進行肺がん-放射線治療の進歩と高精度化
III
期非小細胞肺癌の化学放射線治療 症例のアメリカNational Cancer Data Base
より青=
3D-CRT 1330
例+IMRT 237
例進行肺がん-放射線治療の進歩と高精度化
III
期非小細胞肺癌の放射線 照射方法の変化.IMRT
は2002
年の2%
から2009
年には25%
に.アメリカの
SEER-Medicare database
より.Harris JP, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2014 Mar 15;88(4):872-84.
各照射法による成績の比較.
2D=822
例、3D=5356
例、IMRT=716
例.IMRT
と3D-CRT
でも有意差あり(P=0.02, 0.02)
.Harris JP, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2014 Mar 15;88(4):872-84.
進行肺がん-放射線治療の進歩と高精度化
全 生 存 率
癌 特 異 的 生存 率
しかしながら背景因子を調節すると、
3D-CRT
とIMRT
に有意差のあ るものはなかった.臨床成績には、背景因子を調節しないと
PET
や脳MRI
による病期 診断の進歩による見かけの成績向上や化学療法の影響が含ま れてしまう.Harris JP, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2014 Mar 15;88(4):872-84.
OS=全生存率、CSS=疾患特異的生存率、UGI toxicity=上部消化管毒性
進行肺がん-放射線治療の進歩と高精度化
• 2D→3Dの放射線治療によって、治療成績は確実 に進歩してきました.
• 更なる高精度化⇒初期のIMRTと3D-CRTの比較では
–
肺低線量域増加等による放射線肺炎の増加は認めず.–
腫瘍の呼吸性移動とMLCの作るセグメントのタイミング による線量投与の不確実性による成績低下も認めず.–
しかし食道炎症状などの副作用低減も認めなかった.進行肺がん-放射線治療の進歩と高精度化
進行肺がん-放射線肺炎
本題に入る前に:肺のDVHを出す際、「肺-PTV」で良い?
DVHG=Lung-GTV, DVHC=Lung-CTV(=GTV+8mm), DVHP=Lung-PTV(=CTV+8mm), DVHPc=Lung-PTVc(臨床医任せの一律でないマージン)
リンパ節転移がある場合は、それも含めている.
Wang W, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2013 Aug 1;86(5):956-63.
進行肺がん-放射線肺炎
本題に入る前に:肺のDVHを出す際、「肺-PTV」で良い?
Wang W, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2013 Aug 1;86(5):956-63.
• この論文ではDVHG=Lung-GTVでの平均肺線量が、
症状のある放射線肺炎(Grade2)との相関が有意で 最もp値が小さかったとされています.
• Lung-PTVでの解析、報告も多いです.
(個人的には呼吸移動対策の恩恵が余り得られない ので好きではありませんが)
•
非小細胞肺癌は腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌など包括し た呼称で、腫瘍の持つbiologyは多様です.進行肺がん-放射線肺炎
本題に入る前に:肺のDVHを出す際、「肺-PTV」で良い?
扁平上皮癌 腺癌
Giraud P, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2000 Nov 1;48(4):1015-24.
•
手術標本を用いた顕微的進展範囲の検 討で下記マージンが報告されています–
扁平上皮癌は平均1.09mm、95%含むには6mm、
–
腺癌は平均2.49mm、95%含むには8mm→こういった違いまで反映されているので、
「肺-CTV」も捨てがたいです.
進行肺がん-放射線肺炎
• よく肺のV20Gyが大事と言 われますが… どのDVHカ ーブでも同じリスクとは限り ません.
Kong FM, et al. Semin Radiat Oncol. 2007 Apr;17(2):108-20.
Palma DA, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2013 Feb 1;85(2):444-50.
進行肺がん-放射線肺炎
• 例えば、頸部食道癌IMRTの臨床試験(JROSG12-1) ではこのような形で線量制約がついています.
• しかし肺癌の場合はこれでも不十分な可能性あり.
進行肺がん-放射線肺炎
• 胸膜中皮腫に対する胸膜肺全摘術後、術後胸腔へ の化学放射線療法:IMRT54Gy/30frにて、13例中6例 に致死的放射線肺炎を発症.
• 使用した健常肺のパラメータは、V20Gy < 20%、平均 肺線量(MLD) < 15Gy.
Allen AM, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2006 Jul 1;65(3):640-5.
全患者 肺炎の起き
た患者
肺炎の起きな かった患者
進行肺がん-放射線肺炎
Court LE, et al. J Appl Clin Med Phys. 2009 Apr 28;10(2):2850.
進行肺がん-放射線肺炎
• 兵庫がんセンターからはVS5Gy(cc) = 5Gy以上照射 されない肺の体積も重要と報告.
• よく使われるMLDはV20Gy(%)と相関してしまうことも 多く、VS5Gy(cc)は有用かもしれない.
Tsujino K, et al. J Thorac Oncol. 2014 Jul; 9(7):983-90.
Grade3
以上肺炎(
高度の症状や酸素投与が必要な肺炎)
に対する多変量解析
(肺の線維化のスコア)
自験例
自験例
水色
=5Gy
青色
=10Gy
自験例
自験例
自験例
進行肺がん-放射線肺炎
• 放射線治療効果と、放射線肺炎などの放射 線治療の副作用がせめぎ合う場合が多い
• しかもリスクはDVHだけではなく化学療法の
有無・内容や年齢等によっても変化します
→個々の患者での最適解を目指しましょう!
進行肺がん-最近の臨床試験結果(RTOG0617)
Bradley JD et al. Lancet Oncol. 2015 Feb; 16(2):187-199.
III
期非小 細胞肺癌N=544
R A N D O M
I Z E
60Gy+TC N=166
60Gy+TC+Cetuximab N=147
74Gy+TC N=121
74Gy+TC+Cetuximab N=110
更に追加 化学療法
±
Cetuxim ab
TC=
カルボプラチンとパクリタキセル=
化学療法.2Gy/fx
.特徴:
• 肺原発巣と転移リンパ節に絞った照射野(=IFRT → ENIと言われる予防的リンパ領域照射なし).
• 60Gyと言ってもD95処方.
• 3D-CRTもIMRTも許容.
• 肺はLung-CTV.
進行肺がん-最近の臨床試験結果(RTOG0617)
Bradley JD, et al. Lancet Oncol. 2015 Feb;16(2):187-99.
進行肺がん-IFRTと言ってもD95は大変
isocenterに60Gyを 処方.
10MVXの4門照射.
進行肺がん-IFRTと言ってもD95は大変
同じビーム配置で PTVの95%に60Gy 処方.
isocenterには
79.5Gy処方されて いる.
Bradley JD, et al. Lancet Oncol. 2015 Feb;16(2):187-99.
進行肺がん-最近の臨床試験結果(RTOG0617)
全 生 存
率
74Gy
群の方が治療成績が悪かった!生存期間中央値は
60Gy
で28.7
か月、74Gy
で20.3
か月.進行肺がん-最近の臨床試験結果(RTOG0617)
Bradley JD, et al. Lancet Oncol. 2015 Feb;16(2):187-99.
全 生 存
率
Cetuximab
という分子標的薬を加えても成績は変わらない.
進行肺がん-最近の臨床試験結果(RTOG0617)
Bradley JD, et al. Lancet Oncol. 2015 Feb;16(2):187-99.