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3 年

ドキュメント内 司法精神医学研究部 (ページ 80-88)

(法44条による 終了期限)

自殺や再入院事例 有意に高い(p<.01)

図 12.治療終了者の通院継続期間

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-10.通院処遇中の精神保健福祉法による入院の分析

対象者 690 名のうち、精神保健福祉法による入院があった者が 338 例(49.0%)、入院 がなかった者が 351 例(51.0%)であった(図 13)。

11.精神保健福祉法による入院の回数と入院形態

精神保健福祉法による入院があった者 338 例(49.0%)のうち、の回数と入院形態につ いて示した(図 14)。平均入院回数は、入院があった者の間では 1.68 回、全対象者の間で は 0.82 回であった。最大入院回数は 8 回で、ケースの詳細をみてみると身体疾患を合併 しているケースにおいて入院回数が多くなっていることがわかった。

10.通院処遇中の精神保健福祉法による入院の分析

対象者690名のうち、精神保健福祉法による入院があった者が338例(49.0%)、入院がなかった 者が351例(51.0%)であった(図13)。

図13.通院処遇中の精神保健福祉法による入院あり・入院なしの件数

11.精神保健福祉法による入院の回数と入院形態

精神保健福祉法による入院があった者338例(49.0%)のうち、の回数と入院形態について示した (図14)。平均入院回数は、入院があった者の間では1.68回、全対象者の間では0.82回であった。

最大入院回数は8回で、ケースの詳細をみてみると身体疾患を合併しているケースにおいて入院回 数が多くなっていることがわかった。

図14.通院処遇中の精神保健福祉法による入院の回数と形態 入院

あり, 338, 49%

入院 なし,

351, 51%

0 50 100 150 200 250 300 350

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目

人 数

任意・医療保護 措置

医療保護 任意 10.通院処遇中の精神保健福祉法による入院の分析

対象者690名のうち、精神保健福祉法による入院があった者が338例(49.0%)、入院がなかった 者が351例(51.0%)であった(図13)。

図13.通院処遇中の精神保健福祉法による入院あり・入院なしの件数

11.精神保健福祉法による入院の回数と入院形態

精神保健福祉法による入院があった者338例(49.0%)のうち、の回数と入院形態について示した (図14)。平均入院回数は、入院があった者の間では1.68回、全対象者の間では0.82回であった。

最大入院回数は8回で、ケースの詳細をみてみると身体疾患を合併しているケースにおいて入院回 数が多くなっていることがわかった。

図14.通院処遇中の精神保健福祉法による入院の回数と形態 入院

あり, 338, 49%

入院 なし,

351, 51%

0 50 100 150 200 250 300 350

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目

人 数

任意・医療保護 措置

医療保護 任意 図 13.通院処遇中の精神保健福祉法による入院あり・入院なしの件数

図 14.通院処遇中の精神保健福祉法による入院の回数と形態 9.3年未満で処遇を終了した者の分析

法44条による通院満期期間である3年を迎える前に処遇を終了した者200名のみを抽出して、

通院継続期間とその転帰を示したのが図 12 である。再入院事例と死亡事例の発生率について、処 遇期間を1年毎に区切り3分割して比較してみたところ、処遇開始から1年未満に発生している率 は、処遇期間が1年以上2年未満の群および処遇期間が2年以上の群に比較して高い発生率を示す 傾向があることがわかった(p<0.10)。したがって、リスクマネージメントの視点から考えると、処 遇開始から1年間という期間には殺人や再入院といった処遇の継続に大きな影響を与えるような問 題行動が発生しやすく、処遇にあたっても注意深い観察と支援が必要であると思われた。

図12.治療終了者の通院継続期間

0 200 400 600 800 1000 1200

19 1725 3341 4957 6573 8189 10597 113121 129137 145153 161169 177185 193

治療終了

死亡(病死・事故死)

再入院 自殺

一般精神医療

1年 2年

3 年

(法44条による 終了期限)

自殺や再入院事例 有意に高い(p<.01)

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-12.精神保健福祉法による入院の有無による処遇終了率

精神保健福祉法による入院の有無による処遇終了率の比較を行ったところ、入院あり群 と入院なし群で有意な差はみられなかった(図 15)。すなわち、通院処遇中に精神保健福 祉法による入院を実施していることは、必ずしも通院処遇期間を長期化させる要因とは なっていないものと解釈できる。しかし、処遇期間の比較にあたっては、入院の時期や入 院形態、入院の理由等の諸要因については検討していないため、今後もデータを蓄積し、

こうした入院の背景を踏まえた分析を行っていきたい。

12.精神保健福祉法による入院の有無による処遇終了率

精神保健福祉法による入院の有無による処遇終了率の比較を行ったところ、入院あり群と入院な し群で有意な差はみられなかった(図15)。すなわち、通院処遇中に精神保健福祉法による入院を実 施していることは、必ずしも通院処遇期間を長期化させる要因とはなっていないものと解釈できる。

しかし、処遇期間の比較にあたっては、入院の時期や入院形態、入院の理由等の諸要因については 検討していないため、今後もデータを蓄積し、こうした入院の背景を踏まえた分析を行っていきた い。

図15.精神保健福祉法の入院の有無による比較 0%

20%

40%

60%

80%

100%

0 200 400 600 800 1000 1200

処 遇 中 の 比 率

日数 入院あり

入院なし

図 15.精神保健福祉法の入院の有無による比較

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-13.通院処遇中の問題行動の分析

調査票により報告された通院処遇中に発生した問題行動について集計し、分析を行った。

2005 年 7 月 16 日から 2011 年 7 月 15 日までの通院処遇中に何らかの問題行動が報告さ れた者は、690 名中 319 名(46.2%)で、問題行動の延べ件数は表 4 のとおりであった。

18 項目の問題行動のうち最も多く見られた問題行動は「14.服薬の不遵守・不遵守傾向」

で 91 例(13.2%)であった。次に「13. 通院・通所の不遵守・不遵守傾向」が 89 例(12.9%)、

「3. 他者への非身体的暴力など」と「16. その他の日常生活上の規則、ルールの違反など」

が 68 例(9.9%)と続いていた。

表 4.通院処遇中に発生が報告された問題行動別の集計 (重複回答あり)

問 題 行 動 直接 移行 %

1 自傷・自殺企図等 18 24 6.0

2 他者への身体的暴力等 (性的暴力を除く) 14 31 6.4 3 他者への非身体的暴力等 (性的暴力を除く) 26 42 9.9 4 他者への性的暴力 (暴力的言動や態度) 4 8 1.7 5 上記以外の対人関係の問題 (対人的ルール違反等) 22 29 7.4

6 放火等 (未遂も含む) 4 4 1.2

7 器物への暴力等 (放火を除く) 7 14 3.0

8 怠学 , 怠職 , ひきこもり等 8 10 2.6

9 窃盗 , 万引き等 2 6 1.2

10 アルコールの乱用・依存等 (依存者の再飲酒も含む) 22 34 8.1

11 違法薬物の使用・乱用・依存等 1 6 1.0

12 ギャンブル , 買い物などの薬物以外の依存行動 10 15 3.6 13 通院・通所の不遵守・不遵守傾向 34 55 12.9

14 服薬の不遵守・不遵守傾向 39 52 13.2

15 訪問看護・訪問観察の拒否 14 23 5.4

16 その他の日常生活上の規則・ルール違反など 25 43 9.9

17 病状悪化に伴う問題行動 15 28 1.2

18 金銭管理上の問題 6 5 7.0

総 計 267 435 100

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-14.通院処遇に至るまでの形式別にみた問題行動

通院処遇に至るまでの形式は「直接通院」と「(入院からの)移行通院」の二通りに分類 される。この分類にしたがって上述した 18 項目の問題行動との関連について分析した(図 16)。その結果、いずれの問題行動についても、「直接通院」者と「移行通院」者間で有意 な差はみられなかった。移行通院者は入院治療によって問題となる行動が減少したため、

退院決定を受ける時点ではすでに直接通院者と同程度の安定した状態にあると解釈できる 一方で、直接通院となった対象者については、実際に通院処遇が開始されるまでの期間は 極めて短いにも関わらず、各指定通院医療機関でも、指定入院医療機関が退院に向けて実 施しているような、対象者に対するアセスメントや介入方法の検討が整えられている結果 であるとも考えられる。今後は、こうした各医療機関による経験的な実績を共有し、より 実践的で的確なリスクアセスメントの指標として応用していくことができれば、非常に有 用なものとなることが期待されるところである。

14.通院処遇に至るまでの形式別にみた問題行動

通院処遇に至るまでの形式は「直接通院」と「(入院からの)移行通院」の二通りに分類される。

この分類にしたがって上述した18 項目の問題行動との関連について分析した(図 16)。その結果、

いずれの問題行動についても、「直接通院」者と「移行通院」者間で有意な差はみられなかった。

移行通院者は入院治療によって問題となる行動が減少したため、退院決定を受ける時点ではすでに 直接通院者と同程度の安定した状態にあると解釈できる一方で、直接通院となった対象者について は、実際に通院処遇が開始されるまでの期間は極めて短いにも関わらず、各指定通院医療機関でも、

指定入院医療機関が退院に向けて実施しているような、対象者に対するアセスメントや介入方法の 検討が整えられている結果であるとも考えられる。今後は、こうした各医療機関による経験的な実 績を共有し、より実践的で的確なリスクアセスメントの指標として応用していくことができれば、

非常に有用なものとなることが期待されるところである。

図16.通院処遇中の問題行動(重複回答あり) 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

自殺 身体的暴力 非身体的暴力 性的暴力 対人関係 放火 器物 怠学・怠職 窃盗 アルコール 違法薬物 ギャンブル等 通院不遵守 服薬不遵守 訪問拒否 ルール違反 病状悪化 金銭管理 その他 例

移行 直接

図 16.通院処遇中の問題行動(重複回答あり)

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ドキュメント内 司法精神医学研究部 (ページ 80-88)

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