地方分権
=地方自治体は地域のニーズに即するよう公共サービス(地方公共 財など)を配分
⇒「希少な資源」(財源)の有効利用
⇒資源配分効率の改善(パレート改善)
A
A
u
u
* ˆ
B
B
u
u
* ˆ
地域Aの厚生改善
=
地方分権=限られた資源(財源)の中で地域のニーズに応じて公 共支出の選別を促し、取捨選択させる
⇔補助金のばら撒き
c
MBA
公共サービスX の限界便益
コストに見合わない
集権体制における地方の 補助金の要求水準
事業・政策 1
便益÷コスト
「無駄」
事業費
予算規模 優先順位
実施の有無
A
B
C
D
E F
G
H 予算規模
所定の予算規模に対して事業A,B,Cを実地
便益・コスト比率が1を超えてもDの実施は見送り 費用・便益分析
u0
u1
y*
Y=公共事業
-1 A
B
地域厚生水準
YからXへの代替
R
y
地方分権は地域の要求(ニーズ)を全て充足することは意味しない
-プラスの便益のある事業を全て実施することは効率には適わない -「フリーランチ」(ただ飯)はない
本来の地方分権
=限られた予算の中で地域のニーズに応じた予算配分・政策の優 先順位付け
ミクロ効率性とマクロ効率性の区別
-ミクロ効率性:所定の資源制約(利用可能な医療費の総額)
の枠内で「生産効率性」(所定の投入で最大の生産)、あるいは「配 分効率性」(ニーズに応じた資源配分・費用の最小化)の実現
-マクロ効率性:経済規模(GDP)に対する財政規模の適切性 と持続可能性(長期的財政収支の均衡)
財政再建はマクロ効率性の確保、地方分権はミクロ効率性の改善 ⇒補完関係
u0
u1
x y
x*
y*
0
Y=公共事業
X=福祉・医療 -1
A
B
C
地域厚生水準 財政再建
=補助金カット
地方分権=地方の裁量拡充
機会の格差=(地域の努力に依拠しない)財政力・財政運営(公共 財供給)コストの格差
選択の格差=地域のニーズ・選好、優先順位の違い
努力の格差
運の格差=「保険」(リスクシェア)の必要性
⇒政府間財政移転で解消するべきは「機会」と「運」の格差
ただし、現実に観察される格差はすべての要因を含む
⇒実現した格差に基づく財政調整は地方の主体性(選択)と努力へ の誘因を阻害しかねない。
*
uA
*
uB
uˆB
*
YA
*
X A XB*
*
YB
0 Y
X A
B
R
px
選択の 格差
XˆB
YˆB
Rˆ
'
機会の B
格差
ある地域Aでは他地域(例:B)に比べて福祉水準が低い
⇒選択の格差であれば、「他の公共サービス(例:教育)」提供を優先 した結果
ありうる反論
ー地域Aも福祉のためと国に補助金を要求するだろう
ー国が福祉のための補助金を与えれば地域Aの住民も喜ぶ
⇒自分の懐から出した(機会コストを払った)お金ではない!
⇒分権化は自己責任による自己決定を促すもの!
限界的財政責任≠全体的財政責任
⇒質的分権化が要請するのは、限界的財政責任
標準的な支出
地方独自の 支出増
財政移転・
地方債 地方税
限界的財政責任
0
*
uA
A
国からの財 政移転=S 可処分所得
=私的財消費
住民所得
地方税=T
地方公共支出 支出増 -1
地方税増
税と支出 がリンク
異なった地方政府が公共サービス(例:教育・医療)の質の向上、
コストの適正化に向けて様々な試みを行う
⇒「政策実験」(試行錯誤)が可能
例:民間委託、市場化テスト、業績評価、競争促進・誘因づけ等
⇒政策実験を通じて適正なサービス提供体制を「発見」
住民は同様の公共サービス供給の自治体間の成果(質・コスト)の 比較によって居住地域の政策実験の成否を判断
⇒政策の選別・淘汰が促進
集権的に行う場合に比べて新しい政策を試みる社会的リスクも低 い
地域のニーズに即した公共サービス配分=地方政府の「潜在能 力」
⇒潜在能力を顕在化させるかどうかは別の問題
地方政府の権限、能力、誘因の区別
地域住民と地方政府間の「プリンシパル・エージェント問題」
⇒地域住民の厚生を追求するよう「誘因づけ」が必要
「規律づけ」としての政府間(地域間)競争
地域間外部性(スピルオーバー)の存在
⇒ローカル・オプティマム≠社会的最適(効率・公平)
具体的にどの公共政策を分権化するか?
二つのアプローチ
-限定的分権化:集権化がデフォルト
-「補完性原理」:集権化の必要性が挙証されない権限は地方へ 留保(EU)
Money follows functionsの原則:支出権限の配分を受けて財源配
分を決定
⇔ 国と地方の財源の奪い合い=Revenue led decentralization
「地方政府の確立は、自治行政権、(条例により法令の規定への
「上書き」権など条例制定権を含めた)自治立法権、自治財政権を 有する完全自治体を目指す取組みでもあり、その運営は「自由と 責任、自立と連帯」、「受益と負担の明確化」の基本原則にもとづき 展開されるべき」(8頁)
⇒ 国の下部組織としての地方自治体からの脱却
地方の「自治事務でありながら、法令による義務付け・枠付けをし ている場合について・・(中央官庁から)回答がなかったときは、委 員会においては、法令による義務付け・枠付けの必要がないものと いう前提で作業を進める。」(40頁)
⇒ 分権化をデフォルト
地方自治体の 事務・事業
地方自治法 による分類
地方財政法 による分類
法定受託事務=地方自 治法第2条で9で列挙
自治事務=法定受託事務 以外の事務(残余)
補助事業=地方財政法10条 10条の2、10条の3、10条の4、
16条で規定
地方単独事業=補助事業以 外の事業(残余)
残余としての地方分権
「地方の担う事務と責任に見合った地方税財源の充実 確保をはかり、地方自治体が自らの責任で効率的な自 治体経営を行うことができる基盤をつくるためには、・・・
国と地方の税源配分について・・・5:5を念頭におく」
( 地方分権改革推進委員会第1次勧告 ( 2008年5月 ))
「税源移譲が行なわれても、移譲額が国庫補助負担金 廃止に伴い財財源措置すべき額に満たない地方公共 団体については、地方交付税・・を通じて確実に財源 措置を行なう」べき(地方六団体(平成 16 年 8 月)
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