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50 3.5.2.3 ヤング係数残存率

ドキュメント内 腐食対象領域 コーティング (ページ 54-57)

ここで見かけのヤング係数残存率を計算する意味を示す。鉄筋コンクリート梁は、その たわみを鉄筋のヤング係数を用いることで計算することができる。しかし、鉄筋が腐食に より断面減少を起こすと腐食部分に応力が集中し、鉄筋の強度は低下する。そのため応力 集中が起き、なおかつ断面減少している部分の断面積に対する変形しやすさとしてのみか けのヤング係数も低下する。そこで見かけのヤング係数の算出を試みた。図 3.5.2.3-1 に 見かけのヤング係数の算出概念を示す。

図 3.5.2.3-2 に腐食した鉄筋の平均腐食断面減少率と見かけのヤング係数残存率の関係、

図 3.5.2.3-3 に腐食した鉄筋の最大腐食断面減少率と見かけのヤング係数残存率の関係を 示す。

実験では,試験区間 120 ㎜のうち, 腐食部分は 50 ㎜としている。そこで,腐食部の見 かけのヤング係数は,試験で得られた荷重-変位関係から, 腐食していない健全部のヤン グ係数を 205kN/mm2とし,次式(3.5.2.3-1)により求めた。

E

2

=l

2

/(S×Δl/ΔP-l

1

/E

1

)

式(3.5.2.3-1)

ここに,E1,E2 は健全部のヤング係数および腐食部の見かけのヤング係数,l1および l2 は試験験区間における健全部および腐食部の鉄筋長さ,ΔP は降伏点の 1/3 および 2/3 時の 荷重の差,Δl は降伏点の 1/3 および 2/3 時の変位の差である。S は鉄筋径毎の公称断面積 である。

塩水噴霧試験において腐食した鉄筋はその腐食に伴い,見かけのヤング係数残存率は線 図 3.5.2.3-1 見かけのヤング係数の算出概念

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 5 10 15

SD390・D13・N2

SD390・D13・N2

伸び[mm]

引張荷重[kN]

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 0.5 1 1.5 2

SD390・D13・N2

SD390・D13・N2

引張荷重[kN]

伸び[mm]

降伏点

a b

α β

a :2/3応力 b :1/3応力 α:aでの変位 β:bでの変位 ΔP:a―b Δl:α―β

第 3 章 鉄筋腐食が鉄筋の力学的性能に与える影響に関する検討

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形に低下していることが分かる。図 3.5.2.3-2 の線形低下を式(3.5.2.3-2)に、図 3.5.2.3-3 を式(3.5.2.3-3)に示す。

𝑦 𝑒 = 100 − 2.66x

式(3.5.2.3-2)

𝑦 𝑒 = 100 − 1.60x 式(3.5.2.3-3)

この時,yeはヤング係数残存率を表し,x は対応する断面減少率を表す。

鉄筋のヤング係数は一般的に鉄筋種類にかかわらず 2.1×106kgf/cm2として用いられるが,

腐食した鉄筋の断面積は不均一であり,その結果として応力集中で全体の伸びが小さくな っている。従って健全な鉄筋に対して,同じような変形を生じさせる荷重が腐食した鉄筋 では小さくなるため,見かけのヤング係数は小さくなることが考えられる。腐食減少率が 大きいものほど,ヤング係数は小さくなり,また,鉄筋の強度が小さいほどヤング係数の 低下度は大きくなる。

降伏点残存率と引張強さ残存率の線形低下のグラフとヤング係数残存率の線形低下のグ ラフを比較するとヤング係数残存率のグラフではデータのばらつきが目立つ。これは引張 荷重による応力集中が平均腐食断面積ではなく,実際は最も腐食した断面に生じており,

それぞれ鉄筋によってばらつきがあるためであると考えられる。

また横軸に鉄筋の最大断面減少率を取ったグラフは、横軸に平均断面減少率を取った場 合よりもわずかながら相関が良い結果となった。この結果から引張強さ残存率は鉄筋の断 面が最も減少している断面に依存しているということがいえる。

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4.5.2.3-2 平均腐食断面減少率とヤング係数残存率の関係

4.5.2.3-3 最大腐食断面減少率とヤング係数残存率の関係

20 40 60 80 100

0 5 10 15 20 25 30

平均断面減少率 [%]

ヤ ング係数残存率 [%]

y=100-2.66x R 2 =0.196

20 40 60 80 100

0 5 10 15 20 25 30

最大断面減少率

[%]

ヤング係数残存率

[%]

y=100-1.60x

R 2 =0.2747

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