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出所:平成28年度第4回診療報酬調査専門組織・

   DPC評価分科会参考資料よりYCG作成

背景には、平均在院日数が36日であり、一般的な水準とされる約 190日(注1)と比べて約1/6と極端に短いことが関係しているものと 考えられます。追加で調査した結果、対象事業者のHPなどからは 読み取れませんでしたが、厚生局の施設基準の届出状況から療養 病棟入院料の届出が平成29年で施設基準を療養病棟入院基本 料1にランクアップしていることがわかりました。対象事業者は、平 成28年から平成29年にかけて機能転換を図ったため、療養病床 の患者を一定人数退院させた可能性(重症とされる患者割合を 高めるため)があり、療養病床の稼働率や平均在院日数などの指 標が業界平均値と比べて乖離が発生したものと見られます。

注1)平成27年度病院経営管理指標 療養型病院・20床以上49 床以下・医療法人の場合

(ウ)対象事業者に対する仮説

 以上の分析結果から、対象事業者の課題やニーズとして以下 のようなものが考えられます。

□一般病床の稼働率が競合や統計などのベンチマークと比較し て低いため、収支状況が悪く、改善の検討が必要である可能性 が高いと考えられます。

□対象事業者が属する二次医療圏は全体としては患者流出地域 であり、データ上は診療科別に見たときに腎・尿路等の領域で競 合と比較して相対的に優位性があると想定されることから、これら の領域の対象患者が医療圏外に流出している場合には、患者を 取り込むことができないか、検討の余地があると考えられます。

□既存の病床構成で一般病床の稼働率を改善させられない場 合には、当該二次医療圏は将来的に急性期領域が過剰で回復 期領域が不足すると考えられる地域であることから、一般病床の ダウンサイジング(病床数削減)による稼働率の改善や、急性期 機能から回復期機能への一部転換を行うことが、今後の対策と して考えられます。

□療養病床は直近で機能転換(ランクアップ)を行っているた め、入院単価は改善の方向にあると推察されますが、患者を退 院させたため稼働が低下しています。転換後の稼動率改善には 一定の期間を要すると考えられるため、足元の採算性が悪くなり 収支が厳しい状況にある可能性があると考えられます。

 以上のように病院事業関係の公表データは多く、得られる示 唆も非常に多くあります。そのため、本稿で解説した分析のポイン トをおさえることで、対象事業者の基本的な運営状況を把握す るに留まらず、対象事業者の経営課題や改善の方向性立案など の仮説構築までを行う事ができます。なお、公表データは年単位 で古いことがあり、現在の事業運営状況とは必ずしも一致しない ことがあるため、公表データの時点を把握した上で、対象事業者 のHPやその他のなるべく最新の情報を収集することで、より現 在の実態に近い事業者像を想定することが重要です。

  病院事業者の分析の進め方   病院事業者の分析の進め方

※必要病床数は医療機関所在地ベース(患者の流出入が現状のまま継続するものとして推計されたもの)

図表9 二次医療圏内のMDC別患者数上位4疾患群におけるシェア(人)

出所:平成28年度第4回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会参考資料よりYCG作成

※左から順に1位〜4位

(Aから順に二次医療圏内における患者数シェアが降順となる)

出所:平成28年病床機能報告及び平成28年度第4回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会参考資 料よりYCG作成

※二次医療圏内患者数シェア:図表7で使用したデータから算出 出所:地域医療構想及び病床機能報告よりYCG作成

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