蓄電池型充 電スタ ン ドの具体 図 と充電方法
提案する自律型農業機械
図9.2筆 者 作 『蓄 電池 型 充 電 ス タ ン ドのパ ッケ ー ジ 図』
機 械 本 体 の 上 部 に非 接 触 充 電 機 構 を設 置 して い るた め 、 充 電 ス タ ン ドにお い て は 本 体 下部 に同 じ よ うに 非接 触 充 電 の た めの モ ジ ュー ル を配 置 して い る。 耕 地 に 設 置 す る 場 合 は本 体4角 の ポー ル を立 て て 泥へ の 対 策 を お こな い 、 屋 外 な
らで は の ス ム ー ズな 充 電 を可 能 と してい る。
3.4デ ザ イ ン 提 案
3.4.1デ ザ イ ン コ ン セ プ ト
既 存 の 農 業 機 械 は頑 丈 さや 屈 強 さ とい った 印 象 を感 じ させ る男 性 的 な ス タイ リン グ を施 した も の が 多 い 。 本 論 文 に お け る調 査 で そ の よ うな機 械 の 男 性 性 と の 結 び つ き が性 別 分 業 の 要 因 の 一 つ とな った こ と を明 らか に した。 そ の た め本 提 案 で は 、 これ ま で の男 性 的 な印 象 を受 け る ス タイ リン グ とは一 線 を画 した も の とす る。
ま た 本 提 案 は 高 齢 者 を 対 象 と してお り、 ロボ ッ トの よ うな 印 象 を受 け る 自立型 の 農 業 機 械 とい う目新 しい も の で あ るた め 、 わ か りや す く受 け入 れ や す いデ ザ イ ンが適 して い る。
以 上 を踏 ま え 、 「や さ し くわ か りや す い」 とい うコ ンセ プ トを 立案 した。
3.4.2最 終 提 案
先 に 挙 げ た パ ッケ ー ジ ン グ を元 に 、デ ザイ ン コ ンセ プ トに 従 っ て2Dレ ン ダ リ ン グ に よ る最 終 案 を提 示 す る。 パ ッケ ー ジ ン グで 決 定 した 各 種 セ ンサ ー 類 だ け で キ ャ ラ ク タ ー をつ く る こ とで 、 わ か りや す い デ ザ イ ンを施 す こ とが で き た。
ま た 、 ク リー ンで ミニマ ル な 印 象 に す る こ とで 、 これ ま で の農 業 機 械 のイ メー ジ との差 別 化 を 図 りな が ら、 毒 気 の 少 な く受 け入 れ やす い機 械 を 目指 した。
ま た 白色 にす る こ とで 、ユ ー ザ ー か ら離 れ て しま っ た場 合 の視 認 性 を確 保 して い る。
本 提 案 は 、草 取 りを 自動 化 し、 高 齢 農 業 従 事 者 の 作 業 負 担 を軽 減 す る と と も に 、 これ ま で の農 業機 械 が及 ぼ して き た様 々 な 問題 に対 処 す る こ とで 高齢 農 業 従 事 者 が能 力 を発 揮 で き る環 境 の構 築 に も貢 献 す る こ とが で き る。
4.結 論
本 研 究 で は 農 業 機 械 と高 齢 農 業 従 事 者 の 農 作 業 の 実態 に 注 目 し、 日本 の農 業 構 造 に お い て は 、 高 齢 農 業 従事 者 が 能 力 を発揮 で き る よ う負 担 の 大 き い 作業 を 支 援 す る 自律 型 農 業 機械 が 必 要 で あ る とい うこ とを 明 らか に した。 現 地 調 査 を 行 うこ とで 、 高齢 農 業 従 事 者 が 既 存 の農 業 機械 の 問 題 と、負 担 の 大 き い 作 業 に よ って 、有 して い る 高度 な 農 業 技 術 を発 揮 で きず に い る こ とが 判 明 した 。 これ を 受 け て 、農 業機 械 が及 ぼ す 問題 とそ の要 因 を 明 らか に した。 農 業 機 械 が 及 ぼ す 問 題 に お い て本 研 究 で 着 目 した の は 、健 康 問題 と機 械 へ の依 存 問題 、 そ して ジ ェ ンダ ー の 問題 で あ る。 それ らの 要 因 か ら問題 解 決 の た め に は 自律 型 の農 業 機 械 が 必 要 で あ る こ とを提 示 した 。 ま た 高齢 農 業 従 事 者 が 負 担 を感 じて い る作 業 の一 つ で あ る草 取 り防 除 作 業 が 農 業 機 械 に よ る健 康 とジ ェ ン ダ ー の 問題 に 関 係 して い る こ と を受 け て 、 草 取 り防 除 作 業 を 自動 化 す る 自律 型 農 業機 械 を提 案 す る こ とに 大 きな 意 義 が あ る と判 断 し、技 術 的 な検 討 を進 め て い っ た 。
技 術 的 な検 討 にお い て は、 鉱 業 や 建 設 業 な どの 自動 化 が進 ん でい る他 産 業 の 機 械 を提 示 し、 農 業 機 械 にお い て も 自動 化 を進 め て い く妥 当性 を強 調 した。 ま た 自律 型 機 械 の参 考 に 、 す で に 広 く普 及 して い る ロボ ッ ト掃 除 機 を あ げ る こ と で 本研 究 が 実現 卜生の 高 い提 案 で あ る こ とを主 張 して い る。
設 計 要 件 を検 討 す る際 に は 、 調 査 に よ って 明 示 した既 存 の機 械 の 問題 の 要 因 を踏 ま え 、 高齢 農 業 従 事 者 が 能 力 を発 揮 で き る よ うな 環 境 の構 築 に つ な が る よ う設 計 を進 め た 。 具体 的 な機 能 と して は 、耕 地 の柔 らか い 土壌 で 安 定 した 移 動 を行 え る よ うネ ガ テ ィ ヴ キ ャ ンバ ー の 無 限軌 道 型 駆 動 輪 を採 用 し、 ハ ンテ ィー タイ プ の 蓄 電 池 型 充電 ス タ ン ドに よ り、 参 考 と した ロ ボ ッ ト掃 除 機 に は な い 大 規 模 な 面積 で の使 用 を 可 能 と した。 ま た ス テ レオ カ メ ラ セ ンサ ー とデ ィー プ ラ ー ニ ン グ に よ る 映 像認 識 に よ り、 農 作 物 か雑 草 か を 自律 的 に判 断 して 除 草 す る た め 、 これ ま で の 機械 や 除 草剤 を使 用 した 作 業 で は欠 か せ な か っ た 細 か な 部 分 の手 作 業 も機 械 に よ って 代 替 す る こ とが可 能 とな る。
本 提 案 は 、 これ らの機 能 に よ り草 取 りを 自律 的 に 行 い 、農 業 従 事 者 の 作 業 負 担 を軽 減 す る こ とが で き る だ け で な く、 これ ま で の農 業 機 械 が 及 ぼ して き た 様 々 な 問題 に対 処 す る こ とで 、 高 齢 農 業 従 事者 が 今 ま で 以 上 の 能 力 を発 揮 で き る環 境 の構 築 へ の 一助 とな る もの で あ る。
5.今 後 の 展 望
本 研 究 は 、 草 取 り用 自律 型 農 業 機 械 の提 案 まで に と どま り、そ の後 の機 械 を 運 用 す る方 法 まで 提 案 す る に 至 らな か っ た。 本 提 案 を用 い る こ とで 可 能 とな る 高齢 農 業 従 事者 の た め の ビジネ ス モ デ ル や 、 ライ フ ス タイ ル につ い て も検 討 を 行 え るの で はな い か と考 え られ る。
また 、法 人形 態 で 大 規 模 な農 業 を 行 な っ て い る農 家 で も使 用 で き る よ う、 複 数 台 の 自律 型農 業機 械 を用 い る場 合 の シ ス テ ム も検 討 す る必 要 が あ る。
ま た 実 際 に本 提 案 につ い て 、 聞 き 取 りを行 な った農 家 の 方 にお 見 せ して感 想 をい た だ い た。 農 家 の 方 に よれ ば、
・ 日本 は農 業 を継 ぐ人 が 少 な くな っ て い るの で、 この よ うな機 械 で 補 うの は 合 理 的 だ と思 う
・ 畑 作 用 の 草取 りロボ ッ トが 実 現 で き る の な ら、水 田用 の ロボ ッ トも作 れ る の で は な い か?そ うす れ ば も っ と 日本 の農 業 に貢 献 で き る
・ これ が あれ ば農 業 を続 けた い と思 う高 齢 者 が増 え るか も しれ な い とい った 意 見 を い た だ い た。
稲 作 は 除 草 剤 が使 い や す く、本 提 案 の よ うな機 械 は 必 要 な い と考 え て い た が そ の よ うな要 望 が あ る とい うこ とを踏 ま えて 、 これ か らの検 討 に つ な げ る必 要 が あ る だ ろ う。
6.謝 辞
本 修 士論 文 は 、 首 都 大 学 東 京 大 学 院 シ ステ ムデ ザ イ ン研 究 科 イ ン ダ ス トリア ル アー ト学域 修 士 課 程 に お い て 、 トラ ン スポ ー テ ー シ ョ ンデ ザ イ ン ス タジ オ に
て行 な っ た研 究 を ま とめた もの で す 。
本 研 究 に 関 し、 終 始 ご指 導 ご鞭 樋 い た だ き ま した難 波 治 准 教 授 に 心 よ り感 謝 申 し上 げま す。 また 、 本 研 究 の完 遂 と、 それ らを修 士 論 文 と して ま とめ る こ とが で き た こ とは 、難 波 准 教授 に よ る ご指 導 ご鞭燵 に加 え、本 論 文 を 精読 くだ さ り、
有 用 なア ドバ イ ス を くだ さっ た副 査 の先 生方 の お か げ です 。 そ して 調 査 にお い て 協 力 して くだ さっ た祖 父 ・寛 治 に も心 よ り感 謝 申 し上 げ ま す。
最 後 に総 合 大学 とい う本 学 の環 境 の 下 、 常 に様 々 な観 点 か ら刺激 を与 え続 け て くれ た友 人 た ちに深 く感 謝 の意 を表 し、謝 辞 の 言 葉 とか え させ て い た だ き ます 。
7.参 考 文 献
(1)芦 田 祐 介(2016)『 農 業 機 械 の 社 会 学 』 昭 和 堂
(2)千 葉 悦 子(2000)「 農 家 女 性 労 働 の 再 検 討 」 『現 代 日 本 の 女 性 労 働 と ジ ェ ン ダ ー 』
(3)吉 田 義 明(2001)「 農 村 労 働 市 場 と 農 家 女 性 労 働 カ ー 『い え 』 の 労 働 と 自 分 の 労 働 」
『労 働 と ジ ェ ン ダ ー 』 明 石 書 店
(4)平 井 隆 一(2006)「 日 本 の 農 業 実 態 と こ れ か ら の 課 題 」 http:〃www.ec.kagawa・u.ac.jp/・‑tetsuta/jeps/no2/hirai.pdf
(5)久 野 秀 二(2009)「 農 業 経 済 論 」
http:〃www.econ.kyoto・u.ac.jp/〜hisano/documents/2009 ̲agecon̲8.pdf {6)角 川 修(2004)「 高 齢 者 を 考 慮 し た 農 業 機 械 の 設 計 」
https:〃www.jstage.jst.go.jp/article/jsfwr1966/39/1/39 ̲1̲33/」}df {7)西 川 明 子(2004)農 村 地 域 に お け る 高 齢 化 と 新 規 就 農 者 http:〃www.ndl,go.jp/jp/diet/publication/document/2005/200502/14.pdf
(8)首 藤 矩 生(2000)農 業 と 農 業 機 械 の 将 来 に つ い て
https=〃www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/62/4/62 ̲4̲1/̲pdf/‑char/ja
⑨ 農 林 水 産 省 「農 業 経 営 の 特 徴 」
⑳ 石 油 天 然 ガ ス ・金 属 鉱 物 資 源 機 構 「石 炭 鉱 山 の 生 産 性 向 上 の た め の 鉱 山 機 器 自 動 化 状 況 等 調 査 」http:〃coal.jogmec.go.jp/content/300336302.pdf
(11)日 本 経 済 新 聞 「コ マ ツ 、 建 機 のIT化 か ら 見 え る 自 動 運 転 の 未 来 」 https:〃www.nikkei.com/article!DGXMZO21254350ZIOC17AgOOOO
OO1
(12)文 部 科 学 省 「次 世 代 自 動 車 エ キ ス パ ー ト養 成 教 育 プ ロ グ ラ ム 開 発 事 業
」
(13)二 塚 信(1998)「 農 業 機 械 の 騒 音 と 振 動 に よ る 健 康 へ の 影 響 」 https:〃www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1952/46/6/46 ̲6̲938/̲pdf
(14)高 橋 和 久(2007)「 高 齢 者 の 呼 吸 器 疾 患 」
https:〃www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/44/2/44 ̲2̲158/̲pdf
脚 注