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18th International Symposium on the Biology of Actinomycetes (ISBA) 見聞録

ドキュメント内 表紙(会員用) (ページ 82-89)

去る2017年5月23日から27日にかけて18th International Symposium on the Biology of Actinomycetes

(ISBA) が韓国済州島にあるICCで開催された。今回はアメリカ、中国、イギリスを含む33カ国から

600 近くの参加者が集まった。日本からは約 70 人が参加した。オープニングセレモニーのあと、ま ず、ノーベル賞受賞者である大村智博士による特別講演が行われた。それに続く最初のプレナリーレ クチャーはハーバード大学教授Roberto Kolter氏が勤め、微生物間相互作用に関する最新の研究を紹 介した。2日目以降、合計13のセッション、5のワークショプ、7つのプレナリーレクチャーが行わ

れた。2日目のGenetics and Cell BiologyのセッションではGFPなどの蛍光ラベリングを駆使し、染

色体の局在や FtsZ リングの形成に関わる因子の機能解析などの発表が行われ、放線菌に独特の細胞 生物学に関して多くを学ぶことができた。3日目にはDavid Sherman博士による講演が行われ、電子 顕微鏡を駆使したポリケタイド合成酵素の構造変化のダイナミクスに関する発表が行われた。最終日 のプレナリーレクチャーはGiles van Wezel氏が務め、電子顕微鏡を駆使して放線菌の細胞内の構造の 解析に関する素晴らし発表を行った。いずれも電子顕微鏡を利用した新規発見であり、高解像度の電 子顕微鏡の利用は今後、放線菌研究の発展にも大きく寄与することを感じさせた。ポスターセション は2回に分かれており、合計301の発表があった。そのうち、約130演題が生合成に関連するもので あり、放線菌における生合成研究の重要さが伺える。また、植物放線菌相互作用や微生物間の相互作 用に関わる演題も増加傾向にあり、今後これらの分野の発展が期待される。最終日にはポスター賞の 発表があり、合計12名がポスター賞を受賞した。日本の参加者からは東京大学、河内護之氏の「Soil Cultivation System for Physiological Analysis of Streptomyces griseus」と産業技術総合研究所、菅野学氏 の「Plant-Associated Streptomyces Consume Atmospheric H2 Usin a High-Affinity Hydrogenase」、東邦大学、

飯坂洋平氏の「Effective Production of New Rosamicin Derivatives by Engineered Micromonospora rosaria Mutants with Disruption of a Cytochrome P450 Generated Introduction of the D-mycinose Biosynthetic Genes」

が受賞した。最後に次回のISBAの開催地がトロントであることが告知され、本大会は閉会した。

(東京大学大学院農学生命科学研究科 勝山 陽平)

大村智先生の特別講演

ポスター発表の様子

ポスター賞授賞

9th US-Japan Seminar on Natural Product Biosynthesis 見聞録

五年に一度、日米の天然物の生合成研究者が一堂に集まって研究発表を行う 9th US-Japan Seminar on Natural Product Biosynthesisが5月30日から6月4日まで米国カリフォルニア州のレークアローヘ ッドで行われました。今回は日米合わせて49名の参加者で皆さんそれぞれ30分の発表を6日間にわ たって行うという、きわめて内容の濃いセミナーでした。SAJ からは東大の阿部郁郎氏、西山真氏、

葛山智久氏、勝山陽平氏、北大の大利徹氏、筑波大学の小林達彦氏、福井県大の濱野吉十氏、広島大 学の荒川賢治氏、理研の長田裕之氏、そして私とたくさんの方が参加しました。これだけ生合成研究 者ばかりが一堂に集まっての発表を聴くと、生合成研究の現代の潮流が理解できてとても興味深いセ ミナーでした。

生合成研究は以前より深く、細かい結果が求められていると感じました。分析機器の進歩などを巧 みに組み込んで研究を進めて行くことが求められているようです。たとえば結晶構造なら単なるスナ ップショットではなく各反応段階ごとに解析したり、クライオEMなども駆使して、よりダイナミッ クに酵素反応をとらえる感じに進んでいます。また、ポスト生合成研究も重要性を増しており、得ら れた生合成反応から新しい化合物の創製やバイオインフォを用いてより簡単により正確に天然物を 探索する手法なども今後の天然物生合成研究の流れなのではないかと感じました。

標高1マイルのアローヘッド湖のほとりに建っている UCLA のカンファレンスセンターが会場で したが、その会場が素晴らしく、まるで軽井沢の別荘のような感じ(行ったことないけど)でした。

皆さんで同じところに泊まって文字通り寝食を共にして勉強しましたので、さしずめ合宿のような感 じでしょうか。

8時から朝食、9時から12時まで午前のセッション、12時からランチ、13時から18時までフリー タイム、18時から20時まで夕食、20時から23時まで夜のセッションとなっており、お昼がフリー なので、皆さんテニスをしたり散歩したり、部屋で仕事したりして過ごしていました。食事もレスト ランでみんなで丸テーブルに座って食べているので、本当に合宿のようです。

次回は5年後に日本でということになっています。

(東京大学大学院農学生命科学研究科 尾仲 宏康)

参加者の集合写真(上)

セミナー会場(上)

セミナー参加者そろっての夕食風景(右 上)

会場となったUCLAレークアローヘッ ドカンファレンスセンター(右)

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日本放線菌学会誌 第 31 巻 1 号

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2017VOL. 31 NO. 1ACTINOMYCETOLOGICA

VOL. 27 NO. 1

1990年12月18日 第4種郵便物認可 ISSN 0914-5818

Published by

The Society for Actinomycetes Japan

日本放線菌学会誌 第31巻1号

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