3 主要な新規研究設備 3 主要な新規研究設備
設置目的
小型ゼオライトカラム試験装置
東京電力福島第一原子力発電所の事故では、
原子炉建屋およびタービン建屋に滞留した 約20万m3の放射性汚染水を除染・脱塩し、
原子炉の冷却水として再利用することが第一 フェーズの最重要課題であった。除染システム の構築にあたっては、汚染水に混入している海 塩や油分による、放射性核種の吸着剤である ゼオライトの吸着性能への影響が不明である ことに加え、1200m3/日の大容量で処理する 必要があったため、これまでに実績のないシス
テムを構築することが急務であった。
そこで、この除染システムの設計・運用に反 映することを目的として、様々な種類のゼオラ イトを装荷できる小型のゼオライトカラムを 用いて実体系を模擬できる本試験装置を導入 した。また、本試験装置でゼオライトカラムの 破過曲線*などの動的特性を把握することによ り、実機のセシウム除染挙動を解析予測できる コードを開発することも目的としている。
概要・特徴 ・単段/複数段の切り替え:実機を模擬する4 段のゼオライトカラム試験と解析コードを検 証するための単段でのゼオライトカラム試験 がいずれも実施可能である。
・メリーゴーランドシステム:実機で運用されて いるカラム交換方法(1段目のカラムが十分 にCs等を吸着した際に、このカラムを取り外し、
2段目のカラムを1段目とすると同時に、未使
用のカラムを3段目に連結することにより、
順次カラムを交換する)をバルブ操作により 模擬することが可能である。
・長時間の連続試験対応:模擬汚染水中の濃度 条件により破過まで24時間以上要する場合 もあるため、液送りとサンプラーを自動化し、
長時間の連続試験に対応可能である。
(1)
カラム・可視性の高い透明アクリル製の円筒型(内径 3cmと5cmの2種類)で、取り外しが容易な構造
(2)計測系
・カ ラ ム の 流 入 口 に 、流 量 計 ( 愛 知 計 器 OF05ZZWIN)と圧力計(横河電気FP201)を装備
設置目的
小型ガラス溶融試験装置
本装置は、使用済み核燃料の再処理工程 から発生する放射能を含む廃液(高レベル廃 液)を、化学的に安定なガラスとともに固化さ せる工程(ガラス固化工程)に関する試験を 行うものである。特に、溶融ガラス上面に形 成される、固化した廃液および廃棄物と原料 ガラスが混在した層(仮焼層)が、除々にガラ スの中に取り込まれる現象を観察することを
目的とする。仮焼層の状態はガラス固化体の 製造速度や性状に大きく影響するため、ガラ スの溶融速度や温度の制御等が仮焼層の状 態に与える効果を詳細に把握する。仮焼層を 安定に形成させることが、ガラス固化工程に おいて、最も重要であると考えられており、本 装置で得られる成果は、今後の再処理工場の 運転に役立てられる。
概要・特徴 本装置は、高レベル廃液をガラス固化する ためのガラス溶融炉内で、仮焼層における各種 反応挙動の解明に係るデータ取得を目的とし、
実験室規模での連続供給式の小型ガラス溶融炉 を中心に構成される。
炉体は実機と同じくレンガ製とし、ガラスへ直接
電気を通電することにより加熱するジュール加熱方 式を採用した。さらに、模擬廃液とガラス原料を同 時に供給し、溶融ガラス上面で仮焼層を生成させ、
炉を運転した状態で仮焼層をサンプリングできる よう工夫している。
炉形式:液体供給式直接通電ジュール発熱型セ ラミックメルタ(LFCM)
接液部レンガ材質:Monofrax K-3レンガ
主電極材質:NCF690(または、相当インコネル材)
ケーシング材質:SUS304
溶融表面積:0.0225m(150mm×150mm)2
液面深さ:Lレベル:132mm、Hレベル:150mm 運転温度:溶融ガラス通常温度 約1150℃、最高 使用温度 約1,200℃
原料供給:連続供給 ガラス流下:バッチ式 主な仕様
【設置場所・時期・所管研究所】
狛江地区・2012年2月・原子力技術研究所
電源・制御盤 ガラス溶融炉 排気系
写真 小型ガラス溶融試験装置
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