県内で人的被害が最大となる宇都宮県庁直下地震 M7.3 ケース 1 を例とし、今後の防 災への取組がどの程度の減災効果を及ぼすかを試算した。
想定シーンは、想定項目毎に被害が最大となるシーンを選択し、人的被害を冬・深夜、
風速 10m/s、それ以外を冬 18 時、風速 10m/s とした。
減災効果を有する取組は多数あるが、ここでは次の仮定で試算を行った。
①建物の耐震化率 100%と仮定
旧耐震基準の建物を新耐震基準に改善した場合を想定する。既に新耐震基 準の建物は、現状のままとする。
建物の構造を新耐震基準にすることで、建物基礎が強固となり、液状化に 対する強度も増加すると考える。
②急傾斜地崩壊危険箇所等の土砂災害危険箇所・区域の対策整備率 100%と仮定 急傾斜地崩壊危険箇所等の対策を完了した場合を想定する。
③家具等の転倒・落下防止対策実施率 100%と仮定
家具の転倒・落下防止対策を行うことで、転倒や落下が発生しないことと する。
④ブロック塀等の転倒防止等実施率の向上 100%と仮定
ブロック塀、 石塀、 コンクリート塀および自動販売機の転倒防止対策を 100%
完了させ、転倒が発生しないこととする。
⑤電熱器具等からの出火を防止する感震ブレーカー等の設置率 100%と仮定 感震ブレーカーを設定することで、倒壊しない建物の「火気器具、電熱器 具」から出火しないこととする。
⑥家庭用消火器等の消火資機材保有率の向上等による初期消火成功率の向上
(仮定)
現状初期消火率 改善後 初期消火率 震度6弱以下:67% 震度5:78.6%
震度6強:30% 震度6:67.0%
震度7:15% 震度7:43.9%
改善後の初期消火率:首都直下地震防災戦略における被害軽減量の算出手法について
1 人的・物的被害の減災効果
(1) 建物の耐震化率の向上
本県の住宅の耐震化率は、現状で 71%である。今後、防災の取組として、建物等
の耐震化、非耐震建物の建て替えなどにより、県内の建物の耐震化率が 100%になっ
たと仮定して減災効果を算定した。このとき、耐震化とは、旧耐震基準(1980 年以
前の建物)が全て最新の建物と同等の耐震性を備えた場合としている。
I-339 ア 建物被害の軽減
図Ⅰ.8-1 揺れによる建物被害の軽減
イ 人的被害の軽減(冬・深夜 風速 10m/s)
図Ⅰ.8-2 建物倒壊・火災による人的被害の軽減
I-340 ウ 生活への影響の軽減(冬・夕方 18 時 10m/s)
図Ⅰ.8-3 避難者数の軽減
(2) 家具等の転倒・落下防止対策実施率の向上(冬・深夜 風速 10m/s )
図Ⅰ.8-4 家具等の転倒・屋内落下物による人的被害の軽減
I-341
2 経済被害の減災効果
建物の全壊棟数、半壊棟数の軽減および人的被害の軽減により間接被害にも減災効果 が及ぶ。
図Ⅰ.8-5 経済被害の軽減
I-342