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4.2 2014 年度夏季気流実験の概要

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本節では、本研究室で2014年夏季に行われた気流環境評価実験の目的と方法につい て述べ、最後に実験の結果を述べる。なお、以下では本実験のことを夏季気流実験と、

本実験で得られたデータセットを夏季気流実験データセットと呼ぶ。

4.2.1 実験の目的

夏季において、弱・強気流環境の知的生産性を向上させる効果を客観的かつ定量的 に検証することを目的とする。

なお、弱・強気流環境とは弱気流と強気流を組み合わせた気流環境である。弱・強 気流環境の概要を図4.6に示す。弱気流は風速0〜0.4(m/s)に設定し、送風中は風速が 変化するように調整する。風速の変化の様子を図4.7に示す。風速は120秒で1サイク ルとする。強気流は風速1.6(m/s)に設定する。風速は、執務者の頭部付近と同様の高 さである床面から1.1mの高さでの風速を示す。強気流は10分に1回、20秒間送風し た。気流を送風する空気清浄機は執務者の左側後方約2mの位置に設置し、弱気流は 執務者の上半身周辺、強気流は後頭部左側から左肩に送風するように調整する。空気 清浄機と執務者の位置関係を図4.8に示す。

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図 4.6: 弱・強気流環境の概要

4.2.2 実験の方法

実験は、健康な大学生28名(男性12名、女性16名)を対象に実施した。実験室のレ イアウトを図4.9に示す。外光の影響を防ぐため、窓は遮光した。また、室温、湿度、

机上面照度、照明の色温度は表4.4のように統制した。気流環境は、気流がない環境で

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図 4.7: 風速の変化の様子

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図 4.8: 真上から見た空気清浄機の位置

ある「標準環境」と「弱・強気流環境」との2条件を設定した。実験で比較した気流 環境の実施順を表4.5に示す。実験は月曜日から水曜日と木曜日から土曜日のそれぞれ 3日間(以下、1日目、2日目、3日目と表記する)で実施した。1日目は、実験の説明 と伝票分類タスクの作業の練習日とし、2日目と3日目で気流環境を1日1条件で実施 した。

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図 4.9: 実験室のレイアウト(夏季気流実験)

表 4.4: 実験室の室内環境条件(夏季気流実験)

室温 湿度 二酸化炭素濃度 騒音レベル 机上面照度 照明の色温度 26±1℃ 70±10% 700ppm 以下 57.2dB以下 460lux 5000K

実験は、2014年8月4日から9月6日にかけて、京都大学工学部1 号館233号室で 行った。各グループの実験参加者は連続する3日間の実験に参加した。実験のプロト コルを図4.10に示す。いずれの実験参加者も初日に実験の説明を受けた後にタスクの

表 4.5: 気流環境の実施順(夏季気流実験)

1日目 2日目 3日目

グループ1(男性) 説明・練習 標準環境 弱・強気流環境

グループ2(女性) 説明・練習 標準環境 弱・強気流環境

グループ3(男性) 説明・練習 弱・強気流環境 標準環境

グループ4(女性) 説明・練習 弱・強気流環境 標準環境

グループ5(男性) 説明・練習 標準環境 弱・強気流環境

グループ6(女性) 説明・練習 弱・強気流環境 標準環境

グループ7(女性) 説明・練習 標準環境 弱・強気流環境

練習を行い、2、3 日目に気流環境を変えてタスクを実施し、その知的生産性を計測し

た。図4.10のSET1〜3は伝票分類タスク45分間、数独タスク20分間及びSET終了

後のアンケート類から構成される。伝票分類タスクの45分間は、「9時から17時まで 作業すると仮定して、疲れない程度のペースで作業して下さい」と教示した。各日最 後のSET4は、1日の最後の作業で作業意欲が向上する終末効果の対策のために実施す ることから解析対象外とする。また、数独タスクは、伝票分類タスクだけ実施するこ とによる作業の単調さを軽減するために実施することから、解析対象外とした。最終 日の4SET目には実験参加者インタビューを実施し、3日間を通しての感想などをヒア リングした。

4.2.3 実験の結果

実験では、実験の教示を守らず適切に作業に取り組まなかった実験参加者や実験期 間中に体調不良であった実験参加者の合計9名を計測対象外とした。解析対象外とした 実験参加者の番号と解析対象外にした理由を表4.6に示す。伝票分類タスクを実施し得 られた解答時間データからCTRを算出した。各気流環境ごとのCTRの比較を図4.11 に示す。標準環境下と弱・強気流環境下のCTRを対のある両側t検定で比較したとこ ろ、弱・強気流環境下でのCTRが標準環境下でのCTRと比較して、6.5%ポイント有 意に高く(p<0.001)、その向上率は11.9%であった。

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