77.経済的、社会的、文化的権利に関して加盟国はつぎのことがらを実行すべきであ る:
⒜ 少女たちが直面しているさまざまな障害に対する理解とそれらの克服を目的とし た介入によって、教育に対して先住民族がアクセスできるように制度を改善するこ と;
⒝ 文化に配慮した健康管理のためのサービスに先住民族がアクセスすることができ るようにすること;異なった文化にも適用可能な健康へのアプローチを発展させる ために、国連人口基金(United Nations Population Fund)と汎米保険機構(Pan American Health Organization)によって展開されたグッドプラクティスについて の現存する事例から学び、かつそれにもとづいて新たに構築すること;および、効
果があることが証明されている先住民族が有する伝統的な癒しや健康にかかわる慣 行の強化を支援すること;
⒞ 先住民族女性と少女の FPIC を得たうえで、性と生殖に関する健康に対する サービスを拡大することにとくに留意すること;
⒟ 文化やジェンダーに関する感受性を確かなものとするための、たとえば条件付き での現金送金などの貧困の緩和プログラムを再検討し、改良すること;
⒠ 先住民族コミュニティのあいだでの食糧供給に関する理解を支援する研究への投 資や、先住民族の食糧を得るための権利を保障するためのプログラムを展開するこ と;
⒡ 先住民族コミュニティや先住民族女性が有する文化的な現実に対して、非先住民 族の人びとの感受性を磨くための教材を開発すること。それらの教材は、学校のカ リキュラムや――健康、教育の専門家と合わせて、警察、国境警備官吏、司法職員 などを含む――先住民族にサービスを提供する政府の公務員に対する人権教育にお いても一貫して使用されなければならない。;そして最後に、
⒢ 経済的、社会的、文化的な権利を改良するためのイニシアティブを発展させる場 合には、先住民族女性や少女のニーヅにいかにすれば最もよく合致するかに関して、
あらかじめ彼女たち、そして他の先住民族コミュニティのメンバーと積極的に協議 しなければならない;そして、すべての法、政策、プログラムを展開することに関 して FPIC の原則に則って行わなければならない。
78.市民的、政治的権利に関して加盟国はつぎのことがらを実行しなければならない。
⒜ 先住民族のすべてのこどもの出生は国の制度において公式に登録されること;
⒝ 国と地方の政治的、公的なプロセスに参加する先住民族女性の人数を増やすため の措置を取ること、および、地方および国内政治への先住民族女性の代表を送るた めのクオータ制度創出の可能性を明確にすること;
⒞ 先住民族女性が自らのコミュニティ内において女性と少女を守るために、先住民 族の決定のしくみのなかで先住民族女性がより積極的な役割を担うことができるよ うに、彼女たちがリーダーシップを担うために必要な能力をつけるための資金を投 入する方法を明確にすること;
⒟ 女性の人権のすべての擁護者の活動を保護すること;
⒠ 人権侵害を受けた先住民族女性が確実に裁判に訴えることをできるために、特別
の審判手続きの創設を検討すること。そのような特別な制度によって、権利侵害に 対する一貫した見方を先例として蓄積していくとともに、先住民族女性の個別の ニーズを満たし、先住民族の司法制度との効果的なリンクを確立するために不可欠 のことがらを展開すること、さらには、特定の文化的なニーズをよりいっそう認知 すること、等々を可能とすること。;
⒡ 法律扶助制度や法の解釈、翻訳のサービス、そして彼らの権利やすべての先住民 族女性と少女が利用可能な救済などに関する、文化に配慮した情報を提供するこ と;
⒢ ビジネスと人権に関する指導原理を履行し、人権とビジネスに関する国内アク ションプランを展開する場合において、司法制度が先住民族女性と少女に対する企 業による侵害に対して救済措置を与えるための第一の手段たることを保障するこ と;また、女性の権利の侵害に関する司法へのアクセスを阻止する、任意で私的な 形態の救済措置を合法化しないこと;
⒣ 刑事裁判においてすべての先住民族女性に対してデュープロセスを保障するこ と;そして最後に、
⒤ 多くの先住民族女性が刑事裁判で裁かれていることに関して、その根本原因を国 ごとに探ること;そのような研究に依拠した先住民族女性による犯罪の防止を目的 としたプログラムを展開すること;そしてさらに、可能であれば、裁判以外の犯罪 抑止の方法を検討すること。先住民族女性が刑事施設に収容されている場合には、
人権にもとづく保護が与えられなければならない。
79.先住民族女性と少女への暴力に関して、加盟国はつぎのことがらを実行すべきで ある。
⒜ 女性に対する暴力とその原因、帰結に関する2011年の報告(A/HRC/17/26)に おいて特別報告者が勧告したように、人権の個別性と普遍性に依拠して、女性に対 す暴力に関してホーリスティックなアプローチを開発すること。そのアプローチは、
女性に対するさまざまな形態の暴力とその原因、帰結のあいだに多様な相互連関が 存在することを認識し、さまざまな形態の差別の解消を目指すものである;
⒝ 先住民族に彼らの自決権と両立する法的な管轄権を認める場合に、暴力被害を受 けた先住民族女性と少女が、先住民族コミュニティ内において支援を受けたり、訴 え出たりできない場合に、支援を求めるその他の手段を認めること;
⒞ 先住民族の自決権と、一般市民および権利保持者として先住民族女性と少女を保 護する責任の双方を尊重することのあいだで均衡を保つこと;
⒟ 女子割礼と児童婚を含むすべての形態の女性への暴力が違法な侵害とされること を確証すること;
⒠ 女性に対する暴力に関して先住民族と国、地域的な裁判管轄権の関係を明確にす ること;そして、先住民族女性が裁判手続きを利用でき、かつその手続きが彼女た ちのニーズに配慮したものであること;
⒡ 先住民族女性および少女と意見交換を行い、現在あるグッドプラクティスをさら に拡張する場合に、先住民族コミュニティにおいてより包括的な反暴力と救済プロ グラムを展開すること;
⒢ 先住民族女性と少女が有している、先住民族コミュニティ内において暴力被害を 受けない権利を主張するために、リーダーとしての先住民族女性の能力を高めるこ と;
⒣ 先住民族コミュニティ内におけるドメスティック・バイオレンスの根本的な原因 を探求するために資金を投入し、その防止と救済のためのプログラムを創設するこ と;
⒤ 女性に対する暴力、とりわけ紛争時における暴力を阻止し、また国境警備官や軍 人、警察などの政府公務員が起こしたとされるすべての暴力事件を訴追すること。
80.監督と責任に関して加盟国はつぎのことがらを実行すべきである。
⒜ 監督と責任に関するシステムと強固に結びついた、先住民族女性の権利に関する 行動計画を検討すること;
⒝ ジェンダーやエスニシティ、民族、宗教、言語、領域、あるいは地理上の地域ご とに分断されているデータを収集するための研究と、データ収集システムのために 資金を投入すること。そのようなデータ収集や研究は、先住民族女性と少女の権利 にとくに焦点をあてつつ、人権侵害に関する情報を含まなければならない;
⒞ 持続可能な開発目標を監督することを了解しているターゲットや指標は、先住民 族コミュニティと先住民族女性に関して、目標がどの程度進展しているかを評価し、
推し進めるような方法を含んでいること;
⒟ 先住民族女性の権利に関するより一貫した強力な分析を行うことが、すべての国 際人権機関の監督項目に含まれるように国連と協働すること;そして最後に、