第 4 章 日本の耐震基準法による耐震安全性の評価
4.1 静的弾塑性解析
長辺方向と短辺方向について、それぞれ立体(3次元)静的弾塑性解析を行った。
4.1.1 部材モデル
柱、梁は端部に剛域を有する線材に置換し、危険断面位置を柱梁フェイスとした。
1)梁のモデル化
梁には曲げ変形およびせん断変形を考慮し、材端ばねモデルで表した。図
4.1に梁部材 のばねモデルを示す。曲げひび割れ強度、曲げ終局強度、曲げ剛性低下率、せん断終局強 度は技術基準解説書に基づいて算定した。せん断ひび割れは考慮せず、せん断および曲げ 降伏後の剛性低下率は初期剛性に対して 1/1000 とした。曲げ終局強度には梁片側
1m のスラブ有効幅を考慮した。梁曲げ剛性には付帯スラブによる剛性増大率として
1.5~2を考慮 した。結果的には梁にせん断破壊は生じなった。
2)柱のモデル化
柱には曲げ変形とせん断変形を考慮し、曲げに対しては軸力変動を考慮したモーメン ト・軸力相関モデルを用いた。曲げひび割れ強度、曲げ終局強度、曲げ剛性低下率、せん 断終局強度は技術基準解説書に基づいて算定した。せん断ひび割れは考慮せず、せん断お よび曲げ降伏後の剛性低下率は初期剛性に対して
1/1000とした。結果的には柱にせん断破 壊は生じなかった。
図
4.1梁部材-ばねモデル
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第
4章 日本の耐震基準法による耐震安全性の評価
.1.2 解析条件
1)コンクリート強度の換算
中国ではコンクリートは、C15~C80 のような等級で分けている。
本設計では強度等級
C30 (Fcu=30N/mm2)のコンクリートを用いている。中国のコンクリー ト強度等級は、日本と違って辺長
150mmの立方体の圧縮試験で得られた強度である。
中国のコンクリートの強度等級を日本のコンクリート基準強度に換算するためには、立 方体から円柱体への強度の換算が必要であり(図
4.2)、ここでは、三浦尚著:土木材料学
(改訂版) ,コロナ社文献を参考して次の換算式を用いた。
Fc= 0.75×Fcu ...
(6)
(Fc:日本のコンクリート基準強度、Fcu:中国コンクリートの強度等級)
中国のコンクリート強度
C30は日本の
Fc22.5に相当した。またコンクリートのヤング係 数、せん断弾性係数は日本の基準式により算定した。コンクリート強度を設計では
14.3 N/mm2としているのに対して、解析では
22.5 N/mm2としていることに留意する必要がある。
図
4.2立方体から円柱体への強度の換算イメージ図
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第
4章 日本の耐震基準法による耐震安全性の評価
2)鉄筋サイズの変換等
解析ソフトには中国の鉄筋サイズ(D8、D14、D20)が無かったので、日本の鉄筋サイズ を使うためにσ
y×Asが同一になるようにσ
yを変えて対処した。なお、主筋の降伏強度を設 計では
360 N/mm2としているのに対して、解析では
440 N/mm2としていることに留意する必 要がある。
3)解析上の仮定
各階で剛床を仮定し、階全体のねじれ変形を考慮した。最下層柱脚固定と仮定した。ま た
P-Δ効果は無視した。4)地震力分布
地震力分布には中国の地震力分布を用いた。中国の水平地震力(外力)分布を図
4.3に示 す。水平地震力(外力)分布は一層の外力を
1に基準化したものである。
また、長期荷重による応力を初期応力として考慮した。
0 1 2 3
1 2 3 4 5 6
長辺方向水平地震力(外力)分布
層数
0 1 2 3
1 2 3 4 5 6
短辺方向水平地震力(外力)分布
層数
図
4.3中国の水平地震力(外力)分布
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4.1.3 解析結果と考察
1)解析結果
長辺方向は
1層メカニズムとなり、短辺方向は
1層~3 層の連層メカニズムとなった。崩
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