一般目標:ラミネートベニア修復法の診療室における処置(形成法,合着法)を習得する。
・ラミネートベニア修復は,審美的補正と歯質の大量削去を避ける目的で応用されている。この修復法はコン ポジットレジンによる直接修復法とアクリリックレジンないしポーセレンによる間接法に分けることができる が,現在は,適合精度の高いポーセレンが使用されることが多い。
・ポーセレンラミネートベニア修復法の術式は,1) 診療室における患歯の処置 2) 技工室におけるベニアの製 作 3) 診療室における患歯へのベニアの合着に分けられる。
・本実習では,ポーセレンラミネートベニア修復の形成について行い,医局員によるデモにより合着手順を習 得する。
STEP 1 歯牙模型の準備
・形成に先立ち,コンポジットレジン修復に使用した修復済み歯牙模型 11 番歯をメラミン模型 11 番歯に交換する。
STEP 2 マネキンの調整・基本的な切削操作のポジション
・確認項目を参照のこと。
<確認項目>
□術者のイスのポジション 12 時 30 分 □マネキンヘッドの位置 左右の回転 0 度
□ 前後の回転 基準位置 □顎模型の開口度 1 横指
□ハンドピース 把持 第 1 指〜第 2 指把持 □ 固定 12 番歯切端
STEP 3 ガイドグルーブ外形線の記入(検印は外形線の欄)
ラミネートベニアの形成法は,まず切端部,中央部,歯頚部にガイドグルーブを付与し,そのガイドグルーブを 目標に形成を行う。図1に示すように,サインペンで切端部,中央部に 3 ヶ所,歯頚部に 2 ヶ所ガイドグルーブ の外形線を記載する。太さはサインペンの太さ(0.5mm)とする。
図1 ガイドグルーブ
STEP 4 ガイドグルーブの付与(検印はガイドグルーブの欄)
ガイドグルーブ外形線に沿ってそれぞれガイドグルーブを付与する。バーは,TR21F(直径 1.1mm)を用い,バー の約半分の深さ(0.6mm)まで歯質に入れる。
[1]切端側ガイドグルーブの付与
[2]中央部ガイドグルーブの付与
[3]歯頚側ガイドグルーブの付与
図2 TR21F 図3 ガイドグルーブ 図4 ポイントの方向
STEP 5 形成(検印は形成の欄)
ガイドグルーブを目標に形成を行い,仕上げ形成が終了した時点で歯頚部,中央部は 0.8mm,切端部は 1.0mm の深さにする。
[1]切端側
今回の実習では切端部の処理は図5に示すように,
切端の唇側歯質のみ除去し,舌側 1/2 の歯質を保存 する方法で行う。なお,辺縁部はポーセレンの厚み を確保するため,辺縁歯質と形成面は鈍角(ほぼ直 角)に形成する。
図5 ラミネートベニア切端形成形態
[2]中央・歯頚側
形成深さは仕上げ形成が終了した時点で 0.8 〜 1.0mm となるが,唇側形成面において形成面数が減少すると中 央部の歯質削去量が多量になるため,3 面形成とする。それでも近遠心歯頚隅角部はエナメル質が非薄なため象牙 質が裸出しやすいが,その場合,露出象牙質面は覆罩ないし裏層する。(今回の実習では行わない。)また,近遠心 的には歯髄腔の彎曲に沿って形成し歯質の削去量を均一にする。隣接面の形成について,接触点は削去する方法と 残す方法の 2 種類がある。臨床ではポーセレンラミネートベニアの側方強度と技工操作を考慮し,接触点は削去 しポーセレンによって回復することが多い。ただし,本実習では接触点を残す形態とし,側方からみた際には隣接 面歯頚部の歯質が見えないように接触点から 2mm 程度,舌側へ形成する。
今回の実習では,形成済歯牙模型を用い医局員によるベニア合着のデモを行う。
ラミネートベニア合着のステップ
[1] 患歯へのベニアの適合チェック [2] ベニア内面の清掃
[3] ベニア内面へのシランカップリング剤塗布 [4] 隣接面へ隔壁を挿入する
[5] 患歯の酸処理 [6] 水洗・乾燥
[7] ボンディング材塗布
[8] レジンセメントによるベニア合着 [9] 溢出レジンの除去
溢出したレジンセメントは重合硬化する前に,完全に除去する。
[10] 可視光線照射
[11] 咬合診査
[12] 隣接部,辺縁部の仕上げ研磨