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0.34 )の

ドキュメント内 電 子 回 路 概 論 (ページ 192-200)



k及び



Q

k

186

図9-18 チェビシェフ・フィルター 図9-19 リプルの拡大図

(リプル



0.5dB

)の振幅及び群遅延時間

図9-20 4次チェビシェフ・フィルターの矩形波応答

図9-19 2次チェビシェフ・フィルター(LPF)

-0.5 0 0.5 1 1.5

0 20 40 60 80

4th_CH_LPF1_data

V out

ct - 100

- 50 0 50 100

- 10 - 5 0 5 10

0.01 0.1 1 10 100

CH_ LPF01

Gain (dB) Group delayc G

/c

c G

G

n=1 2 3 4 5 6 n=1 2

3 4 5 6

- 6 - 4 - 2 0 2 4

0.1 1 10

CH_ LPF01_ data

Gain (dB)

/c

n=1

2 3 4 5 6

図9-20 3次チェビシェフ・フィルター(LPF)

図9-21 4次チェビシェフ・フィルター(LPF)

チェビシェフ・フィルターは減衰特性が急峻であるが通過帯域にリプルが生ずる。それに対し て、減衰帯域にリプルを許容することで通過帯域の特性が平坦でかつ減衰特性が急峻となるよう に考えられたのが次節で述べる「逆チェビシェフ・フィルター」である。更に「連立チェビシェ フ・フィルター」(または「楕円フィルター」)では通過帯域及び減衰帯域のいずれにもリプルを 許容することで、チェビシェフ・フィルターより急峻な減衰特性を得ている。連立チェビシェフ・

フィルターはチェビシェフ多項式



C

n

(  )

の代わりにヤコビの楕円関数により定義されるチェビシ ェフ有理関数



R

n,k

1

(  / 

c

)

によって周波数特性が定義されるもので楕円フィルターとも呼ばれ、

9-7節でその概要を解説する。

188

9-6 逆チェビシェフ・フィルター

チェビシェフ・フィルターは周波数特性の通過帯域にリプルを許容して急峻な減衰特性を実現 している。一方、逆チェビシェフ・フィルターは逆に減衰帯域にリプルを許容して通過帯域のリ プルをなくしたフィルターである。バターワース・フィルターやチェビシェフ・フィルターの減 衰領域では



(  / 

c

)

nに比例して無限に減衰していくのに対して、逆チェビシェフ・フィルターの 減衰量は有限に留まるが、十分に周波数特性が減衰した領域ではリプルがあっても問題がない場 合が多い。

通過帯域にリプルのないフィルターとして



G

HPF

( j  )

2

 1 1

1 {  C

n

(  / 

c

)}

2 (9.6.1) を考える。



 / 

c



では



G

HPF

( j  ) 1



 / 

c

 0

では



G

HPF

( j  )  ~ 

2

1

となること から、HPFの性質を持ち減衰領域ではリプルがあるが通過帯域にはリプルがない。(9.6.1)式は



G

HPF

( j  )

2

 1

1 { 1

C

n

(  / 

c

) }

2

(9.6.2)

と書き直すことができる。これはチェビシェフ・フィルターの定義((9.5.1)式)において



C

n

(  / 

c

)



1/{  C

n

(  / 

c

)}

に置き換えたものに等しくこのようなフィルターを逆チェビシェフ・フィルタ ーという。(9.6.2)式に対して周波数変換を行うことで、通過帯域にリプルを持たない逆チェビシェ フLPFを構成する。



G

HPF

( j  )

はまた



G

HPF

( j  )

2

 {  C

n

(  / 

c

)}

2

1 {  C

n

(  / 

c

)}

2 (9.6.3) と書け、これより逆チェビシェフHPFの伝達関数



G

HPF

(s)

はチェビシェフ・フィルターと同じ特 性方程式を持つ。したがってチェビシェフ・フィルターのポール



p

kを用いて



G

HPF

(s)   (s  q

1

) (s  q

n

)

(s  p

1

) (s  p

n

)

(9.6.4) と書くことができる。ここで



q

k



C

n

(s / j

c

)

の零点である(



C

n

(q

k

/ j

c

)  0

)。





を実数と して



s / j

c

 cos(   j  )

(9.6.5) とおくと

( / ) cos ( )

cos( )cosh( ) sin( )sinh( )

n c

C s j n j

n n j n n

  

   

 

 



 0

(9.6.6) より

189



  (2k 1)  /2n,   0



(k  1, 2, , n)

(9.6.7) したがって零点



q

k



q

k

/ 

c

j cos{(2k 1)  /2n}



(k  1, 2, , n)

(9.6.8) で与えられる。(9.6.4)式に対して周 波数変換



s / 

c

 

c

/ s

を行いLPF の伝達関数に変換すると



G(s)  ( 

c

/s  q

1

/ 

c

) ( 

c

/ sq

n

/ 

c

) ( 

c

/ sp

1

/ 

c

) ( 

c

/ sp

n

/ 

c

)

(9.6.9) を得る。ここで



p

kはチェビシェフ・

フィルターのポール 図9-22 逆チェビシェフLPF特性



p

k

/ 

c

 sinh   cos 

k

j cosh   sin 

k

k

 (2k  n 1)  /2n

 





(k  1, 2, , n)

(9.6.10) である((9.5.19)式参照)。



G(s)

のポ ール



c2

/ p

kの実数部は負である



Re( 

c2

/ p

k

) 



( 

c

/ p

k

)

2

Re( p

k

)  0

ので



G(s)

は安定であることが分かる。

図9-22、図9.23に(9.6.9)式の周波数

特性及び群遅延特性を示す。逆チェ ビシェフ・フィルターもチェビシェ フ・フィルターと同様に1次と2次 のアナログ・フィルターのカスケード

接続で構成することができるが、伝達 図9-23 逆チェビシェフLPFの 関数の零点を作るためのGIC回路等に 群遅延特性

よるLC直列共振フィルターが必要とな

るため、複雑な構成となる。現在ではこのような複雑な高次フィルターはデジタルフィルターで 構成するのが一般的であり、本節ではアナログ・能動フィルターによる構成例は省略する。

注:逆チェビシェフ・フィルターの規格化について



p

kをポール、



q

kを零点として



x  

c

/ 

- 120 - 100 - 80 - 60 - 40 - 20 0 20

0.01 0.1 1 10

INVCH_ LPF01

Gain (dB)

/c n=4 6 8 10



 

- 5 0 5 10 15 20 25

0.01 0.1 1 10 100

INVCH_ LPF01

Group delay  c d

/c n=4

68 10

190

と置くと



{  C

n

(x)}

2

1  {  C

n

(x)}

2

 

2

/(1 

2

) ( x  0) 2

2n

2

x

2n

/(1 2

2n

2

x

2n

) (x  )

 



 



C

n

(x)

x

K

2

( jxq

1

) ( jxq

n

)

x

K

2

x

n

x

より



G( jx)

x

K

1

K

2

( jxq

1

) ( jxq

n

)

( jxp

1

) ( jxp

n

)

x

K

1

K

2

x

n

x

n x

K

1

K

2 したがって



G( jx)

x

 1

とすると



K

1

K

2

 1

故に(9.6.9)式



G( jx)  ( jxq

1

) ( jxq

n

) ( jxp

1

) ( jxp

n

)

が成立する。

9-7 連立チェビシェフ・フィルター(楕円フィルター)

チェビシェフ・フィルター及び逆チェビシェフ・フィルターの周波数特性は



G( j  )

2

 1

1  f

2

(  / 

c

)

(9.7.1) なる形をしており、チェビシェフ・フィルターでは



f (  / 

c

)  C

n

(  / 

c

)

、逆チェビシェフ・フ ィルターでは



f (  / 

c

) 1/C

n

( 

c

/  )

である。そこで通過帯域及び減衰帯域の両方にリプルを持 ち、急峻な減衰特性を持つフィルターを作るにはどのような性質の関数



f (  / 

c

)

を考えれば良い だろうか。チェビシェフ・フィルターと逆チェビシェフ・フィルターにおける



f (  / 

c

)

の性質を まとめると次表のようになる。



C

n

(  / 

c

)



1/C

n

( 

c

/  )



  

c -1~1 で振動

(n個の零点を持つ)

緩やかに単調増加



  

c 急速に単調増加 1~



で振動

(n個のポールを持つ)



C

n

(  / 

c

)



1/C

n

( 

c

/  )

の性質を併せ持つ



f (  / 

c

)

として、



  

c n 個の零点を持ち



  

cで個のポールを持つ関数を用いることで、チェビシェフ・フィルターと逆チェビシェフ・

フィルターの性質を持ったフィルターを構成することができる。そのような関数



f (  / 

c

)

として、

ヤコビの楕円関数



cd( x,k)



sn(x,k )

により定義されるチェビシェフ有理関数

R

n k,

( /  

c

)

を用い、

周波数特性関数



G( j  )

2

2 ,

( ) 1

1 {

n k

( /

c

)}

G j

R

 

 

(9.7.2) で与えられるフィルターを考えると、通過帯域及び阻止帯域で等リプルとなる特性を得ることが できる。このようなフィルターを連立チェビシェフ・フィルターまたは楕円フィルターという。

第1種楕円積分



udx

(1  x

2

)(1  k

2

x

2

)

0

z (9.7.3) の逆関数を



zsn(u,k)

と書く。ここで



k

を関数



sn

の母数と云い



k   1 k

2 (9.7.4) を補母数という。



cn(u ,k)



dn(u,k)



cd(u ,k)



cn(u,k)  {1 sn

2

(u,k)}

dn(u,k)  {1  k

2

sn

2

(n,k)}

cd(u,k)cn(u,k) / dn(u,k)



 



 



(9.7.5)

で定義する。関数



cd(u ,k)

により関数



R

n,k 

( x)cd( n K 

K cd

1

(x,k), k ) 

(9.7.6) を定義すると、



R

n,k 

( x)



n

個の零点と



n

個のポールを持ち以下の



n

次の有理式(チェビシェフ有 理関数)で表わすことができる。



R

n,k 

(x)  x k

2

( 

n,m

/ 

c

)

2

 1 1  ( 

n,m

/ 

c

)

2

m1 (n1)/2

x

2

(

n,m

/

c

)

2

k

2

( 

n,m

/ 

c

)

2

x

2

1 (for nodd) R

n,k 

(x)  k

2

( 

n,m

/ 

c

)

2

1

1 ( 

n,m

/ 

c

)

2

m1 n/2

x

2

(

n,m

/

c

)

2

k

2

( 

n,m

/ 

c

)

2

x

2

 1 (for neven)





 



 

(9.7.7)

ここで

,

2 1

/

c

,

n m

/

c

( n m , )

x sn K k

    n

 

(9.7.8)

192

また



K





K

は次の第1種完全楕円積分



Kdx

(1 x

2

)(1 k

2

x

2

)

0

1

, K  dx

(1 x

2

)(1  k

2

x

2

)

0

1

(9.7.9)

である。



R

n,k 

(  / 

c

)

のポールを



n,m、零点を



n,mとすると



n,m

 

c2

/ k

n,m

n,m

 

n,m

 



 

(9.7.10) であり、



R

n,k 

( x)

のポール



  

n,m



G( j  )

の零点になり、



R

n,k 

(x)

の零点



  

n,mでは



G( j  )

1と なる。なお、(9.7.8)式より



m,n

/ 

c

 1

である。



R

n,k 

(  / 

c

)

及び



G( j  )

2

は下に示す表のような周波数依存性 を持ち阻止域の



G( j  )

2



1

1 (  / k ) 

2

 ( k 

)

2

( k    )

(9.7.11)

となる。例として通過帯域のリプル 図9-24 9次連立チェビシェフ・フィルター を



1  

2

 0.5dB

、阻止域の減衰 (楕円フィルター)の周波数特性例 量を





k /   60dB

とすると (リプル



0.4dB (   0.32)





k  0.064



  0.34931





k  3.493110

4



k  1  k

2

 0.999825

となる。図9-24に9次の連立チェビシェフ・フィルター(9次,

  0.3202, k   0.064, k  0.9979 )

の例を示す。



R

n,k 

(  / 

c

)



G( j  )

2



  

c n個の零点を持ち-1~1 の間で振



1 ~ 1/(1 

2

)

の間で振動



  

c n個のポールを持ち絶対値が



1/ k  ~ 

の間で振動



0 ~ 1/{1  (  / k ) 

2

}

の間で振動 0.0

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0.1 1 10

Elliptic_ filter05_ data

|G(j)|

/c n= 9

ripple= 0.424dB k'= 0.0640, k= 0.9979

= 0.3202

(9 ,1)= 0.999536

(9 ,2)= 0.992957

9 ,3)= 0.951541

(9 ,4)= 0.726167

ドキュメント内 電 子 回 路 概 論 (ページ 192-200)

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