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2%は在支診によって行われてお り 4) ,在支診の存在は,住み慣れた自宅で最期を迎

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期訪問診療の 86. 2%は在支診によって行われてお り 4) ,在支診の存在は,住み慣れた自宅で最期を迎

えることを実現するために今や中心的役割を担うと いえる.

 地域別にみた場合,人口規模の大きい都市圏で は,民間法人や個人による新規診療所開業が期待で きるが,人口規模が

5

万人以下の自治体では,人口 の流入が少なく,在支診の新規開業を期待して待つ のみでは,増加する医療・介護ニーズに対応するた めの在宅医療体制の充実・強化は困難といえる.し かし,医療過疎地域においては,医療資源,特に医 療従事者の不足がめだつため,在宅医療の充実・強 化に特化した方策より,外来・在宅問わず総合的な 診療能力をもつ医師が育ち活動する場をもうけるこ とが一つの対策となり得る.

 静岡県の中東遠二次医療圏(磐田市,掛川市,袋 井市,御前崎市,菊川市,森町)は,人口

465,470

人(平成

27

年国勢調査)に対し,医師数

768

人(平 成

27

年病院報告および平成

26

年医療施設調査によ り病院

426

人,診療所

342

人)であり,人口

10

万人 あたりは

165

人と全国

269

人および静岡県全体平均

225

人(いずれも平成

26

年病院報告および医療施 設調査)と比較して医師が少ない地域である 5,6).日

本医師会総合政策研究機構のデータによるとこの医 療圏の診療所数は無床

282,有床 20

であり,診療 所医師

342

人の大半が一人体制で診療を行っている ことがわかる 6).開業医は高齢化しており,そもそ も一人診療体制では,在宅看取りに必要な

24

時間 体制がとれず,癌性疼痛や呼吸苦に対して行う麻薬 系鎮痛剤による症状管理ができないことから,在宅 療養および在宅死は患者が希望しても実現が難しい 状況であった.

 そのような中,中東遠二次医療圏の中でも人口規 模の小さい

2

市町(菊川市

4.5

万人,森町

1.9

万人,

平成

28

年時点)において家庭医・総合診療医養成事 業を開始したことで,総合診療医の教育診療拠点と して在支診の新規設置につながった.結果として,

地域における在宅医療の充実・強化が可能となり,

患者・家族の望みに応じた人生の最終段階のケアと 在宅看取りが可能となったことをモデル事業として 本稿で取り上げる.

2.導入の経緯

 まず,家庭医養成事業の開始経緯について以下に 述べる.平成

22

年,静岡県の地域医療再生計画に 基づき,地域医療再生基金の支援を受け,中東遠二 次医療圏にある

2

1

町(磐田市,菊川市,森町)

による静岡家庭医養成協議会が発足した.平成

22

年度より家庭医養成事業を開始し,平成

23

年には 教育診療拠点として,菊川市家庭医療センター,森 町家庭医療クリニックの

2

カ所の公立診療所が開設 した.さらに,平成

26

年に御前崎市(人口

3.3

万 人)が加入したことで,同協議会は

3

1

町によっ て構成されるようになり,平成

29

年には新たに御 前崎市家庭医療センター・しろわクリニックが開設 した.平成

29

10

月現在,単独型の機能強化型在 支診は静岡県全体でも

4

カ所のみであり,その中で 菊川市家庭医療センターは中東遠二次医療圏におけ る唯一の施設である.森町家庭医療クリニックは機 能強化型(連携型)在支診であり,御前崎市家庭医 療センター・しろわクリニックは平成

30

年度より 在支診となる準備を進めている.

 家庭医養成事業は,当初,3年間の「静岡家庭 医養成プログラム」として,日本プライマリ・ケア 連合学会家庭医療後期研修プログラム 7)として開始 し,後に,そのバージョン

2.0

として

4

年間のプロ グラムを運営している 8).研修プログラムの運営に は浜松医科大学地域家庭医療学講座,同産婦人科家 庭医療学講座,米国ミシガン大学家庭医療学講座が 携わっている.平成

29

年度研修開始者まではプロ

グラム修了後に日本プライマリ・ケア連合学会家庭 医療専門医を取得する予定である 7).平成

30

年度 には,浜松医科大学医学部附属病院総合診療研修プ ログラムとして日本専門医機構の総合診療専門医プ ログラムへ合流する.

 以下,平成

22

年よりこれらの在支診において家 庭医・総合診療医養成に取り組み始めた中で,総合 診療後期研修中や修了後の若手医師らを中心とした 訪問診療研修・多職種連携活動により,地域の在宅 診療の重要な拠点として発達し,患者・家族にとっ て満足度の高い在宅療養・看取りの実践につながっ た.以下に,詳細を提示する.

3.事例の詳細 1)診療所の体制

 菊川市家庭医療センターは,総合診療指導医,老 年医学フェロー,総合診療(家庭医療)専攻医

3

年 目を中心に,訪問医療を担当する常勤医師が

3

名以 上在籍しており,その他週

1,2

日診療する専攻医・

スタッフ医師がいる.24時間体制をとることがで きる背景には,卒後

3〜10

年目程度の若手医師が診 療活動の中心となっていることがある.紹介患者お よび希望患者は断らずに引き受けるが,特に予測さ れる予後の短い患者を優先して受け入れることと し,エリアはおおむね診療所から

10km

圏内,車で

30

分以内の場所としている.診療所には,市の地 域包括支援センターのブランチが併設されており,

密な連絡がとれるようになっている.

 森町家庭医療クリニックは,総合診療指導医以外 に,同様に専攻医がいるが,常勤医師

3

名体制は 確保できておらず,機能強化型(連携型)在支診と なっている.クリニックに隣接する公立森町病院は 在宅療養支援病院であり,クリニック開設以前から 訪問診療を中心的に担ってきた経緯があり,連携施 設となっている.町内には他に在支診はなく,病院 とクリニックが分担して町内および近隣市町の訪問 診療を担っている.クリニック

2

階部分には訪問看 護ステーションを併設しており,連携がとりやすい 体制となっている.

2)総合診療研修の中での在宅訪問診療の位置づけ  専攻医は訪問診療研修をそれぞれの所属診療所

(菊川市家庭医療センター,森町家庭医療クリニッ ク)にて行う.総合診療研修プログラムの中で,1,

2

年目(卒後

3,4

年目相当)から週

1

日の診療の中 で少しずつ経験を積み,3年目以降(卒後

5

年目以 降)は診療所常勤医師として訪問診療を担う.総合 診療研修の過程には,総合的な病棟研修が含まれて

おり,専攻医や修了生は麻薬系鎮痛剤や鎮静薬を用 いた終末期の全身管理および意思決定に関するコ ミュニケーションの経験を既に得ているため,在宅 患者を受け持つ際も上級医の支援のもと症状管理や 意思決定支援を行うことができるようになる.

 当プログラムにおける在宅訪問診療の研修目標 は,「患者・家族の希望に寄り添い,安心を支える 在宅ケア・在宅ホスピスが実践できる」である.3 年の研修期間(H29年開始者からは研修期間は

4

年 に変更)を通して,がん患者,非がん患者含め,外 来通院からの移行や紹介患者など多様な患者の受け 持ちを経験し,原則として上級医の指導のもとチー ムで担当する.

3)学びの方法として診療経験の振り返り(事例検 討)と老年医学フェローシップ

 専攻医の学びの方法について述べる.専攻医は,

患者の受け持ちを始めたときは上級医が訪問診療に 同行し,次第に一人で看護師と一緒に訪問をする.

一連の流れとして,事前面談や退院時カンファレン スへの参加,初回訪問を通して本人・家族の状況把 握とその価値観・希望をふまえた方針決定を行い,

疼痛等苦痛の緩和のための薬剤調整,訪問看護や介 護サービス・リハビリなどの多職種ケアの導入,調 整を行う.随時,多職種との情報共有やミーティン グを開催しつつ,スピリチュアルペインへのケア,

家族のケア,看取りの準備教育を行い,状況に応じ て,自宅や入院,施設での看取りとなる.看取り後 は,家族へのグリーフケアをしつつ,多職種での振

り返り,自身の学びについての省察を行う.これら を適宜上級医,指導医,看護師らスタッフと話し合 いつつチームで進めていく(図1).次第に受け持ち 患者数を増やし,経験を蓄積する.静岡家庭医養成 プログラムでは月に

2

回,全体での学習会を持って おり,その際に,専攻医は振り返り発表として,経 験事例をもとに詳細な文献検討と自己省察を行う.

 また,専門研修修了後,さらに老年医学,緩和ケ ア,在宅医療の学びを深化させるため

1

年間のフェ ローシップを行うことができ,これまでに

2

名が フェロー研修を修了した.学習ニーズに合わせて,

老年病専門医の外来やリハビリテーション病院,在 宅専門クリニックでの研修を行いつつ,ホームとな る家庭医療クリニックで実践経験を積む.

4)在宅診療多職種カンファレンスと情報共有シス テム

 地域包括ケアシステムの一環として顔の見える関 係作りを行うため,月に一度,地域で在宅診療に携 わる多職種が集まるカンファレンスをクリニックの 会議室を開放して開催しており,複数の事業所(訪 問看護ステーションなど)から約

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名の定期参加が ある.開催を始めた当初は,医師によるレクチャー が中心であったが,次第に訪問看護師,薬剤師,ケ アマネジャーら多職種からの情報共有,意見交換の 場となっている.異なる事業所のスタッフが会する このような「場」がこれまで地域になく,特に多職 種は医師との連携の困難さを感じていたが,このよ うに「何でも話しやすい医師」との関係は地域包括

1 総合診療医による在宅訪問診療導入から看取り後の流れ