長期入院生徒の床上学習における実践 実践タイトル
●個別学習
■児童生徒実践型
長野県若槻養護学校
森本 高久/内本みさ子
学習の流れ(分) 主な学習活動と内容 ICT 機器・教材、コンテンツ等
本時の展開
導 入
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○タブレットPCを触ってみる。(写真1)
○仲間や先生からのビデオレターがあることを知らせる。
○映像や写真のフォルダーを開き、ビデオファイルの開き方を説明しな がら操作を一緒に行う。(写真2)
・タブレットPC
・動画(ビデオレター)
(操作方法が分からない場合は説明するが、直感的に動 かせるので、動かすのも楽しんでできるように声がけ をする)
展 開
30○本人が開く順番でビデオレターや写真を一緒に楽しむ。
撮影の時の様子を伝えたり、ビデオの補足をしながら、本人の発言を 促す。
・タブレットPC
・動画(ビデオレター)
(撮影の様子などを知らせながら、自分も様子を知らせ てみたいという思いの足がかりにできるようにする)
まとめ
50○ビデオレターの内容を元に、学校の様子などを話す。
○ゲームアプリをしながら、タブレットPCの使い方に慣れる。(写真3)
・ゲームアプリ(和太鼓型リズム・アクションゲーム)(タ ブレットPCを使った活動に見通しが持てたり、楽しみ にできるようにする)
写真1: 触って操作の仕方に慣れる 写真2: 生徒と視点を一緒にしながら活動する 写真3: 位置を工夫しながらゲームを楽しむ
主に活用したICT機器・教材・コンテンツ等とそのねらい
軽量のため、アームを使えば顔の正面で映像を見ることができ、指一本で操作できる。撮影も再生も1台でできるため、
病室への持ち運びも容易である(病院へも申し入れて病室への持ち込みと使用許可をいただけた)。
タブレットPC
動画は、手紙や録音機能だけでは伝わらない表情や動きなど、伝い手の思いがより表現できる媒体である。また、活用 した和太鼓型リズム・アクションゲームはタップする面が太鼓なので大きく、指を動かす動作に負担が少なく、楽しみ ながらタップ・ドラッグの動きを覚えることができるので、この先の活動につながる見通しが持てる。
PC教材
長期の入院で、寝たままで天井だけを見て過ごさなければならない生徒が、明るい表情を少しでも取り戻せるようにしたい。アームでベッドに 固定したタブレットPCで、仲間や先生からのビデオレターを見ることや、ビデオを選択するために指を積極的に動かしたり、映像を介して自ら 話そうとしたりするきっかけをつくる。
本時のねらい
病弱の特別支援学校での実践だが、クラスから諸事情により離れた生徒や不登校の生徒等にも応用可能な事例である。大きな情報機器を持ち運 ぶことなく、病室と外・教室と病室、人と人を容易に繋ぐことができるツールとしての可能性があると考える。また、行動が制限されたなかでも、
利用できるメリットがある。
参考にしてほしいポイント
家庭からの意見として①指を積極的に動かしたり、話をすることで病状の回復が図れるようになった②会話のきっかけになってありがたい③学 校の仲間や先生の表情を見ることができたことで、元気な表情を見ることができた、など嬉しい言葉をいただいた。簡単に映像や音声などを使 いベッドの上と教室をつないだり、病状により行動に制限があっても比較的容易に扱えるツールとして有効な取り組みであったと感じている。
実践の手応え
ビデオを見るたびにコメントを付け加え、会話を楽しもうとする姿があり、ビデオが終わるとすぐ指を伸ばし、次の画像を見 ようとする姿が見られた。
タブレットPCをすすんで触り、ゲームアプリを立ち上げてみたり、触る中で覚えていこうとする姿があった。
情報への関心・意欲・態度
評価の観点
具体的変容 活用効果
ベッド上での生活が3カ月を過ぎ、起き上がることができない状況もあるため、机を利用したり鉛筆で書くことも難しい。そうした日々の生活 の中で自分が積極的に動かせたり、病室の中だけの光景から外への世界の入口であるタブレットPCの興味は尽きず、訪れる先生との会話と同様 に楽しみにして「もっとやりたい。次楽しみにしてるね」との言葉が聞かれる。
児童生徒の反応
自立活動 小 3 年 自立活動 見えるよ、聞こえるよ
タブレット PC を訪問教育の授業で活かす 実践タイトル
●個別学習
■児童生徒実践型
広島県立庄原特別支援学校
伊 藤 千加子
学習の流れ(分) 主な学習活動と内容 ICT 機器・教材、コンテンツ等
本時の展開
導 入
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◯あいさつ
・挨拶の歌にあわせて教員に両手を持ってもらったり、身体をタッチ される。
・タブレットPC(始まりの歌の伴奏を録音してミュージ ックアプリにあらかじめ入れておく)(ベッドサイドで 操作しやすいよう傍に置く)
・音楽データ
展 開
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◯学校の様子を知ろう。(写真1)
・行事の動画を見る。
・お誕生日会の動画を見る。
(児童の体調、様子の確認)
◯光遊び
・タブレットPCのスヌーズレン※を見る。(写真2)
・壁面やパネル、天井に映し出された映像を見て注視や追視をする。
(写真3)(ICTに関連する活動のみ記入)
・タブレットPC(事前に行事の様子を動画にしておく)
・タブレットPC(編集した録画した児童へ向けての誕生 日会を編集しておく)
・動画(学校行事の様子)
・環境音楽アプリ
まとめ
45◯おわりのうた
・おわりの歌にあわせて教員に両手を持ってもらったり、身体をタッ チされる。
・タブレットPC(終わりの歌の伴奏を録音してミュージ ックアプリにあらかじめ入れておく)(ベッドサイドで 操作しやすいよう傍に置く)
・音楽データ
写真1: 録画しておいた学校の行事の様子を見 る
写真2:音と光が融合したアプリを見る 写真3: プロジェクターに接続してパネルに映 し出された画像を見る
主に活用したICT機器・教材・コンテンツ等とそのねらい
タブレットPCに映し出された画像を見ることで注視や追視の練習を兼ねてビジョントレーニングをすることができる。
また、画面サイズが本人にとって一番見えやすい大きさであり、ベッドサイドなど児童の姿勢に合わせて、見る角度を 調整することができる。
タブレットPC
本人の実態から、静止画よりも音声のある動画を注視、追視する傾向にある。親しみのある友だちの学校での様子を映 し出したり、自分にとって身近な楽しみの一つでもあるお誕生日の行事について学校で実施した「誕生日会」を録画し て教材にした。
動画
・家で過ごすことが多い本児童の実態から、学校の様子や季節の変化が伝わりにくい。録画された動画を見ることで、家以外の様子を知ること ができる。
・タブレットPCの画像を見ることで、見る力を伸ばすことができる。
・聴覚優位になりがちな生活を視覚を使うことで、「見る」ことを意識するようになる。
本時のねらい
プレゼンテーションソフトウェアを利用し、録画しておいた画像に効果音やアニメーションを追加することで、よりいっそう興味が持てる動画 に編集できた。また、授業で使用する音楽や歌の演奏をあらかじめICレコーダーで録音したものや、効果音や虫の声などをタブレットPCのミュ ージックアプリに入れておくと、CDプレーヤーをいちいち操作せずにタッチパネルひとつで流すことができる。そのほか、タブレットPCをプ ロジェクターにつなげて映像をパネルや壁、天井に映し出すことで、スヌーズレン※的な活動に使用した。
参考にしてほしいポイント
タブレットPCを使用することで、見ることへの興味が広がった。今後はタブレットPCに絵本を画像として取り入れ、音声や効果音も活用し、
プレゼンテーションソフトウェアで編集した静止画にも興味が持てるように活用していきたい。
実践の手応え
児童にとって「見ているであろう」しかし「何を見て捉えているのか」という、見え方についてはっきりしていない部分が、
タブレットPCを媒体にすることで、「これなら見ていることがはっきり分かる」「これなら長い間見ていられる」ことがはっ きりした。「見る」ことで不思議そうな表情をしたり、好きな色の消防自動車を目で追ったり、笑顔が出たり、手や足を動かし たりなど、「見ることが楽しい」と表現し始めている。
自分の持っている視覚、聴覚、触覚を使ってさまざまな素材を感じ、笑顔や手足を動かすことで感じたことを表現することができる。
評価の観点
具体的変容 活用効果
絵本の読み聞かせではなかなか見せない笑顔など、興味をもった表情を表出するようになった。注視や追視が数分できるようになり、見ること への関心も大きくなりつつある。また、光るものへの関心も大きくなり、光と音の世界を受け入れている様子が見られるようになった。
児童生徒の反応
※スヌーズレン:光、音、におい、振動、温度、触覚等を組み合わせたリラクゼーション