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(2)社会開発

ドキュメント内 年次報告書2000 (ページ 61-73)

開発の目的は、バランスのとれた経済成長とそれにより もたらされる便益の公正な分配により、国民の生活を向上 させることです。貧困を解消し、基礎的ニーズを満たすた めには、全体の底上げを図る経済成長戦略が必要ですが、

同時に、取り残された社会的弱者層のために、格差の是 正やソーシャル・セーフティー・ネットの整備が重要です。

こうした考えは、本行が1999年12月に発表した「海外経済 協力業務実施方針」に反映されており、社会開発・貧困削 減への取組みを重要な柱と位置付けています。本行の海 外経済協力業務においては、これまでも社会開発の促進 に取り組んできましたが、近年の社会開発型案件の増加・

個別案件における社会配慮の必要性の高まりに伴い、統 合を機に環境社会開発室内に社会開発班を設け、海外経 済協力業務について、より充実した社会的側面への配慮 が行える体制を整えました。

社会開発班においては、社会開発の面で、個々の事業 における社会配慮(ジェンダーや貧困層、少数民族への配 慮等)に関する業務、社会開発型案件(小規模灌漑、初 等・中等教育、地方給水等)の促進、社会開発的側面の配 慮に関する普及・啓蒙活動等を行っています。

具体的取組みとしては、円借款の各案件について、貧困 層・少数民族等、社会的弱者やジェンダーへの配慮および 住民参加への適切な配慮等が行われているかに関してチ ェックを行うほか、特に社会配慮が重要な案件については 現地調査を行っています。また、受益者との接点の大きい 社会開発型案件の場合、案件形成など早い段階で実施さ れる有償資金協力促進調査における社会状況調査への支 援も行っています。

近年、ことに重視されているのが貧困削減への取組み です。開発途上国の貧困削減を達成するには、持続的な 経済・社会開発が不可欠であり、本行はこれまでアジアを 中心とする開発途上国の経済・社会開発に必要な基盤整 備のため、円借款を供与してきています。同時に、貧困削 減には貧困層が直接受益する分野への支援も重要である ことから、地方道路、貧困地域電化、マイクロクレジット、

貧困地域初等教育等の事業により直接的な貧困削減も支 援してきています。

こうした業務に加え、今年度は、途上国の実施機関職員 およびコンサルタントを対象に、社会配慮についての具体 的方法や留意点等の情報をまとめた「社会配慮ハンドブッ ク」(英文版)を作成しました。また、国際社会との協調の 一環として、「マニラ社会フォーラム」「マニラ・マイクロファ イナンスワークショップ(東アジア太平洋地域)」等におい て、本行の社会開発に係る取組みを紹介し、国際社会の 幅広い層と協議・意見交換を行ったほか、DACジェンダー 会合・貧困削減非公式ネットワーク会合等、社会開発や貧 困削減に係る国際会議にも積極的に参加しました。

業務の効率・効果の一層の向上および幅広い情報交換 を目的として、次のようにさまざまな機関との連携が行わ れています。日本輸出入銀行と海外経済協力基金が統合 し国際協力銀行となったことにより、旧機関がもっていた ノウハウが結集されたことから、他機関との連携において も連携分野が広がり、中身のより深い議論ができるように なったことは大きなメリットです。

国際機関との連携

国際金融秩序の維持、開発途上国への資金協力、開発 政策実施等において重要な役割を果たしているIMF、世界 銀行、アジア開発銀行、米州開発銀行等の国際機関とは、

協調融資をはじめさまざまな連携を図っています。

本行は、アジア通貨危機やグローバルイシュー等への取 組みにおいても国際機関との連携を図ってきました。日頃 から融資対象プロジェクトや借入国の政治経済情勢につい て情報交換を行うとともに、支援方針についての対話を行 う場として、国際機関と定期協議会も行っています。

輸出信用機関との連携

本行は米国輸出入銀行など多くの輸出信用機関との間 で業務協力協定を締結し、貿易拡大、投資促進、プロジェ クトの協調支援などについて協調融資や情報交換を行い、

これらの機関との協調関係を強化しています。

このような国別の相互協力以外に、OECDなどの国際機 関の枠組みを通じての情報交換や相互協力も活発に行っ ています。前述のOECDの輸出信用・保証部会における 輸出信用と環境の議論はその一例です。

また、アジアにおいては、各国の輸出入銀行間の連携 を図ることを目的として「アジア輸銀会合」が毎年開催 されており、本行もこれに積極的に参加しています。昨 年は、第5回会合が10月にインドネシアで開催されまし た。

さらに、開発途上国における輸出入銀行への協力は本 行として注力しているところであり、最近ではインドネシ ア輸出入銀行設立準備のために専門家を派遣しました。

国際協力事業団(JICA)との連携

有償資金協力を担う本行と、技術協力等を担当してい る国際協力事業団(JICA)は、日本のODAをより効率的、

効果的に実施するため、プロジェクト計画の策定・準備・

実施、完成後の維持管理等の各段階で連携を図っており、

そのパートナーシップを年々強化しています。本行の支援 が単なる資金協力にとどまらず、より包括的な援助が可能 となることが大きなメリットです。

1999年度の主な実績は次の通りです。

プロジェクト策定・準備段階における連携

本行はJICAが開催している国別・分野別援助研究会に 委員として参加し、援助方針等について積極的に意見交 換を行いました。また、JICAが開発調査を行う際、当該調 査の進捗状況や内容を確認するために設置する作業監理 委員会に本行が必要に応じて参加し意見交換を行う「開 発調査との連携」では、フィリピン、バングラデシュ等の委 員会に参加しました。今年度に円借款契約が結ばれたプ ロジェクト型案件75件のうち、JICAの開発調査が行われた ものは13件(17.3%)でした。

円借款による事業の実施を前提として当該事業の詳細 設計(Detailed  Design:D/D)部分をJICAが開発調査の一 環により実施する「連携D/D」としては、スリランカの「コロ ンボ上水道改修事業」、ベトナムの「ホーチミン水環境改善 事業」等の4事業が、今年度は行われました。

プロジェクト実施と監理段階における連携

プロジェクトの円滑な実施や監理のため、JICA専門家と 連携して実施体制の改善や人材の育成を支援する「専門 家派遣との連携」においては、36事業に対して長期・短期 を含めて61名の専門家が派遣され、プロジェクトの実施に 必要な技術指導等を行っています。

さらに、 JICAと連携して開発途上国の開発関係機関等 の円借款関係者を対象としたODAローンセミナーを実施し ています。1998年度に、円借款業務のニーズに応じた個 別テーマに関する研修コース4コース(開発金融、電力設備

(2)社会開発

開発の目的は、バランスのとれた経済成長とそれにより もたらされる便益の公正な分配により、国民の生活を向上 させることです。貧困を解消し、基礎的ニーズを満たすた めには、全体の底上げを図る経済成長戦略が必要ですが、

同時に、取り残された社会的弱者層のために、格差の是 正やソーシャル・セーフティー・ネットの整備が重要です。

こうした考えは、本行が1999年12月に発表した「海外経済 協力業務実施方針」に反映されており、社会開発・貧困削 減への取組みを重要な柱と位置付けています。本行の海 外経済協力業務においては、これまでも社会開発の促進 に取り組んできましたが、近年の社会開発型案件の増加・

個別案件における社会配慮の必要性の高まりに伴い、統 合を機に環境社会開発室内に社会開発班を設け、海外経 済協力業務について、より充実した社会的側面への配慮 が行える体制を整えました。

社会開発班においては、社会開発の面で、個々の事業 における社会配慮(ジェンダーや貧困層、少数民族への配 慮等)に関する業務、社会開発型案件(小規模灌漑、初 等・中等教育、地方給水等)の促進、社会開発的側面の配 慮に関する普及・啓蒙活動等を行っています。

具体的取組みとしては、円借款の各案件について、貧困 層・少数民族等、社会的弱者やジェンダーへの配慮および 住民参加への適切な配慮等が行われているかに関してチ ェックを行うほか、特に社会配慮が重要な案件については 現地調査を行っています。また、受益者との接点の大きい 社会開発型案件の場合、案件形成など早い段階で実施さ れる有償資金協力促進調査における社会状況調査への支 援も行っています。

近年、ことに重視されているのが貧困削減への取組み です。開発途上国の貧困削減を達成するには、持続的な 経済・社会開発が不可欠であり、本行はこれまでアジアを 中心とする開発途上国の経済・社会開発に必要な基盤整 備のため、円借款を供与してきています。同時に、貧困削 減には貧困層が直接受益する分野への支援も重要である ことから、地方道路、貧困地域電化、マイクロクレジット、

貧困地域初等教育等の事業により直接的な貧困削減も支 援してきています。

こうした業務に加え、今年度は、途上国の実施機関職員 およびコンサルタントを対象に、社会配慮についての具体 的方法や留意点等の情報をまとめた「社会配慮ハンドブッ ク」(英文版)を作成しました。また、国際社会との協調の 一環として、「マニラ社会フォーラム」「マニラ・マイクロファ イナンスワークショップ(東アジア太平洋地域)」等におい て、本行の社会開発に係る取組みを紹介し、国際社会の 幅広い層と協議・意見交換を行ったほか、DACジェンダー 会合・貧困削減非公式ネットワーク会合等、社会開発や貧 困削減に係る国際会議にも積極的に参加しました。

ドキュメント内 年次報告書2000 (ページ 61-73)

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