市町村は、通所給付決定保護者が同一の月に受けた障害児通所支援に 要した費用の合計額から当該費用につき支給された障害児通所給付費及 び特例障害児通所給付費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であ るときは、当該通所給付決定保護者に対し、高額障害児通所給付を支給 する。
1 支給の基準
(1)支給額
ア 世帯における利用者負担額が、高額障害児通所給付費算定基 準額((3)①~④の額)を超える場合に、高額障害児通所給付 費を支給する。(世帯での負担額が高額障害児通所給付費算定基 準額を超えないように支給する。)
イ 一人当たりの支給額
・一人当たり支給額・・・(利用者負担世帯合算額(世帯全体の(2)
①~④の合計額)-高額障害児通所給付費算定基準額((3)①
~④の額))×支給決定障害者等按分率(端数が生じた場合は世 帯での負担額が高額障害福祉サービス費算定基準額と同額にな るよう、適宜割り振って端数を処理するものとする。)
・支給決定障害者等按分率=支給決定障害者等利用者負担合算額
(一人当たりの(2)①~③の負担額)/利用者負担世帯合算 額(支給決定障害者等按分率を算定する際には、端数処理しな い。)
(2)合算の対象とする費用
同一世帯に属する者が同一の月に受けたサービスによりかか る①~④の自己負担額を合算する。
① 障害者総合支援法に基づく介護給付費等(介護給付費、訓 練等給付費、特例介護給付費、特例訓練等給付費)
② 障害者総合支援法に基づく補装具費
③ 介護保険に基づく介護サービス費等(高額介護サービス費
・高額介護予防サービス費により償還された費用を除く。)。 ただし、同一人が障害福祉サービス等を併用している場合 に限る。
④ 児童福祉法に基づく障害児通所給付費(高額障害児通所給 付費として償還された費用を除く。)
※ 世帯の特例により、障害者とその配偶者のみの世帯と なっている者については、障害者とその配偶者に係る負担額 のみを合算する。その場合、同一世帯に他の障害者がさらに 存在する場合は、当該障害者については、世帯の特例を使っ ている障害者とその配偶者を除いた世帯分で合算する。
(3)高額障害児通所給付費算定基準額
① 市町村民税課税世帯に属する者(一般)・・・37,200 円
② 市町村民税非課税世帯に属する者(低所得1(③の者を除く), 低所得2)・・・24,600円
③ 低所得1のうち、世帯での(2)①~③の合算額が24,6 00円に満たないが、個人での合算額が15,000円を超 える場合・・・15,000円
④ 生活保護世帯・・・0円
※
それぞれ、生活保護境界層措置の適用を受けている者につい ては、当該額とする。
※
個別減免の適用を受けている者については、個別減免を受け た額を高額障害福祉サービス費算定基準額とする。
(4)障害者総合支援法との切り分け
障害者総合支援法に基づく高額障害福祉サービス費と児童福 祉法に基づく高額障害児通所給付費については、それぞれの法律 から償還される(いずれかの法律でまとめて償還することはしな い。)。
※ 特例措置を含む詳細は「利用者負担マニュアル」を参照。
2 支給手続
高額障害児通所給付費は、いわゆる償還給付であり、市町村は、
支給を受けようとする通所給付決定保護者から利用者負担額の支 払いを証する書類(領収証)を添付した支給申請書の提出を受け て支給を行う。
※ 市町村が任意で受領委任払い方式により、現物給付化をする ことは可能。
(1)支給申請
ア 申請書(様式例は別添(様式例第 13 号)のとおり)
高額障害児通所給付費の支給を受けようとする通所給付決 定保護者は、次に掲げる事項を記載した申請書を市町村に提出 しなければならない(則第 18 条の 26)。
①当該申請を行う通所給付決定の氏名、居住地、生年月日、連 絡先及び受給者証番号
②当該申請を行う通所給付決定保護者に係る利用者負担世帯合 算額
③当該申請を行う通所給付決定保護者に係る通所給付決定保護 者利用者負担合算額
④当該申請を行う通所給付決定保護者と同一の世帯に属する当 該支給決定障害者等以外の支給決定障害者等又は通所給付決 定保護者であって、同一の月に障害児通所給付費に係る通所 受給者証番号
イ 添付書類
申請書には、上記②③に掲げる合算額に含まれる利用者負担 額の支払を証する書類(領収証)を添付しなければならない。
ただし、市町村は、当該事実を障害児通所給付費等明細書など の公簿等によって確認することができるときは、当該書類を省 略させることができる。
ウ 留意事項
世帯に複数の支給決定障害者等がある場合は、各々の支給決 定障害者等ごとに支給申請書を作成し、原則として、同時に支 給申請を受けること。
(2)支給
市町村は、支給決定保護者等から高額障害児通所給付費の支給 申請があったときは、その内容(利用者負担世帯合算額、支給決 定保護者等利用者負担合算額、世帯の高額障害児通所給付費算定 基準額等)を審査し、適正と認められる場合は、支給決定保護者 等ごとに支給する旨を通知するとともに支給処理を行う。
※
支給(不支給)通知の様式例は別添(様式例第 14 号)のとお り※
支給(不支給)に係る決定は、都道府県への審査請求の対象 となるので、その旨の教示を行うこと。(3)基準該当通所支援を利用した場合の特例(運用)
市町村が基準該当通所支援に係る特例障害児通所給付費を受 領委任払いにより現物給付化する場合は、当該基準該当通所支援
に係る利用者負担額も上限額管理の対象とするものとしている。
この場合、基準該当通所支援に係る利用者負担額について負担 上限月額を超えた額は、特例障害児通所給付費の支給対象ではな く、高額障害児通所給付費の支給対象(当該高額障害児通所給付 費の支給対象額を以下「高額障害児通所給付費移行額」という。) となるため、当該ケースに限り、特例的な運用として高額障害児 通所給付費移行額を受領委任払いにより現物給付化する。
ア 請求手続
(「第7 障害児通所給付費等の請求及び支払」を参照)
イ 留意事項
当該運用によって、支給決定保護者等に高額障害児通所給付 費移行額を現物給付した後に、当該支給決定保護者が介護保険 法に基づく給付を受けていること、当該支給決定保護者の属す る世帯に他の支給決定障害者等がいること等により、当該支給 決定障害者等の属する世帯から更に高額障害福祉サービス費の 支給申請があった場合は、現物給付した高額障害福祉サービス 費移行額を含めて改めて高額障害福祉サービス費の支給額を算 定した上、現物給付した高額障害福祉サービス費移行額につい ては既支給額(支給済額)として、当該申請に係る支給額から 控除すること。
第5 支給量の管理