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一緒にカレンダーを細く切ります。長いのや、短いの、太いのや細いの、いろいろな紙ができます。2枚の紙を交差さ せ引っ張り合って相撲をします。
「どっちが勝つ?」
「長いのと短いのどっちが強い?」「太いのと細いのどっちが強い?」「太い方が強い。」
日本語習得のために、「象とうさぎとどっちが大きいですか?」「象の方が大きいです。」のような、わかりきった 会話をするのは、言葉の学びではありません。「どっちかな?」と子ども自身が考えることが学びにつながります。わ かりきったことでは頭は働きません。もう一度やってみたいと思える繰り返しが言語の習得には必要ですが、このよ うな工夫があれば、自然に繰り返し、興味を持って学んでいけます。
「短いのと、2枚重ねたのと、どっちが強い?」
「半分に折ったら?」
もっと強くする過程で言葉が必要になり、言葉も獲得していけるのです。
他にも、カレンダーを「くしゃくしゃ」にしたり、「びりびり」破いたり、「ひらひら」ばらまいたり、オノマトペは、体験 するとわかりやすいでしょう。丸めてボールを作って、「何回足けりできる?」「かごに入れられる?」ただ楽しいだけ ではなく、体験と言葉を結びつけることができます。
★コラム どんなところにも「しかけ」
ある日の日本語教室でのできごと。そろそろ勉強が終わりの時間になるころ、ゆでたジャガイモがお皿にの って出てきました。
「たべる、たべる!」すぐに手が出てきました。
「ちょっと待って!」「これ、足りるかな?」
「子どもは何人」「6人」「大人は何人?」「8人」
「じゃあ、まず、子どもにひとつずつあげる?」「賛成!」
「1,2,3,4,5,6」「残りは何個?」
「4こ、大人は8人、どうする?」「半分ずつだよ」という声も。
「じゃあ、半分にしてみよう」「4個が8個になった」と誰かの声。ひとつずつ渡して「わ~っ、ぴったり!!!」
ジャガイモを分け合って、とってもにぎやかな時間が終了。
ジャガイモさん、ちょうどいい数で協力してくれてありがとう!
「じゃがいもは学校にはないし…」じゃないんです! 「食べ物」は確かに強い魅力を持っています。でも、た だ食べて終わることもできます。大人が均等に配ることもできます。みんなでどうしたらいいか、自分の意見を 言う・聞く・考える・相談する、頭を動かす活動が大事です! 算数の授業で足し算、割り算、分数などを勉強 する前に、こんな体験をすることが必要です。言葉がけひとつで学習につながる「しかけ」になります。
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まだ日本語がわからないからと言って、授業中、1人でひらがなや漢字などを書き続けている子はいませんか。
日本語がわからないからと言って、5年生の子どもに2年生の算数ドリルをさせていませんか。
こういうことを続けていると頭を動かさず、手だけ動かし、それだけで先生に褒められることになります。子どもは 褒められると嬉しいものです。「これでいいんだ」と頭を動かさない癖がつきます。ノートにたくさん書いても覚えて いないし、意味や音とも結びついておらず、貴重な学びの時間が無駄になります。頭を動かさない癖ではなく、早 いうちに「わかった!」「できた!」と勉強が楽しいと感じる癖をつけてあげましょう。
そのためには テキストを閉じて、目の前の子どもを見ましょう。たくさん話をしましょう。大切なのは、子どもの足 りないところを見つけて、必要なものを探すこと。そして日本語が自然に身につけられるような方法や「しかけ」を 考え、その子の未来につながるような「たね」をまくのが私たち大人の仕事なのです。
子どもの力を引き出す日本語指導には
「たね」も「しかけ」もあります。
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