• 検索結果がありません。

EAI事情とシステム化(連携)

ドキュメント内 国際取引-2.PDF (ページ 65-68)

5 国内外との交流・課題の検討

5.5 EAI事情とシステム化(連携)

60 23-24

61

ッケージを導入する際に、この工数が非常に大きくなる。また、サプライチェーン管理のニーズも今 後ますます増加していく。昨今、ビジネスにおける競争激化ゆえ、経営環境の変化も頻繁に発生し、

取引先をより条件の良い企業に変えることが今後ますます起こり得る。その際には、コストを抑え、

素早く相手先のシステムと連携させることが必須となってくる。EAIツールはこうした状況を打破 する有力な切り札である。 

(4)  EAIツールが備える主な機能 

EAI ツールは、基本的にはメッセージ連携等のデータ通信機能を持ったミドルウェアに、以下 の3つの機能を実装したツールである。さまざまなシステム同士を連携する際のインタフェースの役 割を果たす①接続アダプタ、各システムで扱うデータの項目同士を対応づける、②マッピング機能、

データの内容に応じて送り先を変更したり、複数のシステムにデータを振り分ける、③ルーティング 機能とこれらの機能をリアルタイムあるいはバッチ処理によって実現する。 

例としてSAP R/3のデータと既存システムの連携を考えてみる。SAP R/3は外部システ ムとの連携用にBAPI(Business Application Programming Interface)と呼ばれる標準APIを用 意しており、連携の際にはこのAPIを使用して、既存システム側にデータのやりとりをするための プログラムを記述する。また、受け取ったデータを既存システム側のデータ項目に対応づけるための プログラムも必要である(これがマッピングである)。EAIツールはこのようなデータをやり取り するための機能を接続アダプタとして持っている。データ項目の対応付け等を定義ファイルとしてユ ーザがあらかじめ設定しておけば、これに合わせて既存システムを自動的にマッピングする機能も備 えている。また、複数のシステムを連携させる場合には、EAIが備えるルーティング機能により、

データの内容から送信先を判断し、送信先のシステムに合わせたデータのマッピングを行い、相手に 送信する。これら一連の設定は、GUIで行う事が可能である。 

 

5.5.2  米国における代表的なEAIツール 

EAIツールは現在第3世代である。主な世代と当時の必須機能、代表的なベンダーを示している。 

l 第1世代ではMOM(Message Oriented Middleware)と呼ばれていた。代表的なのは Tibco 社 である。この会社はもともと Tecknekron 社という名前で金融市場におけるディーリング端末 及びそのシステムが有名であった。現在は社名を変更し、メッセージ連携ソフトウェアである TIB/Rendezvous,TIB/MessageBroker 等をリリースしている。この世代のシステム連 携手法はほとんど手作業であった。 

l 第2世代で有名なのは、Active Software 社である。同社は早くから アダプタ なる概念を 打ち出し、数々のアダプタを実装していた。また、GUIによる開発スタイルも斬新であった。 

現代の第3世代では、STC Software 社、TSI Software 社が有名である。現在のEAI市場 の多くはこの2社が占めているといっても過言ではない。これらのツールの大きな特徴は、第1、第 2世代のツール機能に加えて、データのマッピング機能が加わったことである。両者ともこのデータ マッピングをGUIで行える。STC Software 社は特に Health Care の市場で強く、特徴的なのは、

データベースやERPパッケージとの接続アダプタを約 500 種類持っていることである。TSI  Software 社は特に、SAP  R/3との連携機能が豊富である。BAPI用の接続アダプタを使用し て他システムと連携する際に、同期を取ってデータをやり取りするだけではなく、非同期にデータを やり取りする等、複数の方法を利用できる。 

表 5 - 8  EAIツールの歴史

第1世代  1995〜1996 第2世代  1997〜1998 第3世代  1999〜

ツール Tibco

NeonSoftware

ActiveSoftware Vitoria Technology

STC Software TSI Software

アダプタ 個別開発 種類が少ない 種類が豊富、STC社は約500 マッピング 持っていない 基本機能を持っている GUIツールで簡単に設定可能 ルーティング 持っていない 持っていない GUIツールで簡単に設定可能

62

次に現在のEAI製品の分類をすると Set‑Oriented Transformation に含まれる会社は、Data Ware   House 系のツール出身でありデータの加工、蓄積を得意とする(SmartDB社、Ardent 社、Carleton 社)また、Application Extension Frameworks 含まれるものはコンポーネントベースのツールベンダ ー出身でありトランザクションの制御を得意とする(Visual 社、Forte 社、Supernova 社)。最後に Message Brokers に分類される会社は現在EAIツールとして非常に有名になってきた会社であるが これらのベンダーは CORBA 系の出身である( Oberon 社、Active Software 社、Neon Softwere 社、Vitria  Technology 社、Cross World 社、TSI Software 社、Tibco 社)はシステム間連携の開発を得意とする。 

(1)  EAIの適用事例 

EAIの適用事例を紹介する。AutoDesk 社はリーディング・サプライヤであり、製品は数多い。こ の会社では、配送アプリケーションとしてSAP/Oracle、内部の登録システムとして Informix、故 障の追跡システムとして Scopus/Oracle が使用されている。従来、これらの Information System で は、まず最初にディーラが顧客の情報を入力し、さらに AutoDesk 社側で内部登録システムのために その顧客の情報を入力した。また、顧客から製品が故障したという通知があった場合、ディーラは新 たにその顧客情報を別のシステムに入力しなければならなかった。このように、非常に時間を浪費し ていた。これらの問題を回避するために、Active Software 社の製品を導入した。システム的には夜 間バッチを使用し、システムから別のシステムへ情報を転送した。その結果、顧客情報入力の重複回 避、3つのシステムでの情報の同期が可能となり、今までその仕事をしていた従業員を他の仕事にま わすことが可能となった。 

(2)  日本市場への展開 

米国市場においてEAIツールが徐々に浸透しつつある。前述したように主な用途はERPパッケ ージと既存システムの連携であり、事例も数多く出てきている。しかし、日本市場においてはまだ E AIツールの適用事例は少ない。これは、現在の EAIツールの主な機能がERPパッケージとの 連携にフォーカスしており、日本ではERPパッケージの導入は米国ほど進んでいないからである。

しかし今後は日本市場においても、同じ企業内の既存システム同士の連携、企業内外同士のシステム 連携等は必須となってくる。その際にはより強化されたEAIツールが有力な切り札になるであろう。

また、最近ではEAIを発展させたものとして、WBI(Web Based Application Integration)とい うコンセプトも出てきている。EAIツールを利用すれば、連携の基本設計、その後の追加変更等一 定の作業は残るが、統合化・保守は容易になり、大幅な工数削減が可能になる。重要なことはシステ ム連携によるビジネスのメリット、ROI(投資に対する効果)をしっかり見定めた上で、プライオリ ティを付け戦略的に投資することである。 

 

5.5.3  貿易金融EDIシステム化と関連システムとの連携 

EAIのコンセプト、特徴はすでに明らかになっているが、言い換えると貿易金融EDIはJET RAS,NACCS等の貿易手続きに関する基幹システムとの連携が不可欠である。また、プレイヤ

−各社では経営に重要な各種のシステム化が既に実施され経営になくてはならないものになってい る。これらのすべてのシステムと簡単にかつシームレスな連携を実現させるにはEAIを活用するこ とが近道なのである。また、貿易金融EDIシステムは従来の業務EDPのシステムでもあるが、日 本経済が停滞する中で貿易プレイヤーの構造変革が図られており、プレイヤー社内ではリストラチャ リング要素が大きいものである。このためには、海外も含めた構造変革とビジネスチャンスをベース にした基幹システムの連携の機能がもっとも大切なものである。 

 

63

ドキュメント内 国際取引-2.PDF (ページ 65-68)