モ ジ ュ ー ル 回 収 搬 10tonディーゼルトラック燃費 3.5km/l 積載効率50%、400km搬送
原料採掘・搬送 -0.11 ton/ton *2 参照
原料反応熱減少 -0.051 ton/ton 0.712GJ/ガラス原料 1.21ton、
ガラス化率 82.5%
原料分解放出減少 -0.186 ton/ton CO
2放出原料:ソーダ灰、苦灰石 合 計 -0.265 ton/ton
*1:モジュールから回収したガラス1tonあたりのエネルギー使用量の増減
*2:「LCA実務入門」3.ガラスビンのLCIケーススタディ、3.4.1原料製造工程、表 CO
2排出増減
*10.068 ton/ton
2.3.4 太陽光発電システム適正処理のための社会システムの研究
将来の大量の太陽光発電システム導入に備え、太陽光発電システム全体のリサイクルおよびリユー ス等の実現に向けた課題を抽出するとともにその対策を検討し、さらに必要な社会システムに関する ガイドライン案を作成することを目標とした。
(1) リサイクル・リユースの課題とその対応
PV モジュールは建物(住宅)を解体・撤去する際に廃棄されると考えられる。そのため、建物 に設置された PV システムは、図 2.3.4-1 に示すようなリサイクル・リユースルートになると思わ れる。
課題として以下が挙げられる点は,下記の通りである。
① 解体業者による住宅用PVシステムからのPVモジュールの低コスト回収
② 廃棄量が少ない場合における既存リサイクル業者によるPVモジュールのリサイクル処理
③ 中古PVモジュールに適したリユース先
①については、専門家(有識者、PV 施工業者、解体業者)を交えて実際に PV システムを設置 した建物からの PV モジュールを撤去し、回収する実験を行った結果、解体業者だけで PV モ ジュールの回収は可能であった。また、解体業者による住宅用太陽光発電システムの撤去コストは
10~15 万円程度で、これは住宅用太陽光発電システムの設置コスト(概 30 万円/4kW システム、
NEF:2005年設置工事データ7.4万円/kWより)の1/2~1/3となる。
リサイクル業者 処 理 回収材料
家 電 手作業にて、①Al枠、②カバーガラス/Siセル/バック
フィルム、③端子ボックス+配線材に分解。 Al
自動車
加熱処理(加熱炉導入)にて②に対しカバーガラス、
Siセル、バックフィルムに分解。バックフィルムと③ は既存プロセスで処理。
ガラス
表2.3.4-1 既存業者による結晶Si太陽電池モジュールのリサイクル処理流れ
図2.3.4-1 PVシステムのリサイクル・リユースルート
建物解体 と 同時にPVシステム 撤去
建設廃材 と一緒に 廃 棄
PVモジュー ル
PVシステム 分別解 体
*リ ユ ース
*既存産 廃処理(埋 立)
* 既存 処理( 既存 工場)
廃棄量が少ない場合の既存 業者によるリサイクル処理
*P Vモジ ュ ール 用リサ イク ル 処理( 新工 場)
PVモジュール用に開発さ れた リサイクル技術によ る処理
②については、既存リサイクル業者(家電、自動車、非鉄製錬)で、結晶Si太陽電池モジュール を分解し、アルミ(Al)、ガラス、銀(Ag)を回収することは可能であることがわかった(表
2.3.4-1)。ただし、加熱炉は導入する必要があり、Si は廃棄することになる。また、Si セルは非
鉄製錬業者の持つ処理プロセスでAgを回収することができ、Agの有価価値と処理プロセス費用か ら、Siセルは本業者に有価で引き渡すことが十分可能であることがわかった。
③については、中古 PV モジュールが、現行で主要な用途先である住宅用 PV システムに再使用 可能であるかを検討した。現在、ある PV システム施工・販売会社が中古 PV モジュールを用いた 中古 PV システムを数的には少ないが販売している。中古 PV システムの販売価格は、新品の約半 額であり、これで商売が成立している。これを基に、中古 PV システムの価格は新品 PV システム の半分で販売すると仮定すると、表2.3.4-2のようになり2010年以降中古住宅PVシステムを実現 するには、*BOS コスト低減、*PV 用パワコンの低コスト化、長寿命化、*簡易設置工法、*モ ジュール回収費用の削減が必要であることがわかった。
(2) ガイドライン(案)
PV モジュールのリサイクル・リユースシステムを実現するために必要となる事項(ガイドライ ン)についてまとめた。
1) PVモジュール設計ガイドライン
PVモジュールの設計段階からリサイクルし易いモジュール構造にする。モジュール製造メーカ が対応する要件である。
①環境負荷物質を使用しないモジュール
②Al枠を分解しやすいモジュール
③太陽電池セルを分離しやすいモジュール
④モジュールのサイズの規格化 2) 撤去及び回収ガイドライン
PVシステムからPVモジュールの撤去、回収を確実に低コストで行う。モジュール製造メーカ、
PV施工・販売業者が対応する要件である。
①簡易設置
表2.3.4-2 2010年、2020年での中古PVモジュールに要求される価格
60 120 合計
24 24 設置 工事
12 12 他機 器
16 16 パワ コン
8 68 モジュー ル 2010年
20 20 設置 工事
46 92 合計
8 8 他機 器
12 12 パワ コン
6 52 モジュー ル 2020年
中古価 格
*1新品価 格
*14 kW シ ステム
60 120 合計
24 24 設置 工事
12 12 他機 器
16 16 パワ コン
8 68 モジュー ル 2010年
20 20 設置 工事
46 92 合計
8 8 他機 器
12 12 パワ コン
6 52 モジュー ル 2020年
中古価 格
*1新品価 格
*14 kW シ ステム
単位:万円(税抜き)
*1 PVTEC 産業技術ビジョン
3) リサイクル処理ガイドライン
回収した PV モジュールを低コストでリサイクル処理できる技術と体制を築く。PV 関連業界
(団体)が国と協力して対応する要件である。
①PVモジュールの低コストなリサイクル処理技術
②既存業者を活用した処理ルートの確立
③リサイクル・リユースロードマップの作成
④Si回収のためのプラント建設
(3) 今後のPVリサイクル・リユース
これまでに日本での太陽電池の導入量と今後2010年での導入目標 482万kWを達成するための 今後の導入予測量を基に(図2.3.4-2)、導入された結晶Si太陽電池が20年後に廃棄されると仮定 し、2030 年まで、その廃棄量に応じてどのようにリサイクルされるかを検討した。その結果、図
2.3.4-3に示すように以下のようなリサイクルになると考えられる。
・ 廃棄量が年5MW未満(2010年まで)であれば産業廃棄物として処理(Al回収)
・ 廃棄量が年5~10MW未満(2011~2015年)であれば既存業者でリサイクル(Al、ガラス、Ag回 収)
・ 廃棄量が年10~100MW(2016~2020 年)では本開発で得られた処理技術を基にPVリサイクル 工場でリサイクル開始(Al、ガラス、Si回収、場合によってはAgも回収)
・ 廃棄量が年 100MWを超える(2021 年以降)では、新規の低コストな処理技術を用いた、本格的 PVリサイクル(Al、ガラス、Si、Ag回収)
0 200 400 600 800 1000 1200
1990
1991 1992 199
3 1994
1995 199
6
1997 1998 1999
200 0
2001 2002
200 3
2004 2005 2006
2007 2008 200
9 2010 年度
年導 入量( M W )
2010 年累積導入量 482 万 kW
10MW 112MW
272MW
3MW
実績 予測
図2.3.4-2 国内太陽電池導入量の実績と予測
太陽電池モジュールのリサイクル技術に関する既往研究事例の調査とそのライフサイクル評価 (実績はJPEAデータ。2005年以降予測は導入目標2010年482万kWを毎年同じ増加率で達成す ると仮定した計算値)
PVリサイクルが開始されると思われる 2010 年までには、PV モジュールの回収システムを構築 しておく必要がある。さらに、大量廃棄が見込まれる 2020 年までに低コストでのリサイクル処理 技術の確立が必要である。
(4) まとめ
PV モジュールのリサイクル・リユース実現に向けた課題を抽出し、その対応を検討し、さらに ガイドライン(案)の作成を行った。その結果、以下のことがわかった。
① 住宅用PVシステムから解体業者だけでPVモジュール撤去は可能で、撤去費用は現行設置工 事費の1/2~1/3
② 既存業者で一部設備を導入してリサイクルは可能であり、Siセルは有価で売却可能
③ 中古モジュールの再利用先及びこれを実現するための条件を提言
④ 設計から回収・廃棄・処理までの対応すべき要件を提示
さらに、今後のPV廃棄量を予測し、この廃棄量に応じた2030年までのリサイクル・リユースの 予測を提示した。
既存業者でのリサ イクル
*産廃処理 Al回収
*加熱+非鉄製錬 技術
Al、ガラス、Ag 回収
PV専用工場でのリ サイクル
*現行開発技術を基本 Al、 ガ ラ ス 、 Si、
(Ag?)回収
*新規技術 Al、ガラス、Si、
Ag回収
住宅用 災害用 海外向け 集積センター 新規ビジネス?
リユース
<5MW 10MW 100MW> 300MW 1000MW (500t) (1000t) (1万t) (3万t) (10万t) 予想年廃棄量*
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年
既存業者でのリサ イクル
*産廃処理 Al回収
*加熱+非鉄製錬 技術
Al、ガラス、Ag 回収
PV専用工場でのリ サイクル
*現行開発技術を基本 Al、 ガ ラ ス 、 Si、
(Ag?)回収
*新規技術 Al、ガラス、Si、
Ag回収
住宅用 災害用 海外向け 集積センター 新規ビジネス?
リユース
<5MW 10MW 100MW> 300MW 1000MW (500t) (1000t) (1万t) (3万t) (10万t) 予想年廃棄量*
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年
20MW対応の工場
100MW対応の工場
(新方式の低コスト処理)
5MW未満
5~10MW
*廃棄量は2004年までの導入実績と2010年482万kW導入目標達成を前提とした2005~2010 年までの導入予測値を基に、購入後20年廃棄と仮定した場合
図2.3.4-3-今後の結晶Si太陽電池モジュールのリサイクル・リユースの予測
2.4 太陽光発電システムの電磁環境性に関する研究開発
2.4.1 関連規格等の調査
パワーコンディショナのエミッション及びイミュニティの現状を把握するため、IEC 規格の 電磁環境性関連の規格や国内の JIS 規格等の調査、文献調査、更に国内の太陽光発電システム 関連企業に対し、電磁環境性に対する製造側での取り組み等についてアンケート調査を実施し た。その結果、国内法令では、電気事業法や電気設備の技術基準にEMCに関する条項が定められて おり、電波法では公共性の高い業務へ電波を割り当て、この電波への妨害波防止として限度値が定め られている。また、日本国内の工業標準である JIS(日本工業規格)では、IEC への整合を進める動き があるものの、太陽光発電システムは、審議は進んでいない。
一方、国際規格の IEC(国際電気標準会議)規格や CISPR(国際無線障害特別委員会)規格では、
EMCに関する共通規格として IEC61000シリーズが定められている。このIEC61000シリーズとは、
EMC の一般的な規格であり、特定の製品を対象としない基本規格と設置環境別に住宅環境・工業環 境等の共通規格からなる。また、製品に適用される規格は優先度の高い方から、製品規格→製品群規 格→共通規格、基本規格となり、例えば、CISPR14 には製品規格として、家庭用機器のEMC測定 における機器の配置、動作状況、測定方法及び限度値が定められている。
EMC に関するこれらの調査結果及びアンケートの結果から、国内法令や一般電気製品の EMC に 広く利用されている IEC61000 シリーズを仮の指標として選定し、かつ有識者の意見を参考に評価 項目ならびに評価基準として、表 2.4.1-1&2.4.1-2 に示す評価項目ならびに評価基準を設定した。
エミッション測定については、CISPR の基本概念である放射障害のほか、伝導妨害および高調波を 測定項目とした。また、イミュニティ試験については、系統連系型インバータが具備すべき機能に関 する試験(電圧変動イミュニティ等)および高圧変電設備に関する試験(パルス磁界イミュニティ 等)を除いた項目を選定した。
各エミッション試験規格 IEC 測定範囲
放射妨害 CISPR22 周波数9kHz~1000MHz 放射妨害を測定する 伝導妨害 CISPR22 周波数9kHz~30MHz
伝導妨害を測定する
高調波 61000-3-2 基本波~40次
高調波を測定する 表2.4.1-1 エミッション測定の実施項目