウイルス療法の適応がな い場合に、ALT値が異常(30 U/l超)である症例では肝庇護療法、あるいは
Peg-IFN(IFN)少量投与
を行う。肝硬変に対するIFN
またはPeg-IFN
の少量維持療法は、肝病変の進展阻止および肝発癌 の抑制に有用である可能性が示されている 26, 61, 65。しかし、全ての症例で効果が得られるわけでは なく、効果がみられない場合は治療中止基準に従って治療を中止する。【Recommendation】
ゲノタイプ
1
型の代償性肝硬変では、初回治療・既治療例ともソホスブビル/レジパスビル併 用療法およびオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法が推奨される。 重度の腎障害がある症例、透析例ではソホスブビル/レジパスビル併用療法は禁忌である
オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル併用療法ではゲノタイプ
1a
に対する有効性が低 下する。さらにY93
変異が存在しないことを確認する必要があり、加えてChild-Pugh
分類grade B
の症例に対する投与は禁忌である。 ゲノタイプ