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上記のとおり、YHCには抜本的対策が不可欠であるところ、これらを実現す るためには、YHCが独自に対応し得るものではなく、またそれを行い得る要員 に欠けるものであるため、YHDにおいて、全般的に指導し、協力してこれらの 対策をとらなければ実行できないものと考える。

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ることを確認すること、及び不一致の場合の修正・精算ルール、手続を明確に すること

⑤ 上記の②から④の確認について、明確な記録・証拠を一定の期間保存するこ と

⑥ これら一連の業務運用の流れについて、業務フローを含むマニュアル等を作 成し、現場社員に周知、徹底するとともに、それに即して引越基幹システムを 改修すること

⑦ 現行の法人顧客の割引条件によっては、料金面及び要員等の制約上受注が困 難な場合の対処方(受注を断るか、収支赤字を覚悟して家財算出表による適正 見積りを行うか、法人顧客との間で家財算出による見積りを離れた個別合意に より料金を取り決めるか)について、方針・ルールを明確にし、受注回避のた めの見積りをせざるを得ない事態が生じないようにすること

⑧ 法人契約の割引に係る決裁権限の基準を明確にするとともに、現行の割引率 の見直しをすること。なお、これについては、既に、昨年度から実施している 働き方改革の一環として見直しが進められている。

これらが全社的に確実に実行されるのであれば、直接的には本件事象のような 上乗せ見積り及び見積内容と相違した不適切請求という事態の再発は防止でき ると評価できる。

⑶ ところで、上記⑵を実行するためには、それを遂行すべきYHC本社の責任者 及び担当者が必須であるところ、恒久的な本社組織及び教育体制を構築するまで の間、応急的とはいえ、責任をもって対応すべき本社機関を置くことが重要であ る。また、再発防止の対策を講じることで、現場の作業負荷がいたずらに大きく なることにならないよう、YHC本社の責任において現場における要員体制につ いて十分に注視し、検討することが必要である。さらに、業務フローを含むマニ ュアル等を早急に作成し、社員への周知徹底を図るとともに、その運用が適正で あることの検証、監査が行われることが、最低限、確保されるべき条件である。

そして、これらの条件を整備するためには、YHDの監督指導、協力が不可欠であ ることはいうまでもない。

しかして、何よりもまず第一にすべきは、本件事象をふまえての社員に対する 倫理研修であることを特に付言する。

73 第7 結語

今回のYHCにおける法人顧客に対する引越料金の不適切請求問題の根本的な 原因は、顧客のために設計したはずの商品内容が複雑で、適正に運用するための組 織的な管理体制が未整備であったことにあるが、本報告書の中で指摘したとおり、

内部通報などにより、会社としてこれまで何回か不適切請求を抜本的に是正する機 会がありながら、今日まで是正がなされなかったことは、YHCだけでなくYHD を含めたヤマトグループ全体で、結果としてガバナンス及びコンプライアンスの運 用に重大な問題があったと言わざるを得ない。これまでヤマトブランドを信頼して きた多くのステークホルダーを裏切る結果となった今回の問題について、ヤマトグ ループ全体として重く受け止める必要がある。

当委員会は、今回、会社の組織体制等多くの問題点を指摘するとともに、それを 踏まえた抜本的な再発防止策を提言した。特に、法人向け引越商品の設計内容の見 直しのほか、適正な運用を可能にする組織的な管理体制が確立しない段階では、法 人向け引越商品の供給を安易に継続することは、困難であることを当委員会として 強調しておきたい。

また、本報告書の中でも触れているように、確実な再発防止策を講ずるためには、

YHDの強力な支援、関与なくしては困難であると考えている。

さらに、再発防止策の実施に当たっては、本社と現場との良好なコミュニケーシ ョンを確保しつつ進めることが重要である。

今回の調査過程におけるヒアリング等を通じて、YHDを含む会社幹部において は、本件を自らの問題として深刻に捉えるとともに、YHCのみならずヤマトグル ープ全体の信頼低下に強い危機意識を有しており、信頼回復のためにあらゆる手立 てを講ずる強い決意を感じた。今回のようなことが二度と起こらないよう、全社を あげて信頼回復に取り組むことを切に希望するものである。

74 用語定義集

用語 用語の説明

YHD ヤマトホールディングス株式会社 YHC ヤマトホームコンビニエンス株式会社 YTC ヤマト運輸株式会社

YSD ヤマトシステム開発株式会社

発作業店 顧客の引越元住所地を担当する店所であり、引越家財の搬出作業を 行う

着作業店 顧客の引越先住所地を担当する店所であり、発作業店から搬出さ れ、到着した顧客家財の引越先への搬入作業を行う

引越アドバイザー 見積書作成を担当する者

ヤマト単独決定法人 法人顧客との基本契約における受注方法として、ヤマトホームコン ビニエンス株式会社が独占的に受注できる契約相手方法人

相見積り法人 法人顧客との基本契約における受注方法として、引合時に他社との 相見積りを前提とする契約相手方法人

タイムリー 法人及び個人顧客の家族向け引越商品。その詳細は調査報告書14 頁のとおり

ジャスト 法人顧客の単身者向け引越商品。その詳細は調査報告書15頁のと おり

2M3 法人及び個人顧客の単身者向け引越商品。その詳細は調査報告書1 5頁のとおり

タリフ 各引越商品の定価料金

ボックス 家財の積載に使用されるかご(内寸:1.04m×1.04m×1.

70m=1.83㎥)

家財量ポイント 引越の際に運搬対象となる家財の容積を把握するため家財算出表 を用いる際に設定された数値

オプション 各引越商品に別料金で付加することができるサービス

横持ち 顧客宅に接する道路が狭く、宅先まで大型車両が進入できない場合 に、大型車両を幹線道路等に停車させ、小型車両に家財を移し替え てピストン輸送するサービス(オプションの一種)

家財算出表 見積時に使用される帳票。標準家財サイズを基礎として容積換算の ためのポイントを設定し、これに照合して引越対象家財の容積を推 計するためのツール。例えば、「椅子」が「4」ポイント、「テレビ 台」が「5」ポイントなどと設定されている。