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骨格情報を用いた車椅子利用者検出器

本研究では,多層パーセプトロンを検出モデルとして,車椅子利用者と非車椅子利用者を識 別する検出器を作成する.作成に利用した映像の撮影環境等は 5.1節に記載されている実験

環境と同様である.学習データとして入力するデータには,車椅子利用者と非車椅子利用者 の骨格情報を用いる.ここで,非車椅子利用者は,下記の図 4.12のようなパターンとした.

OpenPoseで得られる骨格情報は上記の通り,画像上の座標データである.検出モデルに入力

する学習データは,その座標データを加工した二次加工データである.一次データを入力した 場合でも,ネットワーク上で同様に二次加工データのような特徴量を抽出することが予想され るため,あらかじめ二次加工データを定義し入力することで,ネットワークのレイヤ数を減ら し,システム全体に要する大きい計算負荷を少しでも抑えることが可能である.そのため本手 法では,キーポイントの座標情報から関節角度や関節間距離の比などを算出し,車椅子利用者 の特徴を含むようなデータに変換することで,車椅子利用者の検出を可能とする.具体的に 以下の9個の二次加工データである(以下のパラメータを骨格二次加工データと呼ぶことと する). 

1. 脇の角度:図4.2 2. 肘の角度:図4.3 3. 膝の角度:図4.4

4. 前腕とX軸のなすの角度:図4.5 5. 脛とX軸のなすの角度:図4.6

6. (左右の肩間のX座標の差) ÷ (左右の手首間のX座標の差):図4.7 7. (左右の手首間のX座標の差) ÷ (肩と足首間のY座標の差):図4.8 8. (腰と足首間のY座標の差) ÷ (肩と腰間のY座標の差):図4.9 9. (腰と膝間のY座標の差) ÷ (膝と足首間のY座標の差):図4.10

骨格二次加工データの算出方法を記述する.関節角度や部位とX 軸とのなす角度など(上 記の15)の,角度を求める方法は,それぞれの各キーポイントの座標情報がわかっているの で,求めたい角を作る線の2つのベクトル成分を求め,次に逆余弦arccosθの値を計算するこ とで角度を求められる.キーポイント間距離(上記の6〜9)の求め方は,単純にキーポイント の座標の差を算出することによって求められる.

以上のような骨格二次加工データを採用した理由を述べる.まず,車椅子利用者は車輪を自 らの手で回す必要があり,その際,脇や肘が特徴的な角度になるからである.3〜5に関して は,車椅子利用者の足や手はほぼ固定されるため,非車椅子利用者との差別化ができるからで ある.6〜9に関しては,車椅子利用者は常に座った姿勢であるため,縦横比が非車椅子利用 者と比べて特徴的であり,非車椅子利用者と比べて差別化しやすいからである.

4.2. 脇の角度

4.3. 肘の角度

4.4. 膝の角度

4.5. 前腕とX軸のなすの角度

4.6.脛とX軸のなすの角度

4.7.(左右の肩間のX座標の差) ÷ (左右の手首間のX座標の差)

4.8.(左右の手首間のX座標の差) ÷ (肩と足首間のY座標の差)

4.9.(腰と足首間のY座標の差) ÷ (肩と腰間のY座標の差)

4.10.(腰と膝間のY座標の差) ÷ (膝と足首間のY座標の差)

表4.1に学習用サンプルの作成条件を,表4.2に撮影条件を示す.使用した車椅子は日本工

業規格 JIS T 9201に定める規格サイズに準じたものを使用した(図4.11).撮影サンプルのイ

メージを図5.1,図4.12に示す.表4.1に示すように,撮影パターンは車椅子利用時では1パ ターン(ア:カメラに正対して直進走行),非車椅子利用時は9パターン(歩行(正面),歩行 (側面),着席(正面),着席(側面),あぐら,体育座り,長座(正面),長座(側面),しゃがみ)

を撮影した.表4.1に示す各撮影パターンにおいて,車椅子利用時は4,000(30fps),非車 椅子利用時は3600枚(30fps)のサンプルを撮影した.

4.11.車椅子の規格[43]

4.1. 学習用サンプル作成条件

協力者A

性別 男

身長(cm) 177

体格 痩せ型

車椅子 ア)直進 4000 歩行(正面) 400 歩行(側面) 400 着席(正面) 400 着席(側面) 400 撮影フレーム数 非車椅子 あぐら 400 体育座り 400 長座(正面) 400 長座(側面) 400 しゃがみ 400

4.2. 撮影条件

画角 73 deg

解像度 1,920 × 1,080 pixels

設置高さ 2.4 m

設置俯角 7 deg

撮影場所 本学日野キャンパス2号棟8F廊下(2.8m,長さ30m) (*)骨格解析時に7.5fps相当に変換

   

4.12. 非車椅子利用者の例

4.3. 検出器の学習データ数の内訳 車椅子利用者のデータ数 400 非車椅子利用者のデータ数 400 学習データ数の合計 800

第 5

評価と考察

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