演習4.1 極限 lim
x→α
f(x)−f(α)
x−α が存在することは,g(x) = f(x)x−−f(α)α とおいた関 数gがx=αで極限を持つことであるから,命題3.1より,次と同値になる.
『「xn∈I\ {α}がlimxn=αを満たす⇒limg(xn) =`」となる`∈Rがある』
gを定義に戻って書き直せばよい.
演習4.2 (1)g(x) = sinx,f(x) = cosxとすると合成関数g◦f の微分になる からcos(cosx)(−sinx) =−(cos(cosx)) sinxとなる.
(2) g(x) = ex, f(x) = ax2+bx+cとおくとg◦f の微分なので, (2ax+ b)eax2+bx+c となる.
以降, どのような合成関数を取ったかは略す.
(3) −cossinxx
(4)ax=exlogaなのでloga×exloga= (loga)axまたは,括弧をなくしたけ ればaxlogaとなる.
括弧をつけないと誤解をうむ場合があるときは, なるべく括弧の少ない表し 方・順番に書くのが好ましい.
(5)関数の積の微分なのでnxn−1logx+xn−1=xn−1(1 +nlogx) (6)xx=exlogxなので, (1 + logx)exlogx= (1 + logx)xxとなる.
(7)g(x) =√
x,f(x) = 11+−√√x
x として, (g◦f)0(x)を計算すると, 1
2(1−√ x 1 +√
x)−12−12x−12(1 +√
x) + (1−√ x)12x−12 (1 +√
x)2 =−1
2
1 (1 +√
x)32(1−√ x)12 となる. 整理して 1
2√1−x(1+√x) としてもよい.
(8) aa+x−x=−1 +a+x2a に注意し,積の微分より√
a−x a+x+x2
√a+x
a−x(−(a+x)2a 2)と
36 4 1変数関数の微分の基礎
なる. 整理して,√
a−x
a+x{1−a2ax−x2}としてもよい.
(9) 2√ 1 1+logx
1
x= 2x√1
1+logx となる.
(10) 1
2√√
x2−1+√
x2+1{√xx2−1+√x
x2+1}となる. 整理して, x
√√
x2+1+√ x2−1 2(x2−1)
となる.
(11) log(x12+ex) 1
x2+ex(2x+ex) = (x2+ex2x+e) log(xx2+ex)となる.
演習4.3 (1)y= cos−1xとおくと,x= cosyでありxで両辺をxで微分する と, y0 =−sin1y となる. siny =±√
1−cos2y = ±√
1−x2 となるが, −1≤ x≤1であり, 0≤y≤πだから0≤siny≤1なのでsiny=√
1−x2となる.
よって, (cos−1)0(x) =−√11−x2 となる.
(2) y= tan−1xとおくと, x= tanyとなる. 両辺をxで微分して整理する とy0= cos2yとなる.
x2+ 1 = tan2y+ 1 = cos12y なので, (tan−1)0x=x21+1 となる.
(3)y= sin−1(cosx)とおくとsiny= cosxとなる. ただし,|y| ≤π/2. 両辺 をxで微分すると(cosy)y0 =−sinxとなり,y0=−sincosxy である.
|y| ≥π/2なので, cosy=√
1−sin2y=√
1−cos2x=|sinx|となる. よっ て,y0=−|sinsinxx| =−|xx| (x6= 0).
(4) y = cos−1(2 sinx)と お く と, cosy = 2 sinxとなる. xで微分する と, −y0siny = 2 cosxと な る. y0 = −2cossinyx にsiny = ±√
1−cos2y =
±√
1−4 sin2x.
|x|が1−4 sin2x ≥0となるくらい小さい時, cosy = 2 sinxなので, yは π/2に充分近い. よって,s∈y≥0なので, siny=√
1−4 sinsxとなり,y0=
−2 cosx/√
1−4 sin2x.
(5)y= tan−11a+x−ax とおくと, tany=1a+x−ax =−1a+a(11+a−ax)2 となる. xで微 分して, y0cos12y = 1+aa 2(1−aax)2 = (11+a−ax)22 となる. ところで, tany = 1a+x−ax よ りsiny=1a+x−axcosyである. よって,
cos2y= 1−sin2y= 1− (a+x)2 (1−ax)2cos2y
となり, cos2y= (1−ax)(1−2ax)+(a+x)2 2 となるので,y0= cos2y(11+a−ax)22 に代入して,次 のようになる.
y0 = 1 +a2
(1−ax)2+ (a+x)2 = 1 x2+ 1
(6)問題が間違ってました!このままではきれいな答えが出ません。正しい問 題は,「sin−1(3x−4x3)の導関数を求めよ」
y= sin−1(3x−4x3)とおくと, siny= 3x−4x3となりxで微分してy0cosy= 3−12x2を得る.
cos2y= 1−(3x−4x3)2= (1−x2)(4x2−1)2 よって,x2<1/4の時,y0= 3/√
1−x2, 1/4< x2<1の時,y0=−3/√ 1−x2 演習4.4 (1) sin0x= cosx= sin(x+π2)なので, sin(n)x= sin(x+πn2 )が予 想できる. 実際に成り立つことは数学的帰納法で示せるので略す.
(2) (eax)0=aeaxなので, (eax)(n)=aneaxが予想でき,数学的帰納法で示せ る(各自やる).
(3) f(x) =xn−1ex1 とおく. f0 =e1x((n−1)xn−2−xn−3) =e1xxn−3((n− 1)x−1)となる・・・
(4)f(x) = log(1 +x)とおくと,f0 = 1+x1 ,f00=−(1+x)1 2, f(3)= (1+x)2 3 な ので,f(n)= (−1)n−1(n−1)!(1+x)1 n が予想される. 数学的帰納法で示せる(各 自チェック!).
(5) f(x) = (ax+b)k とおくと, n≥k+ 1のときはf(n)= 0である. f0 = ka(ax+b)k−1,f00=k(k−1)a2(ax+b)k−2なので, 3≤n≤kのときは,f(n)=
k!
(k−n)!an(ax+b)k−n となることが予想でき,数学的帰納法で示せる(自分で).
(6) f(x) = 1−1x とおくと, f0 = (1−1x)2, f00= (1−2x)3, f(3) = (1−3!x)4 なので f(n)= (1−n!x)n+1 が予想でき,数学的帰納法で示せる(自習).
演習4.5 f(α) ≥f(a) > f(β)とする. a 6=β かつb 6= βなので, n ∈ Nが
1
n <min{β−a, b−β}を満たせば, β±n1 ∈(a, b)となるので, f(β)≤f(β±
1
n)なので
38 4 1変数関数の微分の基礎
f(β+n1)−f(β)
1 n
≥0
となる. f はβ で微分可能だから命題4.1よりf0(β)≥0となる. 一方, f(β−n1)−f(β)
−n1 ≤0
より,同様にf0(β)≤0となり,結局等号f0(β) = 0が成り立つ.
演習4.6 定数関数とは∀x, y∈[a, b]に対しf(x) =f(y)となる. 定数関数であ ることを否定すると,「f(α)6=f(β)」を満たすα, β∈[a, b]があることである.
α6=β は明らかなので,a≤α < β≤bとする.
f(α)< f(β)と仮定して矛盾を導く. (f(α)> f(β)と仮定しても同様に矛盾 が導ける.)
平均値の定理(定理4.12)より,「f(β)β−f(α)
−α =f0(z0)」となりz0 ∈(α, β)が 存在するが,f0(z0) = 0なのでf(α) =f(β)となり矛盾する.
演習4.7 定理4.15の定理の証明で,aをαで置き換え,bをxで置き換えれば よい.
演習4.8 系4.16で,α= 0とおけばいい。
問題4.1 n+11 <|x| ≤ 1n の時, |f(x)−f(0)|
|x| =|a|xn||≤(n+ 1)|an| となる.
問題4.2 f(n1)−1f(0) n
= 1なので lim
n→∞
f(1n)−f(0)
1 n
= 1となるが, f(−n1)−f(0)
−n1
=
−1なので,収束列の取り方によって値が違うから f(x)−xf(0) のx→0での極限 座存在しない. つまり,x= 0で微分可能でない.
問題4.3 2次のテイラー展開(または,マクローリン)を関数g(h) =f(α+x) + f(α−x)−2f(α)に適用すると,g(x) =g(0) +g0(0)x+12g00(θx)x2となるθ∈ (0,1)がある. 計算すると,
g(h) ={f0(α)−f0(α)}h+1
2{f00(α+θh) +f00(α−θh)}h2
となる. よって,h−2g(h)−f00(α) = f00(α+θh)+f00(α2−θh)−2f00(α) f00はαで連続
だから, ∀ε >0に対し,「|x|< δε⇒ |f00(α+x)−f00(α)|< ε」となるδε>0 がある. |h|< δεとすると0< θ <1なので, |f00(α±θh)−f(α)|< εとなる ので,|g(h)−f00(α)|< εとなる.
問題4.4 (1) 2次のマクローリン展開により,f(x) = (1 +x)αとおくと,f(x) = f(0) +f0(0)x+f00(θx)2 x2となるθ∈(0,1)がある. 計算すると,
f(x) = 1 +αx+1
2α(α−1)(1 +θx)α−2x2
となるθ∈(0,1)がある. α >1でx6= 0なので,第3項を除くと等号の着かな い不等式が成り立つ.
(2) 同じく(1 +x)β = 1 +βx+ 12β(β−1)(1 +θx)β−2x2となるθ∈(0,1) がある. 0< β <1なので(かつx6= 0の時は), 第3項を除くと等式の着かな い不等式を得る.
(3) sinx= sin 0 + cos 0x−12sin(θx)x2となるθ∈(0,1)がある. sin(θx)>
0 (0< x < π2)なので,第3項を除くとsinx < xが成り立つ.
f(x) = sinx− 2xπ とおく. f00(x) =−sinxなので−1 < f00(x) <0とな る. 更に,f0(0) = 1−2π >0,f0(π2) =−π2, f(0) =f(π2) = 0となる. よって, f0(t) = 0となるt∈(0,π2)がただ一つある.
もし, f(s) = 0となるs∈(0,π2)があるとすると, s∈(t,π2)である. なぜな ら,s∈(0, t]ではf(s)> f(0) = 0であるから.
f(s) = 0がs∈(t,π2)で成り立つと, (t,π2)でf0 <0なのでf(π2)<0とな り矛盾する. 故に,x∈(0,π2)⇒f(x)>0となる.
(4) (3)より,x∈(0,π2)¥T osinx < xは成り立つ. x≥ π2 >1ならばsinx≤ 1< xとなる.
7次のマクローリン展開で, sinx= sin 0 + cos 0·x−12sin 0·x2−3!1cos 0· x3+4!1sin 0·x4+5!1 cos 0·x5−6!1sin(θx)x6となるθ∈(0,1)がある. つまり
sinx=x−x3 6 + 1
5!x5− 1
6!sin(θx)x6
が成り立つが, 右辺最後の2項は≥x6!5(6−x)であり, 0< x <6のときに,成 り立つ. 帰納的に次が示せる(各自確かめよ).
40 4 1変数関数の微分の基礎
sinx≥x−x3 6 +x5
7!(7!
5!−x2)+· · ·+ xn
(n+ 2)!((n+ 2)!
n! −x2)+ xn+3
(n+ 4)!(n+4−|sin(θx)|·x) 0< x < n+ 1ならば第3項以降は皆, 正なので, sinx > x−x63 が0 < x <
n+ 1で成り立つが,nは任意の自然数を取れるので, ∀x >0で成立する.
(5) cosx= 1−x22 + sin(θx)x3!3 となるθ∈(0,1)がある. 0< x < π/2なら ば第3項をとればcosx >1−x22 が成り立つ.
cosx= 1−x22 +x4!4 −x5!5sin(θx)となるθ∈(0,1) があるが, 右辺最後の項 を除けばcosx <1−x22 +x4!4 が示せる.
(6)ex= 1 +x+x22eθxとなるθ∈(0,1)がある. よって,ex>1 +xとなる (これはx∈Rでよい).
ex<1−1x を示すには,f(x) = (1−x)exとおき, f(x)<1を示せばよい.
f0(x) =−xex、f(0) = 1,f(1) = 0に注意すれば、ほとんど明らか.
問題4.5 (1) sinf =xより,f0cosf = 1となり,f00cosf −(f0)2sinf = 0と なる. よって,f00(1−sin2f) =f00cos2f = sinfcosf(f0)2= sinf f0となる.
sinf =xを思い出せばよい.
(2)n= 0は,今示したので,n≥0で成立するとして,両辺を微分する.
−2xf(n+2)+(1−x−2)f(n+3)−2nf(n+1)−2nxf(n+2)−n(n−1)f(n+1)=f(n+1)+xf(n+2)nf(n+1) 右辺左辺ともキャンセルさせずに,素直に整理し直せばよい.
(3) (1)からf00(0) = 0, (3)でn= 2, x= 0で,f(4)(0) = 0となる,後は帰納 法で示す.
(4) (3)でn= 1とすると, f(3)(0) =f0(0). f0(0) = 1に注意する. (なぜな ら,f0(x) cosf(x) = 1だが,f(0) = 0なので,f0(0) = 1)
あとは(3)を用いて帰納法で示せばよい.
問題4.6 ライプニッツの公式より、
f(n)=
∑n k=0
n!
k!(n−k)!(xn−1)(k)(logx)(n−k)
=
n∑−1 k=0
n!
k!(n−k)!(n−1)· · ·(n−k)xn−k−1(−1)n−k+1(n−k−1)!x−n+k+0×logx
= (n−1)!
x
n∑−1 k=0
n!
(n−k)!k!(−1)n−k+1= (n−1)!
x {1−(1−1)n}=(n−1)!
x 問題4.7 f0は, 有界閉区間[a, b]上で連続だから. K= max
x∈[a,b]|f0(x)|<∞と おく. a≤x < y ≤bに対し, f(x)−f(y) =f0(z)(x−y)となるz∈[x, y]⊂ [a, b]がある. 故に,|f(x)−f(y)| ≤K|x−y|となる.
問題4.8 (1) n = 2m+ 1の時, sinx = x− x3!3 +· · ·+ (−1)m−1(2mx2m−1−1)! + (−1)m(2m+1)!cos(θx)x2m+1 (0<∃θ <1)
(2)n= 2m+2の時, cosx= 1−x2!2+· · ·+(−1)m x(2m)!2m +(−1)m+1 cos((2m+2)!θx)x2m+1 (0<∃θ <1)
(3)ex=
n∑−1 k=0
xk
k! +en!θxxn (0<∃θ <1) (4) (1 +x)a =
n∑−1 k=0
aCkxk+aCn(1 +θx)a−nxn (0<∃θ <1) ただし、a /∈ Nに対しては,次で与える.
aCk =a(a−1)(a−2)· · ·(a−k+ 1)
k! (一般化された二項係数)
(5) 1−1x =
n∑−1 k=0
xk+(1−θx)1n+1xn (0<∃<1) (6) (1−1x)2 =
n∑−1 k=0
(k+ 1)xk+(1−n+1θx)n+2xn (0<∃θ <1) (7) (4)で,a=12 とする. 具体的には,各自やってください.
(8) log(1 +x) = ∑∞
k=1
(−1)k+1xkk に注意して,n= 2m+ 1として, 12log11+x−x=
∑m k=1
x2k−1 2k−1 +
( 1
(1+θx)2m+1+(1−θx)12m+1 )
x2m+1 (0<∃θ <1)