Maxwell
2.3. 電磁気学
E-B 対応の中での導体と超伝導体の対応
導体 超伝導体
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
E = 0 B = 0
ρ= 0 i = 0
φ一定 A 一定
渦なし 発散なし (発散あり) (渦あり)
真電荷が遮蔽 真電流が遮蔽
上: 一様な電界中の電束(導体と誘電体)
下: 一様な磁界中の磁束(超伝導体と磁性体)
導体平面(z=0)上のaの位置に線電荷(密度λ)を置いたときの電位と電気力線
超伝導体平面(z=0)上のaの位置に電流 I を置いたときのベクトルポテンシャル と磁束線
A = (0, Ay, 0)
( )
( )
22 2 2
0
4 log x z a
a z
x
− +
+
= +
πε φ λ
( )
( )
22 2 2
0
log
4 x z a
a z
I x A
y− +
+
= +
π
μ
初等電磁気学への超伝導導入のメリット
・電気現象と磁気現象の対称性の向上
・孤立した磁束保存系
⇒ 電磁誘導によらず、磁気力に抗した力学的仕事から静磁気エネル ギーを導出できる
(従来は、電磁誘導による電気エネルギーに換算してから) 逆に、電磁誘導の予測も可能
・真電流の磁化と磁化電流の磁化の分離
⇒ 磁性体の磁化との明確な区別を通して、E -B 対応の高度化に貢献 (導体の静電誘導と誘電体の電気分極の関係に対応)
・電磁誘導に関する統一的記述
⇒ ファラデーの法則とフレミングの右手の法則の統一
(磁束の連続の式より磁束分布の時間変化を磁束の速度として求め ることができる)
超伝導体は特殊な物質でなく、電磁気学的には一般の物質
E-B 対応が根本的なものであれば、電磁気学の完成直後、E = 0 となる 導体に対応して完全反磁性(B = 0)を示す物質を予測しても不思議では ない。
このとき、遮蔽は輸送電流で与えられるため、永久に遮蔽が続くために は、その物質の電気抵抗は0でなければならない
19世紀において超伝導体の存在の予言は可能であった!
(形式的とは言え、それくらいMaxwell理論は有効)
現実には予言した人はおらず、実験では1911年に電気抵抗が0となるこ とが発見され、Meissner効果の発見は1933年
超伝導体の存在
経験的なOhmの法則が成立せず、純粋に物理学的法則に支配されて電 流が決定(Ohmの法則はローカル・ルールに)
⇒ その一つが縦磁界効果
これ以外にも新たな現象の発見、新しい理論が誕生する可能性 改めて超伝導体における電流の決定機構について
超伝導体における電流の流れ方
経験則であるOhmの法則から離れ、純粋に物理的法則から決まる Meissner 状態
London 自由エネルギーの最小化
(London エネルギー)
(変分原理)
London 方程式
( )
20 2 2
0 2
2
1 B + ∇×Β
=
μ
λ
Fμ
2
∇ × ∇ × = 0
+ Β
B λ
(
∇×)
= 0∂
× ∂
∇
∂ −
∂
Β B
F F
混合状態における電流: 臨界状態モデル Irie-Yamafuji モデル
独立変数: B(磁束密度)と v (磁束の速度)
方程式
力の釣り合いの式
磁束の連続の式
電流特性 (フロー比抵抗)
( )
∂ t
− ∂
=
×
×
∇ B
v B
( ) 0
0
p
− =
−
× B v
v B v B
J φ
F η
E J
J =
c+ ρ
f-1η
ρ
f= φ
0B
しかしながら、現象論的モデルによる「仮定」でしかなく 物理的第一原理からの証明がない!
[目的]
静的、もしくは準静的状態に限って臨界状態を表す 力の釣り合いの式を第一原理から導く
この場合、取り扱うのは孤立磁束線系であり、ピン力は可逆 その後、以下の取り扱いが必要
・非孤立系への拡張
・可逆領域から不可逆領域への拡張
対象: Hc1 より十分高い磁界中にある高κ超伝導体 磁気エネルギーとピンニング・エネルギーだけ考慮 凝縮エネルギー(反磁性効果)等は無視
孤立磁束線系に対する変分原理 Lagrange 関数
Up: ピンニング・エネルギー密度 一様な磁束密度 B = B0 からB = B0 + b に変化( |b| << |B0| )
磁界のエネルギー
磁束密度の変化に伴う磁束線の変位 u ( ⊥B0 )
B0方向の微分: , u 方向の微分:
p 2
2 0
1 U
L = B −
μ
( ) (
0 2)
2 0 0 2
0 0
m 2
2 1 2
1 B + b = B + B ⋅b +b
=
μ μ
U
ξ
ζ ∂
+ ∂
∂
− ∂
= u
B
0u B
0( B u ) ( B ) u B u
b = ∇ ×
0× = −
0⋅ ∇ +
0∇ ⋅
ζ∂
∂ ∂ ∂ξ
B0, u方向の単位ベクトル
磁界のエネルギー(一定項を除く)
Euler方程式
第1項: ピン力密度
第2項 電流密度
⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢
⎣
⎡
⎟⎟⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
∂ + ∂
⎟⎟⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
∂ + ∂
∂
− ∂
=
2 2
0 2 0
m 2
2μ ξ ζ ξ
u u
B u U
(
/) (
/)
⎥⎦⎤ = 0⎢⎣
⎡
∂
∂
∂
∂
∂ + ∂
∂
∂
∂
∂
∂
− ∂
∂
∂
ξ ξ
ζ
ξ
ζ
u L u
L L i
u
p p
/ ∂ u = F
−∂U
⎟⎟⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
∂
× ∂
∇
∂ −
× ∂
∇
−
=
×
∇
= μ μ ζ ξ
B0 0 u
0 0
1
1 u B
b J
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
∂ + ∂
∂
− ∂
= 2
2 2
2
0 0
ξ μ ζ
η B u u
i
ξ
ζ
i
i ,
⎟ ⎟
⎠
⎞
⎜ ⎜
⎝
⎛
∂ + ∂
∂
− ∂
2 2 2
2
0 2 0
ξ μ ζ
ξ
B u u
i
ξ ζ
η
i i
i = ×
Lorentz力
第1項: 線張力、 第2項: 磁気圧 力の釣り合いの式
知られた力の釣り合いの式が得られた。
この後
・非孤立系への拡張
仮想変位とPoyntingベクトルによる エネルギーの移動
・可逆領域から不可逆領域への拡張
加算理論と動的理論(Yamafuji-Irie)
これにより、単なる現象論的モデルではなく、臨界状態を 記述する理論として確立
⎟ ⎟
⎠
⎞
⎜ ⎜
⎝
⎛
∂ + ∂
∂
− ∂
=
×
=
22 2
2
0 2 0 0
L ξ
μ ζ ξ
u B u
i B
J F
p
0
0
+ =
× B F
J
ピンニングの加算理論 Coherent potential
近似理論 動的理論
臨 界 状 態 モ デ ル 磁束線の可逆運動
(Campbell) 磁束ピンニングの
臨界状態理論
改めて縦磁界効果について
変分原理によってforce-freeトルクは導かれない
孤立系に対する変分原理では静的な磁界のエネルギーしか考慮しておらず、
非孤立系の場合には電磁誘導でエネルギーが流入
したがって、仮想変位させてPoyntingベクトルから求めるしかない(Force-free 歪み導入の際は蓄積エネルギーが変化しない!)
Lorentz力の場合は磁界のエネルギーを原資として歪を生じえるので、変分原
理が使える(電磁誘導とは無関係)
Josephson は「入力エネルギー=蓄積エネルギー」の関係から非孤立系の平
衡状態を表すものとしてforce-free状態を導いたが、force-free歪を作る場合は 電磁誘導によってエネルギーが流入する
上記の点の見落しがJosephson の理論を縦磁界に応用する際の失敗の原因 この歪みのエネルギーはどうなるか?(問題)
∫
∫
⋅ = ⎢⎢⎣⎡∂∂ ⎜⎜⎝⎛ + ⎟⎟⎠⎞+ ⋅ ⎥⎥⎦⎤=
V
2 0 2
S P 0 d
2 1 2
d 1 V
P S S t B ε E J E
μ
0
P