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10≦LIV≦30    5+1/2(LIV)度

LIV>30      20度

ここで、Lは船の長さ(m)、Vは船の速さ(m/s)

第2オーバーシュート角が、

第1オーバーシュート角の値より15度以上超えてはならない。

(イ) 20度/20度Z試験で、

 第1オーバーシュート角が25度を超えない事

験の第1オーバーシュート角については、10度/10度Z試験の第2オーバーシュート角ととも に見直しが進められていることから、議論しないこととした。本項では、このZ試験によるオ ーバーシュート角と操船者の船舶操縦性能評価の関係について、検討を行う。

 図5。29に10度/10度Z試験の第1オーバーシュート角と操船者の船舶操縦性能評価の関係を 示す。横軸は10度/10度Z試験の第1オーバーシュート角、縦軸は操船者の船舶操縦性能評価 を示し、各印は船種の違いを示す。操船者の船舶操縦性能評価値は各船舶で異なるが、オーバ ーシュート角は、各船舶ともに15度付近に分布しており、操船者の船舶操縦性能評価値と相 関が低いことが分かる。図5.30に示すとおり、10度/10度Z試験の第2オーバーシュート角と 操船者の船舶操縦性能評価の関係も同様である。

 これまでに、操船者の船舶操縦性能評価は、T /K ・Lと相関が高いことが把握されている。

T /K ・Lは、丁及びLの影響が強く、操舵による回頭力が発達するまでの時問、操舵に対する 応答遅れを示すものである。一方、Z試験から得られるオーバーシュート角は、K の影響が強 く、操舵により発生する回頭力が大きい船ほど、小さくなり、舵角に対するゲインを示すもの である。よって、先に示した2つの図は、評価対象が異なるものである。

 冒頭で述べたように、操船環境の安全性を決定付けるのは操船者である。よって、船舶操縦 性能基準には、操船者の特性を反映したものを策定すべきである。本章の研究により、操船者 は、舵角に対するゲインよりも、操舵に対する応答遅れより船舶操縦性能を評価していること が分かった。このことより、操縦性基準を策定するためには、操船者特性を考慮し、応答遅れ の項目について検討することが望ましい。

5.5まとめ

  本章では、操船者の船舶操縦性能評価について検討を行った。ここで、得られた知見を以下に  整理する。

①操船者の船舶操縦性能評価は、操船に用いた舵角の時間積分(以下、操舵量と略する)と高  い相関関係がある。

②操船者の操船結果の操舵量と操船者制御シミュレーションの操舵量は比例関係にある。

③船舶操縦性能を変化させて操船者制御シミュレーションを実行することにより、操船者の船  舶操縦性能評価を推定することが可能である。

④無外乱下の操船者の操舵量は、船舶操縦性能を示すT /K ・Lにより推定することが可能で  ある。

⑤無外乱下の操船者の船舶操縦性能評価は、船舶操縦性能を示すT ノK}・Lにより推定するこ  とが可能である。

⑥外乱下の操船者の操舵量は、船舶操縦性能を示すP瀞・五イ1+ωにより推定すること  が可能である。

⑦外乱下の操船者の船舶操縦性能評価は、船舶操縦性能を示すP刀P・五イ1+αノにより推  定することが可能である。

⑧操船者は、舵角に対するゲインよりも、操舵に対する応答遅れより船舶操縦性能を評価して  いる。

⑨操縦性基準を策定するためには、操船者特性を考慮し、応答遅れの項目について検討するこ

とが望ましい。

6.各章のまとめ

 本論文では、船、環境、操船者の3者を統合した操船システムの評価、開発及び指針の基礎と なる操船者制御モデル開発に重点をおいて研究を行った。以下に本論文の研究成果を各章ごとに 整理する。

 第2章では、操船シミュレータの機能が操船者に与える影響について検討を行った。検討結果 より、操船シミュレータを用いた実験で考慮すべき項目が明らかになった。その結果として、以 下のことが把握された。

①操船者へ妥当な距離情報を与えるために、視界映像を投影するスクリーンと操船者の距離は  5m−7mが望ましい。

②操船者へ妥当な映像物標に対する視認性を与えるために、AOI、シェーディング、テクスチ  ャー技術を取り入れることが望ましい。

③操船者へ妥当な速度情報を与えるために、視界映像の海面波にテクチャーを用いることが望  ましい。

 第3章では、はじめに、航路追従操船における船舶操縦性能の影響を検討した。検討内容とし て、船種、風向風速及び航路の屈曲角の変化に対する船舶操縦性能を最大限に発揮する自動制御 に最適制御則を用いた数値シミュレーション(以下、最適制御シミュレーションと略する)の示 す横偏位量の変化について議論した。横偏位量は、航路及び港湾計画の航路幅等の設計するため に基本となる。つづけて、最適制御シミュレーションの示す横偏位量と操船者の示す横偏位量の 比較検討を行った。その結果として、以下のことが把握された。

①変針及び保針時における最適操舵は船首方位偏角、横偏位量、回頭角速度の関係により表  現され、最適制御シミュレーションは船舶操縦性能を最大限に発揮した操船結果を示す・

②最適制御シミュレーションの示す平均横偏位量と操船者の示す平均横偏位量は、比例関係  にあり、最適制御シミュレーションの示す平均横偏位量から操船者の平均横偏位量の推定  が可能である。

③操船者の示す平均横偏位量と最大横偏位量は、比例関係にある。

④最適制御シミュレーションの示す平均横偏位量と操船者の示す最大横偏位量は、比例関係  にあり、最適制御シミュレーションの示す平均横偏位量から操船者の最大横偏位量の推定  が可能である。

 第4章では、第3章で述べた最適制御シミュレーションが減速を含まない限定された操船範囲 での横偏位量の推定であることから、航路及び港湾計画の対象となる操船範囲で活用できる操船 者制御モデルの開発について述べた。この操船者制御モデルは、航路航行時における操船者の操 船方法および時々刻々変化する操船状態を表現できることが確認された。その結果として、以下 のことが把握された。

①操船者の舵制御モデルとして、変針及び保針時の舵角は、船首方位偏角、横偏位量、回頭角

 速度の関係により決定される。

②操船者の舵制御モデルの舵制御定数は、並行移動操船実験結果から精度良く推定することが  出来る。

③操船者の舵制御モデルの舵制御定数は、T 、K 、Lを用いて正規化することが出来る。

④操船者の機関制御モデルは、プロペラ正転による減速、ブースティングによる保針、プロペ  ラ逆転による減速の要素に分けられる。

⑤操船者のプロペラ正転による減速の機関制御モデルとして、プロペラ回転数は、残航程と速  力の関係により決定される。

⑥操船者のブースティングによる保針の機関制御モデルとして、ブースティング開始時期及び  プロペラ回転数は、船首方位偏角、横偏位量、回頭角速度との関係により決定される。

⑦操船者のプロペラ逆転による減速は、船体位置制御を考慮した減速区間と船体停止のみの減  速区間に分けられる。

⑧操船者のプロペラ逆転を用いた船体位置制御を考慮した減速区間において、プロペラ逆転開  始時期とプロペラ回転数は、残航程と速力の関係により決定される。

⑨操船者のプロペラ逆転を用いた船体停止のみの減速区間において、そのタイミングは残航程  により決定され、プロペラ回転数は残航程と速力の関係により決定される。

 第5章では、操船者による船舶操縦性能の評価について検討した。検討内容として、無外乱下 における船舶操縦性能の評価と風圧影響下の船舶操縦陛能評価について検討を行った。また、第 4章で開発された操船者制御モデルを用いた数値シミュレーション(以下、操船者制御シミュレ ーションと略する)での船舶操縦性能評価の検討を行った。その結果として、以下のことが把握

された。

①操船者の船舶操縦性能評価は、操船に用いた舵角の時問積分(以下、操舵量と略する)と  高い相関関係がある。

②操船者の操船結果の操舵量と操船者制御シミュレーションの操舵量は比例関係にある。

③船舶操縦性能を変化させて操船者制御シミュレーションを実行することにより、操船者の  船舶操縦性能評価を推定することが可能である。

④無外乱下の操船者の操舵量は、船舶操縦性能を示すT7K ・Lにより推定することが可能で  ある。

⑤無外乱下の操船者の船舶操縦性能評価は、船舶操縦性能を示すT /K ・Lにより推定するこ   とが可能である。

⑥外乱下の操船者の操舵量は、船舶操縦性能を示すP刀P・五・σ+αノにより推定するこ   とが可能である。

⑦外乱下の操船者の船舶操縦性能評価は、船舶操縦性能を示すT 卿・五イ1+αノにより  推定することが可能である。

⑧操船者は、舵角に対するゲインよりも、操舵に対する応答遅れより船舶操縦性能を評価し

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