1979年の家計の資産、所得、支出の評価額は 概ね、1984年データの作成手順に準じて推計さ れている(詳細は「経済分析」116 号ならびに 本号分析1第3章を参照)。ここでは、1984年 データと作成方法において異なる点について記 す。作成方法の相違は主として『全消』の調査 事項が1979年と1984年で若干異なったこと、
および制度変更によるものである。
3.1 資産保有額の評価
3.1.1 住宅資産
1984年データと同様な方法で推計した。
3.1.2 土地資産
1984年データの推計方法と同様にして、容積 率関数にもとづいて敷地面積を推計し、これに 公示地価を乗じて土地資産額を推計した。ただ し、利用した容積率関数は1984年データの推計 で用いた関数と同一であるので、説明変数のう ち世帯の年収変敷については 1979 年の年収を インフレート(1.26倍)して容積率を推計した。
また、1960年以前の建築時期と記された住宅に ついては建築時期を1960年として処理した。
3.1.3 賃貸用実物資産
1984年データと同様に、家賃・地代に賃貸用 住宅資産の年間収益率の逆数を乗じて推計した。
年間収益率は「住宅統計調査」(1983年)にも とづいている。
3.1.4 耐久消費財のストック
1984年データと同様な方法で推計した。ただ し、1979年調査においては調査品目数は60品 目であり、1984年調査の50品目と異なる。
3.1.5 金融資産・負債
「全消」記載データ。
3.1.6 生涯賃金
1984年データと同様な方法で推計した。
3.1.7 生涯事業所得等
1984年データと同様な方法で推計した。
3.1.8 退職金
1984年データと同様な方法で推計した。すな わち、月次賃金を世帯属性と年齢に回帰した賃 金関数にもとづいて退職時点の賃金所得を推計 し、これに退職金の月収換算率を乗じて算出し た。ただし、月収換算率については 1980 年の
「退職金制度・支給実態調査報告」の値を用い た。
3.1.9 公的年金資産
(イ) 世帯主の現在年齢が 60(ないし 55)
歳未満の世帯
厚生年金保険および国民年金対象世帯につい ては世帯主の 1979(昭和54)年現在の年齢が 60歳未満の世帯、共済組合年金対象世帯につい ては世帯主の現在年齢が 55 歳未満の世帯につ いて推計した。
なお、配偶者を厚生年金保険の対象者とする 場合は現在年齢が55歳未満の者とし、共済組合 年金および国民年金の対象者とする場合には世 帯主と同様に取扱った。具体的計算方法は次に 掲げる点を除き1984年と同様の取扱いとした。
イ)厚生年金保険の保険料負担 表3.1.9.1のとおり。
ロ)厚生年金保険の保険料率等 表3.1.9.2のとおり。
ハ)厚生年金保険における年金給付の現在価 値の計算
老齢年金の給付月額=(1,650円+平均標準
表3.1.9.1 厚生年金保険の保険料負担
現在年齢 保険料の拠出期間 拠出年齢 59歳 昭和23年〜昭和49年 27年 58歳 昭和24年〜昭和50年 27年 57歳 昭和24年〜昭和51年 28年 56歳 昭和25年〜昭和52年 28年 55歳 昭和25年〜昭和53年 29年 54歳 昭和26年〜昭和54年 29年 53歳 昭和26年〜昭和55年 30年 52歳 昭和27年〜昭和56年 30年 51歳 昭和27年〜昭和57年 31年 50歳 昭和28年〜昭和58年 31年 49歳 昭和28年〜昭和59年 32年 48歳 昭和29年〜昭和60年 32年 47歳 昭和29年〜昭和61年 33年 46歳 昭和30年〜昭和62年 33年 45歳 昭和30年〜昭和63年 34年 44歳 昭和31年〜昭和64年 34年 43歳 昭和31年〜昭和65年 35年
21歳 昭和53年〜昭和87年 35年 20歳 昭和54年〜昭和88年 35年
(注)現在年齢(昭和54年現在)が20歳未満の 場合は20歳とみなした。
報酬月額×0.01)×拠出年数×1.207、である。
標準報酬月額の再評価率は表 1.3.9.6 に従 った。なお、世帯主の平均余命は 78 歳,世帯 主の配偶者の平均余命は 82 歳とし、年金給付 は賃金にスライドするとみなした(以下同様)。 また加給・加算は配偶者加給分6,000円(月額)、
寡婦加算 4,000 円(月額),とした。さらに遺
族年金の給付月額は老齢年金の半額,とした。
ニ)共済組合年金の拠出期間および掛金率等 表3.1.9.3のとおり。
ホ)共済組合年金における年金給付の現在価 値の計算
退職年金の給付月額は、退職直前(54歳)の 本棒相当額の 62.5%とした。また一律 35 年加 入(20〜54歳)を仮定した。なお、共済組合年 金の退職年金の給付最低保障額は 633,972 円
(年額)とした。また,遺族年金額は退職年金 の半額とした。なお,共済組合年金の遺族年金 の給付最低保障額は561,972円(年額)とした。
ヘ)国民年金の保険料負担 表3.1.9.4のとおり。
ト)国民年金の保険料
表3.1.9.5のとおり。
チ)国民年金における年金給付の現在価値の 計算
60歳から一律に25年年金(年額470,700円)
を繰り上げ受給(支給率58%)すると仮定した。
給付月額=22,750円。
表3.1.9.2 厚 生 年 金 保 険
期 間 保険料率 期 間 保険料率
昭和23年〜昭和34年 3.0% 昭和56年〜昭和64年 10.6%
昭和35年〜昭和39年 3.5% 昭和65年〜昭和69年 12.1%
昭和40年〜昭和44年 5.5% 昭和70年〜昭和74年 13.6%
昭和45年〜昭和46年 6.2% 昭和75年〜昭和79年 15.1%
昭和47年〜昭和48年 6.4% 昭和80年〜昭和84年 16.6%
昭和49年〜昭和50年 7.6% 昭和85年〜昭和88年 18.1%
昭和51年〜昭和55年 9.1%
期 間 賃貸月額の上下限 昭和23年 300〜 8,100円 昭和24年〜昭和27年 2,000〜 8,000円 昭和28年 3,000〜 8,000円 昭和29年〜昭和34年 3,000〜 18,000円 昭和35年〜昭和39年 3,000〜 36,000円 昭和40年〜昭和44年 7,000〜 60,000円 昭和45年〜昭和46年 10,000〜100,000円 昭和47年〜昭和48年 10,000〜134,000円 昭和49年〜昭和50年 20,000〜200,000円 昭和51年〜 30,000〜320,000円
表3.1.9.3 共 済 組 合 年 金
現在年齢 掛金の拠出期間 拠出年数
54歳 昭和20年〜昭和54年 35年
53歳 昭和21年〜昭和55年 35年
21歳 昭和53年〜昭和87年 35年
20歳 昭和54年〜昭和88年 35年
(注)現在年齢(昭和54年現在)が20歳未満の場合は20歳とみなした。
期 間 掛 金 率 期 間 掛 金 率
昭和20年〜昭和33年 4.0% 昭和60年〜昭和64年 14.3%
昭和34年〜昭和49年 8.8% 昭和65年〜昭和69年 16.8%
昭和50年〜昭和54年 9.3% 昭和70年〜昭和74年 19.8%
昭和55年〜昭和59年 12.3% 昭和75年〜昭和88年 23.3%
期 間 本俸月額の上限 期 間 本俸月額の上限
昭和34年 75,000円 昭和50年 310,000円
昭和35年〜昭和43年 75,000円 昭和51年 340,000円
昭和44年〜昭和45年 150,000円 昭和52年 360,000円 昭和46年〜昭和47年 185,000円 昭和53年 380,000円
昭和48年 220,000円 昭和54年〜昭和88年 390,000円
昭和49年 245,000円
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表3.1.9.4 国民年金の保険料負担
現在年齢 保険料の拠出期間 拠出年数 59歳 昭和36年〜昭和54年 19年 58歳 昭和36年〜昭和55年 20年 57歳 昭和36年〜昭和56年 21年 56歳 昭和36年〜昭和57年 22年 55歳 昭和36年〜昭和58年 23年 54歳 昭和36年〜昭和59年 24年 53歳 昭和36年〜昭和60年 25年 52歳 昭和36年〜昭和60年 25年 51歳 昭和36年〜昭和60年 25年
39歳 昭和36年〜昭和60年 25年 38歳 昭和36年〜昭和60年 25年 37歳 昭和37年〜昭和61年 25年 36歳 昭和38年〜昭和62年 25年
21歳 昭和53年〜昭和77年 25年 20歳 昭和54年〜昭和78年 25年
(注)現在年齢(昭和54年現在)が20歳未満の 場合は20歳とみなした。
表3.1.9.5 国 民 年 金
期 間 保険料(月額)
昭和36年〜昭和40年 100円 昭和41年〜昭和42年 200円 昭和43年〜昭和44年 250円 昭和45年〜昭和46年 450円
昭和47年 550円
昭和48年 900円
昭和49年〜昭和50年 1,100円 昭和52年 2,200円 昭和53年 2,730円 昭和54年 3,300円 昭和55年 3,742円
昭和56年 4,104円
昭和57年 4,466円 昭和58年 4,707円 昭和59年 4,949円 昭和60年〜昭和64年 5,190円 昭和65年〜昭和69年 6,397円 昭和70年〜昭和74年 7,604円 昭和75年〜昭和78年 8,630円
(ロ) 世帯主の現在年齢が 60(ないし 55)
歳以上の世帯
世帯主の昭和54年現在の年齢が60歳以上、
または世帯主が共済組合年金の対象世帯で、か つ世帯主の現在年齢が 55 歳以上の世帯を推計 対象とした。なお、後者の場合、世帯主の現在 年齢が60歳未満の者の予想退職年齢は60歳と みなした。また、世帯主が被用者年金対象者で、
かつ、現在年齢が55歳以上60歳未満で被用者 年金に加入している配偶者の予想退職年齢も世 帯主と同様に60歳とみなした。
具体的な計算方法は次のとおりである。まず 年金・恩給を受給していない世帯から説明しよ う。
イ)世帯主の分
(a)世帯主の現在年齢が64歳以下の場合 勤め先収入が月額114,000円(いわゆる低在 老の支給停止要件)以上ある世帯主の場合には 1984年と同様に平均値相当額(年額)1,442,000 円(百円位,四捨五入)を受給すると仮定した。
ただし,支給開始年齢は世帯主の現在年齢が59 歳以下の場合は60歳,世帯主の現在年齢が60 歳〜64 歳の場合は 65 歳とし、平均余命は 78 歳とした(以下同様)。なお、厚生年金保険にお ける新規裁定者(男子)の給付額の平均値は 1,081,680円(年額)である。
次に勤め先収入月額が45,000円以上114,000 未満の世帯主の場合には、世帯主本人分52,500 円(月額,15年特例適用)を65歳から受給する
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表3.1.9.6
保険料現在価値算出のための賃金再評価率 昭和(年) 厚生年金 共済組合年金
53 1.06 1.04 52 1.15 1.08 51 1.15 1.15 50 1.39 1.23 49 1.63 1.36 48 1.93 1.77 47 2.23 2.04 46 2.39 2.26 45 2.56 2.53 44 2.96 2.84 43 3.36 3.14 42 3.80 3.39 41 3.90 3.65 40 4.25 3.91 39 4.86 4.19 38 5.28 4.54 37 5.75 4.88 36 6.37 5.34 35 6.89 5.73 34 8.33 6.44 33 8.44 32年以前
と仮定した。この給付月額の算出は(1650円×
20+70,000円×0.01×15×1.207)のとおりで ある。なお配偶者加給:6,000円(月額),寡婦 加算:4,000円(月額)とした。
さらに、勤め先収入が 45,000 円未満である か、または「ゼロ」の世帯主の場合,国民年金 を受給すると仮定した。ただし、支給年額は,
60歳支給開始の場合273,000円(年額、繰り上 げ支給率58%),65歳支給開始の場合470,700 円(年額),とした。
(b)世帯主の現在年齢が65歳〜77歳の場
合
無年金とみなした。
(c)世帯主の現在年齢が78歳以上の場合 年金資産ゼロとみなした。
ロ)配偶者の場合
(a)配偶者の現在年齢が64歳以下の場合 平均余命(82歳)まで、国民年金を受給 すると仮定した。なお,支給開始の年齢区 分は世帯主に準じて取り扱った。
(b)配偶者の現在年齢が 65 歳〜81 歳の 場合
無年金とみなした。
(c)配偶者の現在年齢が82歳以上の場合 年金資産ゼロとした。
つぎに世帯主の現在年齢が60歳以上で年金、
恩給を受給している世帯の場合には,世帯主、
配偶者、およびその他世帯員のうち世帯主の父 母・祖父母を受給対象者とみなし、1984年のそ の他世帯員の場合に準じて算出した。なお遺族 年金については、被用者年金の適用を受けてい るかどうかを判定する必要がある。そこで世帯 主の年金年額が 50 万円以上ある場合、被用者 年金の受給対象者とみなした。また、年金・恩 給を受給していない世帯の配偶者は国民年金な いし無年金と仮定した。また、年金・恩給を受 給している世帯については、配偶者が被用者年 金の受給対象者か否かの判別が不可能である。
従って、世帯の年金・恩給がある世帯について は遺族年金の推計対象外とし、配偶者は国民年 金または無年金とみなして遺族年金を推計した。
遺族年金の受給額は世帯主の期待年金年額の 1/2とした。
3.1.10 生涯支払税額および生涯支払保険 料
1984年データと同様な方法で推計した。
3.2 可処分所得および消費支出の評価 3.2.1 年間収入
(イ)利子・配当・株式のキャピタルゲイン