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7 回学会大会特別セッション>

ドキュメント内 レクリエーション研究 (ページ 72-75)

レジャー・レクリ工ーションの充実に寄与する オリンピック・レガシー

2 0 1 6  Tokyo O l y m p i c s  l e g a c y  

C o n t r i b u t i o n  t o  i m p r o v e  t h e  q u a l i t y  and r e p u t a t i o n  o f  l e i s u r e  and r e c r e a t i o n  

発 表 者

栗 田 和 弥 ( 東 京 農 業 大 学 )

Kazuya K u r i t a ,  To

防oU

n i v e r s i t y  o f  A g r i c u l t u r e  

土 屋 薫 ( 江 戸 川 大 学 )

Kaoru T s u c h i y a ,  Edogawa U n i v e r s i t y  

山 崎 律 子 ( 余 暇 問 題 研 究 所 )

R i t s u k o  Yamazaki ,  J a p a n  I n s t i t u t e  o f L e i s u r e  S e r v i c e s  and E d u c a t i o n  

師 同 文 男 ( 上 智 大 学 )

Fumio Morooka ,  S o p h i a  U n i v e r s i t y  

コ ー デ ィ ネ ー タ ー

麻 生

恵 ( 東 京 農 業 大 学 )

Megumi Aso ,  Tokyo U n i v e r s i t y  o f  A g r i c u l t u r e  

嵯 峨 寿 ( 筑 波 大 学 )

H i t o s h i  Saga ,  U n i v e r s i t y  o f T s t u k u b a  

72  レジャー・レクリエーション研究60,2008 

開催趣旨

麻 生 恵 ( 東 京 農 業 大 学 、 研 究 企 画 担 当 )

例年の大会では、基調講演(記念講演)、それに シンポジウム(パネルデイスカッション)というこ とで開催しているが、今年度の大会は、例年とは 多少趣向を変えて、特別セッション(オーガナイ ズド・セッション)を開催することになった。

3 7

回大会は、「東京」の東洋大学で開催とい うことなので、「東京に因んだ企画を」をいうこ とで検討を進めてきたO そんな中で昨年、 2016 年に東京にオリンピックを招致することが決ま

り、東京都はこれから世界を相手に招致活動を展 開することになった。そこで、オリンピック招致 をテーマに取り上げようということになった。

オリンピックというものは、単なるスポーツの 祭典(アスリートの祭典)ではなくて、実は、まち づくりであったり、都市整備であったり、また国 民を上げて楽しむレジャー・レクリエーションで もあり、レクリエーションとは切っても切れない 関係にある。

そんな中で、日本へのオリンピックの招致に関 係されている嵯峨先生の方から、「これからのオ リンピックには、その開催がどのような社会的効 果や新しい視座やピジョンを後世に残せるかとい った、いわゆる『レガシーj (遺産)の内容が問 われる、またオリンピック開催は一つのまちづく

りであり、ハード面、ソフト面の両面にわたって 都市を大きく変えられる可能性があり、そんな中 で我々日本レジャー・レクリエーション学会が目 指す『ゆとり』の創出や再生を考える大きな機会 になるのではないか、また一方で東京都が

r

lO

年後の東京』という 2016年オリンピック開催を 視野に入れた戦略的な東京の再生プランを作成し ていて、これが大いに参考になる」とのご指摘を

いただいた。

そんな経緯から、「レジャー・レクリエーショ ンの充実に寄与するオリンピック・レガシー

J

と いうテーマで、様々な分野の会員が集まる本学会 の特徴を活かして異なる視点から議論し、学会と して独自のレガシーを提案したり、あるいは学会 が取り組むべきテーマ、さらには活性化に向けた 今後の活動の方向性について議論しようというこ

とになった。

具体的な進め方であるが、先ず最初に筑波大学 の嵯峨寿先生から「オリンピックの招致とレガシ ー」というテーマでお話をいただき、それに続い て、私の方から 110年後の東京j の概要をご説 明しながら、その中に「ゆとり

J

の創出や再生が

どのような形で出てくるのか、といった点につい てご紹介するO そして、休憩をとったのち、オー ガナイズド・セッションということで、異なる立 場の

4

人の先生からプレゼンテーションをいただ

くことにする。

一人目が東京農業大学の栗田和弥先生で「空間 論・環境論の立場から」、二人目が江戸川大学の 土屋薫先生で「ツーリズム論の立場から」、三人 目が余暇問題研究所の山崎律子先生より「レクリ エーション・ムーブメントの立場からj、最後に 上智大学の師岡文男先生より「スポーツ・フォ ー・オールの立場から

J

というテーマでプレゼン テーションを

1

1'っていただく。

本日の議論で、おそらく明確な結論は出ないと 思うが、今後の学会活動の重要なテーマとして位 置づけ、学会の活性化につなげていきたいと考え ているO

37回 学 会 大 会 特 別 セ ッ シ ョ ン 73 

オリンピックの招致とレガシー

嵯 峨 寿 ( 筑 波 大 学 )

1.レジャー・レクリエーションの革新とオ リンピック招致

レジャー・レクリエーションの充実にオリンピ ックをどう活かすことができるか。

国民のレジャー、レクリエーションのさらなる 充実は学会員の目標であり、それへの献身はわれ われの学会の重要な役割のひとつでもあるO現在、

東京都は

2 0 1 6

年夏季オリンピック競技大会の招 致活動を推進しているが、それを契機に東京およ び日本のレジャー、レクリエーションの改善を図 ることができないだろうか。そのアイデアをオリ ンピックの開催計画に盛り込むことで、オリンピ ックへの国民の関心、期待を高めると同時に、開 催都市の選定にあたる

I O C

国際オリンピック委 員会に対するアピールポイントのひとつにするこ

とはできないものか。

「レジャー・レクリエーションの充実」と「オ リンピック招致に対する本学会の協力j このふた つのテーマをつなぐ接点を「オリンピック・レガ シー」に求めてみてはどうか。

2 .

オリンピック・レガシー

東京都は

2 0 0 8

l

月に

I O C

に対し、大会基本 計画の概要を記した「申請ファイル」を提出する。

現在7つある「申請都市applicantcity Jがふるい にかけられ 3~4 都市が「候補都市 candidatecity J  に選出される。そうなると東京都はより綿密な計 画を記載した「立候補ファイルbidfileJを提出す ることになる。これら2つのファイルいずれにも 明記すべき内容のひとつがレガシー legacy"(遺 産)である。全

7

章構成の申請ファイルにおいて レガシーは、計画全体の土台・要に当たる第l章 に位置し、同じく第l章を構成する motivation、 conceptと共にオリンピックのいわゆる「開催理 念」に相当する極めて重要な要素である。

オリンピックにおけるレガシーの定義は必ずし も明確とはいえないが、

I O C

の説明や問いを吟味 してみると、①持続可能な恩恵benefits、②開催 都市と開催国にとっての恩恵、③スポーツにとっ ての恩恵、④招致活動の成否に関わらず期待され る恩恵、といったいくつかの条件が浮かび上がっ てくる。

では、東京都はどのようなレカ、、シーを構想して いるか。

2 0 0 7

1 1

月末に発表された

1 2 0 1 6

年東 京オリンピック・パラリンピック開催基本計画」

の段階ではまだ抽象的な内容と表現にとどまって いるが、今後はオリンピックに対する国民の理解、

関心を喚起する上でも魅力的かつ具体的なレガシ ーが求められるに違いない。

3 .

レガシーの考案にあたって

オリンピック・レガシーを考案するにあたって まずは先の

I O C

の要件のほかに、「レジャー・レ クリエーションの充実への寄与」を条件にすえた いわけだが、その際にまずは、どのようなレジャ ー・レクリエーションが理想的であるのか、また レジャー・レクリエーションをめぐって解決が望 まれる問題としてどのようなものが存在するかを 検討・整理する作業が要るだろうO それに加え、

次の点についても勘案が望まれる。

(1)過去

3

大会のレガシーをどう活かすか 64年東京、 72年札幌、 98年長野と日本はオリ ンピック開催回数の多い世界有数の国のひとつで ある。ベテラン固としての優勢を印象づけるにあ たって過去のレガシーも十分に訴求点のひとつに なり得る。各大会が遣し、今なお大切にされてい るレガシーの価値を再評価すると共に、そのよさ をさらに発展させた新たなレガシーを構想できな いものか。

74  レジャー・レクリエーション研究60,2008  (2 )世界の人々と共有できるもの

百年にわたる近代オリンピックは、 2008年北 京大会を含め、主として開催国の経済的発展の基 礎となるインフラの整備を支援・推進する役割を 果たしてきた。主に開催都市と開催国の人々がレ ガシーによる恩恵を享受するというのは1964年 東京大会の場合も同様であったが、 2016年大会 においては、世界の人々と恩恵、を分かち合える、

国際貢献にもつながるレガシーを構想する自負と 姿勢が問われようO

(  3 

)オリンピズムの根本原則

オリンピック競技大会はオリンピック・ムーブ メントの一環であり、その頂点に位置している。

オリンピック・ムーブメントの指導原理に当たる のカTオリンピズムOlympismである。したカfって、

オリンピズムの具体的かつ重要な表現形態のひと つが競技大会という関係になるわけだが、オリン ピックが他の国際競技イベントと決定的に異なる 点はこのオリンピズムという理想にあるといって

も過言ではない。

2012年夏季大会の招致でロンドンに敗れはし たものの、開催計画が最も高く評価されたパリは、

「真のオリンピック市民 01npiccitizens" 

J

をレ ガシーのひとつに訴えた。クーベルタンの母国と しての誇りにかけても、オリンピズムの本質を正 しく理解し、オリンピツク.ム一ブメントに積極 的に参加する「オリンピツク精神 Oαlnpi比cspidtピ"

を備えた人々がオリンピツク市民でで、あるO オリン ピズムの根本原則は『オリンピック憲章』の中で 次のように植われている。

オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意 志と知性の資質を高めて融合させた、均衡の とれた総体としての人聞を目指すものであ るO スポーツを文化や教育と融合させるオリ ンピズムが求めるのは、努力のうちに見いだ される喜び、よい手本となる教育的価値、普 遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基 づいた生き方の創造である。(根本原則 1) われわれはオリンピズム思想の中に、はたして

レジャー・レクリエーションの新た可能性を見い だすことができるだろうか。

(4 )シルバー世代のオリンピック参加

オリンピック・ムーブメントがそれへの主な参 加対象に据えているのは青少年であるO かれらの 教育と国際交流を通して世界平和に寄与すること がクーベルタンにとっての理想であった。子ども たちのスポーツ離れを懸念するIOCは2010年か

ら、ユース・オリンピックの開催を決めたが、一 方の中高年世代にとってオリンピックは 4年に一 度、テレビで観戦するだけのものでよいのか。世 界でいち早く高齢社会となる日本では、オリンピ ック開催を機に、新たな世代がオリンピック・ム ーブメントに積極的に参加するきっかけともなる ようなレガシーを実現できないものか。それは従 来のオリンピズムに大きな革新をもたらす可能性

を秘めているO

4 .

レガシーの提案に向けて

東京都は2008年1月に申請ファイルを提出す る。候補都市が発表されるのは同年

6

月であり、

それ以降は国際招致レースが展開されると共に、

2009年2月提出期限の立候補ファイルの作成作 業も本格化するO 立候補ファイルは当然ながら申 請ファイルに基づいて作成されるが、より詳細か っ具体的な計画が必要で、あり、特にレガシーはオ リンピック開催都市・国のメリットである以上、

都民・国民からみて魅力的でなくてはならない。

そうしたレガ、シーを東京都に対して提案できるタ イミングは 2008 年 6 月~1O月の期間に限られよ

ドキュメント内 レクリエーション研究 (ページ 72-75)

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