第四章 機能集積型微細光学デバイスの性能評価
4.1 SU-8 光学ベンチによる光送受信光学系の集積実装
4.1.1 測長機能付き顕微境による構造体の加工精度評価
製作したフェルール付きファイバ固定部のSEM写真を図 4-1に示す。厚膜樹脂構造体壁面 に,高い垂直性が観察できる。またフェルール付きファイバの固定部となる,基板面からの高
さが 1.25mm の部位におけるガイド溝幅を,測長機能付きの顕微鏡で計測した結果,2.497mm
となった。即ち,設計値2.500mmに対し3mの加工誤差で製作できていることが検証された。
また,図4-2で示すように,5つのサンプルでガイド溝幅を測長した結果,最大で5mの加工 誤差であり,製作の再現性は良好であると言える[1]。
図4-1 ファイバ固定部SEM写真
79 4.1.2 光学的手法を用いた構造体の加工精度評価
前項では,マイクロ光学ベンチの製作結果を測長機能付き顕微鏡による計測結果から評価し た。本項では,光学部品をマイクロ光学ベンチに固定した際のファイバの受光強度と,光学調 整ステージを用いてアライメントした際のファイバ受光強度を比較し,マイクロ光学ベンチの 加工精度を考察した。実験装置構成を図 4-3 に,光学調整ステージのズレに伴う受光強度,及 びマイクロ光学ベンチに固定した際の受光強度と位置ずれ量との関係を図 4-4 に示す。なお,
使用したファイバのコア径は100mである。
光学ステージにより,ファイバ及びレンズが調芯された状態(位置ズレ量=0µm)から 1m ず つ移動させることで,ファイバの受光強度は図 4-4 で示すように低下した。その受光強度は,
位置ズレ量0~3mで0.21mV,位置ズレ量4~8mで0.20mV,位置ズレ量9~12mで0.19mV である。一方,マイクロ光学ベンチにファイバを固定した際の受光強度は,図 4-4 の赤帯で示
すように0.20~0.21mVとなった。これは,光学調整ステージの位置ズレ量が0~8mの場合に
図4-2 ガイド溝幅の加工精度のバラツキ
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相当する受光強度である。これにより,製作したマイクロ光学ベンチの加工誤差は8m以内で あることを検証した。
以上のとおり,測長機能付き顕微鏡の計測結果及び,光学的な手法より,マイクロ光学ベン チのガイド溝幅は,目標とした±10m以内の加工精度で形成できていることが確認された。
図4-3 受光強度比較実験装置構成
図4-4 マイクロ光学ベンチ及び調整ステージの受光強度と位置ズレ量との関係
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図4-5に,製作したマイクロ光学ベンチにフェルール付きファイバとレンズを実装したセン サチップの外観写真を示す。実現したセンサのサイズは,紫外吸収分光法について30mm角,
レーザラマン分光法について15×25mmである。また,前述のとおり,マイクロ光学ベンチの ガイド溝の加工精度は良好であり,これによって,光学部品をガイド溝に実装するだけで,高 い光送受信効率が得られる光学系配置が実現される[1]。
図4-5 光学系を実装したマイクロ光学ベンチ
(上:紫外吸収分光法,下:レーザラマン分光法)
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