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ここで、位相群とその準同型について簡単に復習しておく。

$\mathbb{R}=$

{ 実数全体 }

とおく。 この時、 次が成り立っている。

1 $)$ $x,$ $y,$$z\in \mathbb{R}$ に対して、 $(x+y)+z=x+(y+z)$ を満たす。

2 $)$ $x+0=0+x=x$ である。

3$)$ $x\in \mathbb{R}$ に対して、$x+x’=x’+x=0$ を満たす$x’\in \mathbb{R}$ が存在する。

実際、$x^{f}=-x$ である。

$\mathbb{R}^{+}=$

{ 正の実数全体 }

とおく。 この時、 次が成り立っている。

1 $)$ $x,$$y,$$z\in \mathbb{R}^{+}$ に対して、 $(xy)z=x(yz)$ を満たす。

2$)$ $x\cdot 1=1\cdot x=x$ である。

3$)$ $x\in \mathbb{R}^{+}$ に対して、$xx’=x’x=1$ を満たす$x’\in \mathbb{R}^{+}$ が存在する。

実際、$x’=\frac{1}{x}$ である。

一般に空でない集合 $G$ に演算 $\circ$ が定義されている時、 つまり、$x,$$y\in G$

対し、 $x\circ y\in G$ が定義されていて、次を満たす時、$G=(G,\circ)$ は群と呼ばれ

ている。

1 $)$ $x,$ $y,$$z\in G$ に対して、 $(x\circ y)\circ z=xo(y\circ z)$ を満たす。

2 $)$ $e\in G$ が存在して、$x\circ e=eox=x$ である。 $e$ $G$ の単位元と呼ばれ

ている。

3$)$ $x\in G$ に対して、$x\circ x^{f}=x^{f}ox=e$ を満たす$x^{f}\in G$ が存在する。

$x’=x^{-1}$ と表され、$x$ の逆元と呼ばれている。

$\mathbb{R}=(\mathbb{R}, +)$ は加法に関して群である。 また、$\mathbb{R}^{+}=(\mathbb{R}^{+}, \cross)$ は乗法に関して

群である。

更に群 $G$ が位相空間であって、$G$ の演算が連続となっている時、 つまり、

4$)$ $G\cross G\ni(x, y)\mapsto xoy\in G$ が連続。

5$)$ $G\ni x\mapsto x^{-1}\in G$ が連続。

の時、 $G$ は位相群と呼ばれている。

$\mathbb{R}=(\mathbb{R}, +)$

$\mathbb{R}^{+}=(\mathbb{R}^{+}, \cross)$ は位相群にもなっている。

$G=(G,\circ)$ から群$H=(H, *)$ への写像 $f$

$f(x\circ y)=f(x)*f(y)$

を満たすとき、$f$$G$から $H$への (群として) 準同型であると呼ばれている。

上述の関数の性質を位相群の準同型という観点から整理しておくと次のよう になる。

性質1. 関数 $f(x)=ax$ $f$ $(\mathbb{R}, +)$ から $(\mathbb{R},’+)$ への連続な準同型である。

性質2. 関数 $f(x)=x^{2}$ $f$ $(\mathbb{R}^{+}, \cross)$ から $(\mathbb{R}^{+}, \cross)$ への連続な準同型で ある。

性質3. 関数 $f(x)=a^{x}$ $(a>0)$ $f$ $(\mathbb{R}, +)$ から $(\mathbb{R}^{+}, \cross)$ への連続な準 同型である。

性質4. 関数 $f(x)=\log_{a}x(a>0, a\neq 1)$ $f$ $(\mathbb{R}^{+}, \cross)$ から $(\mathbb{R}, +)$ への

連続な準同型である。

$T=$

{ 絶対値 1 の複素数全体 }

は複素数の積で位相群となり、 1次元トーラ スと呼ばれている。 この時、 三角関数の加法定理により、次が言える。

性質5. 関数 $f(x)=e^{ix}=\cos x+i\sin x$ $f$ $(\mathbb{R}, +)$ から $(T,\cross)$ への連続 な準同型である。

次のステップとして、上記の性質の逆の問題を考える。 ここでは、 準同型と いう代数的な構造と位相的な構造 (関数の連続性) がどこまで具体的な関数を 規定するのかという点が主要テーマとなる。

問題1. 連続関数 $f(x)$ が、任意の実数 $x,$ $y$ に対し、$f(x+y)=f(x)+f(y)$

を満たすとき、$f(x)=ax$ と表されることを示せ。

問題2. 連続関数 $f(x)$ が、 任意の正の実数 $x,$$y$ に対し、$f(xy)=f(x)f(y)$

を満たすとき、$f(x)=x^{\alpha}$ ($\alpha$ は実数) と表されることを示せ。

問題3. 正の値をとる連続関数 $f(x)$ が、任意の実数 $x,$$y$ に対し、$f(x+y)=$

$f(x)f(y)$ を満たすとき、$f(x)=a^{x}(a>0)$ と表されることを示せ。

問題4. 連続関数 $f(x)$ が、任意の正の実数 $x,$$y$ に対し、$f(xy)=f(x)+f(y)$

を満たすとき、$f(x)=\log_{a}x(a>0, a\neq 1)$ または $f(x)=0$ であることを

示せ。

問題5. 一次元トーラス $T$ (絶対値1の複素数) に値をとる連続関数 $f(x)$

が、 任意の実数 $x,$$y$ に対し、 $f(x+y)=f(x)f(y)$ を満たすとき、$f(x)=e^{iax}$

($a$ は実数) と表されることを示せ。

問題3の解法の一例 1. $x$ が自然数 $n$ のとき

$n=1$ の時を出発点として、 自然数に関するペアノの公理と深く関連する数

学的帰納法を用いる。

$f(1)=a$ とおく。 準同型の性質より、$f(2)=f(1+1)=f(1)f(1)=a^{2}$ とな る。 $f(k)=a^{k}$ と仮定すると、$f(k+1)=f(k)f(1)=a^{k}\cdot a=a^{k+1}$ となるので、

数学的帰納法より、 自然数 $n$ に対して $f(n)=a^{n}$ が成り立つ。

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