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ドキュメント内 教化研究 No.06 (ページ 55-58)

田 中

1 券 道

明譜の底本として採用︑縁山流両伽陀の未唱部分の復曲

の手がかりとして研究を開始した︒

本年六月には縁山流聾明の伝承者である大本山増上寺

教授師津田徳翁師より両伽陀の未唱部分について御教示

を受けたが︑師が稽古された頃も唱えられていないこと

が明らかになった︒そこで平成七年一月中に復曲の試案

を作り︑師に再度︑指導を受け︑了承せられたものを同

年三月頃︑京都の浄土宗宗務庁講堂で祖山︑縁山両流の

両伽陀︑特に復曲したものを初演する研究会を開催する

予定である︒

さて両山の啓明を概観すると知恩院に伝わる伽陀は天

台曹明を写瓶相承したと思われるものと︑祖山独自の展

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聞を遂げ調子や旋律に微妙な変化を見せているものとが

ある︒前者には後伽陀もその一つであり︑後者には前伽

陀が当る︒

増上寺に伝わる伽陀をはじめとした縁山流聾明は承応

年 中 (

一六五二)大原寺向之坊恵隆より大原流整明を相

承したとされるが︑やがて江戸幕府将軍家の葬祭に関わ

る中に︑関東武士の気風にあった勇壮な聾明へ変化した

ものと推察される︒時は移り明治四十四年(一九

二 )

宗祖七百年御忌正当を迎えるに際し︑挙宗一致の気運は

費明法式にも及び︑前年の明治四十三年には認定版折本

上下二巻が発行されたことは︑東西法式統一の一里塚と

位置付けてのことであった︒その下巻に聾明をまとめ前

伽陀

伽陀

等が収められている︒

今回は研究手順として両山伝承の両伽陀の伺頒を調べ︑

次に四句の扱い︑調子︑五音等の啓明学的な解明︑特に

縁山流は現行︑前二句しか唱えず︑後二句の復曲が侯た

れていたのである︒

伺頒については両流共︑前伽陀は﹁

光明編照

十方世

念仏衆生の四句(摂益文)︑後伽陀は

摂取

不捨

﹁願以此功徳平等施一切同発菩提心往生安楽国﹂

の四句(総回向伺)を用いていて同じである︒しかるに

四句の扱いは両流で違いがあり︑祖山流では一︑at四

句とし︑縁山流では一︑二句と唱えている点である︒

﹂の点を含め両伽陀の天台での扱いを聾明家海老原

康伸師に聞くと︑前伽陀(光明伽陀)は天台にはなく︑

後伽陀(願以此功徳)はあるが一︑四句か一

︑ ︐

四 句

とし全部は唱えないと言うのである︒理由は四句全部を

唱えると不吉なことが起るとの言い伝えがあるという︒

次に調子をみると祖山流の前伽陀は呂曲︑盤渉調

音商とし︑縁山流では呂律の定めはなく平調出音宮と

いう違いがある︒

この点から両流の両伽陀は調子からは主音と属音の関

係にあり︑同じ枠内の音域(核音)で唱えられていると

ころから深い関係にあることがわかる︒

次に縁山流の両伽陀の復曲に際しては︑今回︑現行の

天台啓明と祖山流の扱いにあわせ四句自のみとし︑底本

の認定版の撃明譜に依ること︑五音の決定に当つては昭

和十六年(一九四一)﹁聾明並特殊法要集﹂を用いるこ

とにした︒そして平成七年一月中に復曲案を作成し︑前

出の津田徳翁師の指導のもとに復曲を目指し︑同年三月

には両流合同の研究会を開催する予定である︒

﹂の成果は東西の両流聾明が出会うことで聾明学的に

は︑各種の旋律型が醸し出す味わいにより宗教的な感情

の呼応が喚起される︒また教化面では宗門教師各位が︑

この分野に関心を払うことで化他法要の現場に実践面で

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の一層の工夫が可能となる等︑興味が尽きぬ程に期待で

きるところでもある︒

七 開 教 調 査 研 究

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