4‑1. 障害関連団体による活動
*団体リストについてはAnnex1 を参照。
公共福祉局およびタイ身体障害者協会は、県レベルでの障害者クラブの設立を全国に おいて支援した。これらのクラブのほとんどはリーダーシップ訓練を実施している。
政府はこれらのクラブに対し、一部財政支援と人的支援を行っている。
タイで活動している障害関連の NGO は、障害当事者団体とサービス提供団体に分け られる。前者の典型例は、全国で1万2000人の会員を抱える最大規模の障害者団体で あ る タ イ 障 害 者 イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル ( DPI-Thailand: Disabled Peoples’
International-Thailand)である。タイDPIは以下の4つの組織で構成されている。
1. タイ身体障害者協会
2. タイ盲人協会(Thailand Association of the Blind)
3. タイ全国聴覚障害者協会(National Association of the Deaf in Thailand) 4. タイ知的障害者協会(Association for the Retarded of Thailand)
典 型 的 な サ ー ビ ス 提 供 NGO は 障 害 児 財 団 、 レ デ ン プ ト リ ス ト 障 害 者 職 業 学 校
(Redemptorist Vocational School for the Disabled Persons)、視覚障害者技術開発センタ ー(Skill Development Centre for the Blind)、ドイツのキリスト教系NGOであるCBM
(Christian Blind Mission)と慈善の娘修道会(Daughter of Charity)などである。これ らの NGO は障害者に対して直接サービスを提供しており、農村部や地方の郡を網羅 している。このようなサービス提供型 NGOは、タイに 100 団体以上あると言われて いる11。
4-2. 国際機関・その他の機関の障害分野に関する援助実績
*援助実績のリストについてはAnnex 2.を参照 国際機関・その他機関の援助実績
国連教育科学文化機関(UNESCO)は障害児の教育を中心に政府や NGO と協力を行 っている。1993年には特殊教育に関するワークショップを開催し、後にイギリスのセ ーブザチルドレンと共同で統合教育プロジェクトを行った結果、1997年現在8項の普 通学級に24 名の障害児が学んでいる。また、UNESCO はキリスト教視覚障害者財団
11 JICA(1999年)タイにおけるJICAの障害者支援に関するテーマ別評価リポートp39
NGO
実施したり、障害者の普通学級での受け入れに関するガイドライン12を作成したりし ている。
国際連合食料農業機関(FAO)は、障害者対象の農業技術職業訓練コースを実施して いる。タイで需要の高いきのこ栽培の分野で、タイ政府と連携協力し技術訓練のパイ ロットプロジェクトを実施した13。また国際労働機関(ILO)は、政府行政官対象のス タッフ訓練プログラムを実施した14。イギリスの VSO(公的ボランティア)およびドイ ツのCBMは、公的機関やNGOに人材を派遣している15。
国際NGO に関しては、障害者インターナショナルが 1999年 4 月にアジア・太平洋地 域本部をフィリピンのマニラからタイのバンコクに移した。この事務所の移転により バンコクはアジア・太平洋地域の障害者活動の中心となった。世界盲人連合(World Blind Union)や世界ろうあ連合(World Federation of the Deaf)など障害当事者により 運営されている国際 NGO は、独自の会員組織・活動を持っている。リハビリテーシ ョンインターナショナル(Rehabilitation International)はヨーロッパやアメリカで影響 力のある専門家集団の国際NGOであるが、タイでは目立った活動は行っていない。
その他活発なNGOは、ハンディキャップインターナショナル(補そう具・矯正具の生 産)、ヘルプエイジインターナショナル(Help Age International、老齢者向け活動)、CBM
(視覚障害者の支援)、ヘレンケラーインターナショナル(Helen Keller International) およびセーブザチルドレン基金である。障害者当事者団体および専門 NGO は、将来 包括的な障害者支援システムを組織的に発展させるために協調することが望まれてい る16。
日本の援助実績
障害者リハビリテーション委員会によると、日本は政府間レベルにおいて障害者支援 の分野での最大の援助国である。民間レベルでは朝日新聞厚生事業団、清水財団、日 本ろうあ連盟、FHCY17、ヒューマンケア協会、アジア・ディスアビリティー・インス
12 JICA, タイ・インドネシアプロジェクト形成調査 (障害者福祉政策) 日本語版 p61
13 JICA, タイ・インドネシアプロジェクト形成調査 (障害者福祉政策) 日本語版 p62
14 JICA(1999年)タイにおけるJICAの障害者支援に関するテーマ別評価リポートp40
15 JICA(1999年)タイにおけるJICAの障害者支援に関するテーマ別評価リポートp40
16 JICA(1999年)タイにおけるJICAの障害者支援に関するテーマ別評価リポートp32
17 前「横浜障害児財団連絡事務所(Yokohama Liaison Office for the Foundation of Handicapped
)」はアジアにおける障害者福祉のための国際的協力活動を実施している。
ティテュート18などの幾つかの団体による小規模な協力が行われている。
障害者の社会福祉に関する国際協力事業団(JICA)の主要プロジェクトの一つは、1983 年に開始された労働災害リハビリテーションセンターである。医療・職業リハビリテー ション施設の分野で7年以上にわたりプロジェクト方式技術協力が実施され、労災に よる身体障害者の職業的自立を促進した。また2001 年12月現在、4 人の青年海外協 力隊員が、障害児施設・学校の養護教員や作業療法士として活躍し、さらに労災リハビ リテーションの専門1名が派遣されている。草の根無償資金援助における障害関連プ ロジェクトの割合は依然として低いが、近年徐々に増加傾向にある。またバンコクだ けでなく農村でのNGOの支援が活発に行われている19。
18 JICA(1999年)タイにおけるJICAの障害者支援に関するテーマ別評価リポートp40
19 JICA(1999年)タイにおけるJICAの障害者支援に関するテーマ別評価リポートp62