第5章 電力保安通信設備について
1 電力保安通信設備について
<はじめに>
お客さまが特別高圧受電するにあたり,受電設備等を安全に維持・運用し,電力受給に 際しての保安を確保することを目的に,お客さまと当社給電制御所間で相互に密接な連絡 を行うための専用電話回線(「電力保安通信用電話設備」という)の設置が,『電技』によ り義務づけられております。(設置条件等は,(1)項「電力保安通信設備」を参照願います)
また,設置にあたっては,『有線電気通信法』によって届出が義務づけられております。
こ の 電 力 保 安 通 信 用 電 話 設 備 を 構 成 す る た め に お 客 さ ま と 当 社 の 間 に 通 信 装 置を設置させていただきます。
また,この通信装置を用いて,電力保安通信用電話設備 の他に,より安全な運 用 を 図 る た め の 「 S V 情 報 」 や 電 力 系 統 の 安 定 運 用 の た め の 「 T M 情 報 」 ,効 率 的に検針を行うための「自動検針情報」を収集します。そのために必要な通信設 備も併せて設置させていただきます。これらの通信装置を総称して「電力保安通 信設備」といいます。
お 客 さ ま と 当 社 と の 間 に 設 置 さ せ て い た だ く 標 準 的 な 電 力 保 安 通 信 設 備 の 概 要 を 表 5 - 1 - 1 に,そ の 構 成 を 図 5 - 1-1 お よ び 図 5 - 1 - 2 に 示 し ま す 。
<参考>
標準的には,受電設備を当社系統に連系する場合は図5-1-1 ,発電設備を 当社系統に連係する場合は図5-1-2を適用します。ただし,設置にあたって は,お客さまが接続をご希望される場所や設備の運転状況を確認の上 ,個別に検 討し,ご提案を差し上げます。また ,これらの設備以外にも ,電力系統の保護およ び運用等のため,その他情報が必要な場合もあり,その用途に応じて,キャリヤリレー,
FDなどの信号伝送設備を設置させていただきます。
5-2
表5-1-1 お客さまと当社の間に設置する通信設備の概要
設置する設備等 概要説明 備考
(関係法令等)
①電力保安通信用 電話設備
事業用電気工作物を最も安全に合理的かつ総合的 に運用するため法律により設置が義務づけられて います。給電指令の伝達および故障時の操作指令 伝達などに使用し,電気事業を安全に運営するた めの電話設備です。
電技第50条 電技解釈第135条 ほか
有線電気通信法 第3条ほか
②SV情報
お客さま受電設備の開閉状態,保護継電器の動作 情報,自動受電切替装置の使用状態,FDの動作 状態を当社給電制御所へ送信し,停止操作,切替 操作時の安全の確保および電力系統の効率運用,
故障時の迅速な状況把握による早期復旧を図りま す。
③TM情報 電圧,電力などの計測値を,当社給電制御所へ送信 し,電力系統の安定運用を図ります。
④自動検針設備 検針用サーバから通信回線を介して,遠隔で検針 データを要求・収集します。
電話機
CRT 系統盤
検針用コンピユータ
光通信装置 交換機
光ファイバ ケーブル
電力 センター 等 給電制御所等
光成端箱
計量器
(
④ 自動検針
) ② SV情報
(CB,DS 等 の接点情報)
① 電力保安通信 用電話設備 技術員駐在所等 メーターキュービクル
Arr Arr
お客さま 構内
中部電力設備 お客さま 設備
設備
境界 ・・・
各種情報の流れ
光ファイバ ケーブル 光 ファイバ
ケーブル 統合型
端末装置
バッテリ
③ TM情報(有効電力量)
( )
図5-1-1 電力保安通信設備構成図(統合型端末装置の場合)
5-3
電話機
CRT 系統盤
検針用コンピユータ
光通信装置 交換機
光ファイバ ケーブル
電力 センター 等 給電制御所等
光成端箱
計量器
③TM情報(有効電力量)
④自動検針
② SV 情報
(CB,DS等の接点情報)
① 電力保安通信 用電話設備 技術員駐在所等 19インチラック
Arr Arr
お客さま 構内
中部電力設備 お客さま 設備
設備 境界
・・・
各種情報の流れ
光ファイバ ケーブル 光 ファイバ
ケーブル
簡易型 光通信装置
バッテリ CDT装置
TrD
TM 情報(有効電力等)
③
自動検針 端末
図5-1-2 電力保安通信設備構成図(簡易型光通信装置等の場合)
(1) 電力保安通信設備 ア 電力保安通信用電話設備
電力保安通信用電話設備は,『電技解釈』第135条※1により施設が義務づけられ ています。これは,お客さまの受電所(無人の場合は制御所または技術員駐在所)と 当社給電制御所との間で電力設備を安全に運用するため,相互に緊密な連絡を行う必 要があるためです。故障等で送電線が停止した場合や,設備の点検,保守などの場合 にも,当社給電制御所からこれらの電力設備に対して適切な指示を行うため,常時使 用できる状態とする必要があります。
また,設置にあたっては,『有線電気通信法』第3条により届出が義務づけられて います。((3)項「電力保安通信設備の設置等に関する官庁手続き」を参照)
電力保安通信用電話設備は保安面,技術面,経済面およびお客さま構内の状況など を考慮し最適なものを施設します。表5-1-2に施設する標準的な電力保安通信用 電話設備を示します。
表5-1-2 標準的な電力保安通信用電話設備 設備の種類 説 明 電 話 機 自動式電話機を標準とします。
電 力 保 安 通 信 線
お客さま構内に引き込む通信線は,光ファイバケーブルを標準 とします。
・ケーブルの仕様は電力用規格(D-106)および当社標準仕 様書(通信-B-9527)に準じたものとします。
通 信 装 置 統合型端末装置または簡易型光通信装置を使用します。
5-4
※1 電技解釈第135条から抜粋
【電力保安通信用電話設備の施設】(省令第50条)
第135条 次の各号に掲げる箇所には,電力保安通信用電話設備を施設するこ と。(省令第50条第1項関連)
遠隔監視制御されない発電所,遠隔監視制御されない変電所(これに準ずる場所 であって,特別高圧の電気を変成するためのものを含む。),発電制御所,変電制御 所及び開閉所並びに電線路の技術員駐在所とこれらの運用を行う給電所との間。た だし,次のいずれかに適合するものにあっては,この限りでない。
・遠隔監視制御されない発電所であって,電気の供給に支障を及ぼさず,かつ,
給電所との間で保安上緊急連絡の必要がないもの。
・使用電圧が35,000V以下の遠隔監視制御されない変電所に準ずる場所であっ て,機器をその操作等により電気の供給に支障を生じないように施設した場合 において電力保安通信用電話設備に代わる電話設備を有しているもの。
イ 通信装置
(ア)統合型端末装置
電力保安通信用電話設備の伝送路を構成する設備として,お客さま構内に統合型端 末装置を設置します。
お客さま構内に設置する統合型端末装置は,電力保安通信用電話回線のほか電力設 備等を安全に運用するために必要となる各種通信回線を伝送する装置になります。伝 送する通信回線を表5-1-3に記載します。また,装置構成を図5-1-3,装置 仕様を表5-1-4,装置電源供給方式を表5-1-5に示します。
表5-1-3 統合型端末装置の通信回線内訳 通信回線1 電力保安通信用電話
通信回線2 SV情報・TM情報(有効電力量)
通信回線3 自動検針
統合型端末装置
電力保安通信用電話設備 給電電話I/F
SV情報I/F
自動検針I/F 光 L2SW
I/F
電源部
バッテリ バッテリ (停電耐量
:24時間)
(停電耐量
:24時間)
・・・
SV 情報
(CB,DS 等の 接点情報)
TM情報I/F
計量器
(自動検針・TM情報(有効電力量))
パルス検出器
図5-1-3 統合型端末装置構成(例)
5-5
表5-1-4 統合型端末装置の仕様 装 置
項 目
統合型端末装置
本体 停電時電源供給装置
(バッテリ)
寸 法
幅 250mm以内 230mm以内
奥 行 200mm以内 200mm以内 高 さ 400mm以内 280mm以内 形 状 壁掛型または卓上据置型
壁掛型または卓上据置型
(バッテリ停電耐量:24時間
(1台)または48時間(2台))
供給電源 AC110V
本体からDC12Vで充電し,
停電時に本体へ電源を 供給する。
消費電力 AC110V・最大負荷時32.5VA以下 表5-1-5 統合型端末装置の電源供給方式
電源供給方式注1注2 バッテリ注3
台数 その他に設置する装置
1 VCT2次側 1台または
2台 2 お客さまAC100V(予備線契
約・無停電系統)借用 1台 3 お客さまDC110V(無停電系
統)借用 1台 DC110V/AC100Vインバータ 4 お客さまAC100V 1台または
2台
<注意事項>
1 統合型端末装置の電源供給方式は,保守性,経済性を考慮し、お客さまとご相 談の上、選定させていただきます。
2 統合型端末装置への電源(電源供給方式2,3,4)を停止する場合は,当社 通信設備の監視箇所で警報が発生することから,停電開始日時,復電日時お よび連絡先(ご担当者さま)について,前月初めを目途に当社までご連絡を お願いいたします。
3 バッテリは,経年劣化や充放電により停電耐量が低下するため,定期的な取替 を当社で実施いたします。取替は,空調設置場所で5年,空調未設置場所で 3年を目安に実施いたします。
5-6 (イ) 簡易型光通信装置
電力保安通信用電話設備の伝送路を構成する設備として,お客さま構内に簡易型光 通信装置を設置します。電力保安通信用電話回線のほかに系統運用上必要な情報や検 針情報を伝送するために,CDT装置および自動検針装置をあわせて設置します。伝 送する通信回線を表5-1-6,表5-1-7に記載します。また,装置構成を図5
-1-4,各装置仕様を表5-1-8および表5-1-9,表5-1-10,装置電 源供給方式を表5-1-11に示します。
表5-1-6 簡易型光通信装置の通信回線内訳 通信回線1 電力保安通信用電話
通信回線2 SV情報・TM情報(有効電力量・有効電力等)
表5-1-7 自動検針端末の通信回線内訳 通信回線1 自動検針
簡易型光通信装置
(自動検針・有効電力量)計量器 SV 情報
(CB,DS等の 接点情報)
電力保安通信用電話設備
入力部
電源部 CDT装置 多重
変換部 光
I/F
電源部
バッテリ 自動検針
端末
(無線)
・・・
TrD TM 情報
(有効電力等の 情報)
P
図5-1-4 簡易型光通信装置・CDT装置・自動検針端末による構成(例)
表5-1-8 簡易型光通信装置の仕様 装置
項目
簡易型光通信装置(4chタイプ)
本体 停電時補償部
8時間型 長時間(48時間)型 寸
法
幅 213mm以内 430mm以内 520mm以内 奥 行 300mm以内 350mm以内 300mm以内 高 さ 92mm以内 120mm以内 350mm以内 形 状
標準架取付型 ラック取付型 卓上据置型
標準架取付型 ラック取付型 卓上据置型
標準架取付型 ラック取付型 床面据置型 重 量 4kg以内 12kg以内 45kg以内 消費電力 AC100V・バッテリ充電時250VA以下
DC110V・通常時33W以下
使用環境 性能保証範囲:温度:0~40℃ 湿度:40~85%
※本装置は,建物内(屋内)に設置させていただきます。