裡 割
播種後
2か
月o
上部 口中部
△
下部 播種後
4か
月o
上部■
中部
▲
下部
0
Fig9 4‑3
10 20 30
根 の長 さ (cm)
ヤマハギの生育高 と根の長 さ
へ の 仲 長 が 顕 著 で あ り
1.5倍
程 度 と な っ て い る こ と が 確 認 さ れ る 。Fig,4‑4に
根 系 を 掘 削 し た 結 果 の 模 式 図 を 示 す 。 ま た 、 根 系 の 分 布 割 合 をTable 4‑6に
示 し た 。 主 に 植 物 体 の 支 持 に か か わ る 、 太 さ2皿
皿以 上 の 根 の ほ と ん ど(約 90%)は
、 風 化 岩 お よ び 岩 盤 の 亀 裂 内 に 侵 入 し て 植 物 体 を 支 持 し て お り 、 表 面 の 植 生 基 盤 内 に は 全 体 の 1 割 程 度 に と ど ま る 。 平 面 的 な 根 系 の 分 布 は 、 大 部 分 は 斜 面 下 方 に 分 布 し て い る が 、 一 部 は 斜 面 上 方 あ る い は 斜 面 に 垂 直 方 向 に も 分 布 し て い る 。ま た 、 播 種 後
4年
目 に お け る5月
お よ び7月
の 調 査 結 果 を 比 較 す る と 、特 に 、2 mm以
下 の 主 と し て 水 分 吸 収 に か か わ る 根 系 の 発 達 に 大 き な 相 違 が み ら れ る 。 植 物 の 水 消 費 量 が ピ ー ク と な る7月
末 に は2 mm以
下 の 根 系 が 発 達 し 、全 体 的 な 根 の 量(5月
の 測 定 値 は136g、
7月
で は348g)が
数 倍 に も お よ ぶ こ と が 確 認 さ れ る 。 ま た 、 そ の 伸 長 範 囲 も 広 が り 、5月
の 調 査 時 点 で は2 mm以
下 の 根 系 の 分 布 が ほと ん ど 見 当 た ら な か っ た 造 成 植 生 基 盤 内 に も 発 達 が 著 し い 。
7月
に お け る2 mm以
下 の 根 系 の 分 布 割 合 は 、造 成 植 生 基 盤:風
化 岩(岩
盤 )=58:42で
あ っ た(Table 4‑6参
照)。
Table 4‑6
根 系 の 分 布 比 率(重
量 比 )1998年 5月 (根
系 の 全 乾 燥 重 量136g) (単
位:%)
根 系 分 布 範 囲 造 成 植 生 基 盤 内 風 化 岩 盤 内 根 系
2皿
皿未 満根 系
2皿 m以
上5.41 12.37
94.59 87.63
1993年 7月 (根
系 の 全 乾 燥 重 量348g) (単
位:%)
根 系 分 布 範 囲 造 成 植 生 基 盤 内 風 化 岩 盤 内 根 系
2 mm未
満根 系
2皿 m以
上58.04 10,09
41.96 89.10
70
樹
種 :ヤ マハ ギ
生育 高
:H=184cm
幹 直径
:R=2.4cm
地 山 (岩盤)法
面勾配
1:0.7
造成植 生基盤 厚 さ
5cm
Fig.牛 4根 系の伸長模式図 (1993年 7月 調査
)一 方 、 導 入 草 本 の ウ イ ー ピ ン グ ラ ブ グ ラ ス の 根 系 は 、 播 種 後
4年
を 経 過 し た 時 点 で も 、 造 成 植 生 基 盤 内 の み に 分 布 し て お り 、 こ の こ と が 草 本 衰 退 の 一 因 と な っ て い る も の と 推 測 さ れ る 。 さ ら に 、 成 立 し た ヤ マ ハ ギ に よ る 被 圧 も 考 え ら れ る 。 こ れ ら の こ と に よ り 、 耐 陰 性 に 劣 る イ タ チ ハ ギ 。 ウ ィ ー ピ ン グ ラ ブ グ ラ ス な ど の 植 物 は 衰 退 の 傾 向 を た ど っ た も の と 推 測 さ れ る 。
4. 4 4. 4. 1
急 傾 斜 切 土 法 面 に お け る 土 壌 水 分 特 性
27)連 続 繊 維 緑 化 基 盤 の 基 本 的 特 性
(1)連
続 繊 維 緑 化 基 盤 の 団 粒 特 性 と 二 相 分 布Fig。
4‑5に
裸 地 フ ィ ー ル ド の 団 粒 化 度 、Fig。4‑6に
植 生 フ ィ ー ル ド の 団 粒 化 度 を 示 し た 。 い ず れ も 試 料 の 採 取 時 期 は 、1993年 5月
の 集 中 調 査 期 間 で あ る 。 こ れ ら2つ
の 試 験 フ ィ ー ル ド に よ る 団 粒 化 度 の 相 違 は 明 確 で は な く 、 ま た 、 斜 面 の 上 部 と 下 部 と の 差 異 も そ れ ほ ど 顕 著 で は な い 。 し か し な が ら 、 い ず れ の 場 合 も 団 粒 化 度 は 、60%
程 度 を 示 し て い る 。
ま た 、
Fig.4‑7に
は 裸 地 フ ィ ー ル ド に お け る 造 成 成 初 期 と 造 成 後4年
の 三 相 分 布 の 比 較 を 示 し 、Fig.4‑8に
は 同 様 に 植 生 フ ィ ー ル ド に お け る 三 相 分 布 の 比 較 を 示 し た 。 固 相 率 は 、 造 成 初 期 お よ び 造 成 後4年
の 調 査 に お け る 経 時 的 な 変 化 が 少 な い 。 ま た 、 固 相 率 は 斜 面 位 置 に よ る 上 部 と 下 部 の 差 も 顕 著 で は な く 、 概 ね15〜 30%の
範 囲 に 入 る 。 し か し な が ら 、 い ず れ の 調 査 に お い て も 液 相 率 に 関 し て は 、 上 部 に 比 較 し て 下 部 が 高 い 比 率 を 示 す 傾 向 が あ る 。 こ の 傾 向 は 、 特 に 、 植 生 の 蒸 散 の 影 響 が 少 な い と 考 え ら れ る 裸 地 フ ィ ー ル ド に お い て よ り 顕 著 に な る 。 こ れ ら の こ と か ら 、 同 一 時 期 の 三 相 分 布 調 査 に お い て 植 生 の 水 分 環 境 は 、 下 部 が 上 部 に 比 べ て 良 好 で あ る こ と が 示 唆 さ れ る 。こ れ ら の 調 査 結 果 か ら 、 急 傾 斜 切 土 法 面 に 造 成 さ れ た 連 続 繊 維 緑
72
υ
上
中
下
ドキュメント内
緑化困難地の造成植生基盤における植物生育と土壌水分特性に関する研究
(ページ 73-77)