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鋼 橋

ドキュメント内 Microsoft Word - 第2章 橋梁設計.doc (ページ 70-92)

第2節 橋梁設計

4 鋼 橋

4-1 鋼橋の設計 4-1-1 適用

鋼橋の設計はこの要領によるほか、道示I共通編及びⅡ鋼橋編、鋼道路橋設計便覧、鋼 道路橋設計ガイドライン(案)、鋼道路橋の細部構造に関する資料集、鋼道路橋の疲労設計 指針によることを原則とする。

4-1-2 鋼材 (1)標準とする鋼材

構造物に使用する鋼材は、道示I共通編3章に示されているものを標準とする。鋼材 は、表2-46 及び表2-47 に示す規格に適合するものを標準とする。

ただし、溶接を行う鋼材は、JIS G3106 及び JIS G3114 の規格に適合するものを原則 とする。

表2-46 鋼 材(J I S)

鋼材の種類 規 格 鋼 材 記 号 1)構造用鋼材

JIS G 3101 一 般 構 造 用 圧 延 鋼 材 SS 400

JIS G 3106 溶 接 構 造 用 圧 延 鋼 材 SM400、SM490、SM490Y、

SM520、SM570 JIS G 3114 溶 接 構 造 用 耐 候 性 熱 間 圧 延 鋼 材 SMA400W、SMA490W、

SMA570W 2)鋼 管

JIS G 3444 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 STK400、STK490 JIS A 5525 鋼 管 ぐ い SKK400、SKK490 JIS A 5530 鋼 管 矢 板 SKY400、SKY490 3)接合用鋼材

JIS B 1186 摩 擦 接 合 用 高 力 六 角 ボ ル ト ・ 六

角 ナ ッ ト ・ 平 座 金 の セ ッ ト F8T、F10T

JIS B 1180 六 角 ボ ル ト 強度区分 4.6、8.8、10.9 JIS B 1181 六 角 ナ ッ ト 強度区分 4、8、10 4)溶接材料

JIS Z 3211 軟 鋼 用 被 覆 ア ー ク 溶 接 棒 JIS Z 3212 高 張 力 鋼 用 被 覆 ア ー ク 溶 接 棒 JIS Z 3214 耐 候 性 鋼 用 被 覆 ア ー ク 溶 接 棒 JIS Z 3312 軟 鋼 及 び 高 張 力 鋼 用 マ グ 溶 接 ソ

リ ッ ド ワ イ ヤ JIS Z 3313

軟 鋼 、 高 張 力 鋼 及 び 低 温 用 鋼 用 ア ー ク 溶 接 フ ラ ッ ク ス 入 り ワ イ

JIS Z 3315 耐 候 性 鋼 用 炭 酸 ガ ス ア ー ク 溶 接 ソ リ ッ ド ワ イ ヤ

JIS Z 3320 耐 候 性 鋼 用 炭 酸 ガ ス ア ー ク 溶 接 フ ラ ッ ク ス 入 り ワ イ ヤ 炭 素 鋼 及 び 低 合 金 鋼 用 サ ブ マ ー

道示 I (H24. 3) 3.1

表2-47 鋼 材(J I S 以外) 5)鋳鍛造品

JIS G 3201 炭素鋼鍛鋼品 SF490A、SF540A JIS G 5101 炭素鋼鋳鋼品 SC450

JIS G 5102 溶接構造用鋳鋼品 SCW410、SCW480 JIS G 5111 構造用高張力炭素鋼及び低合

金鋼鋳鋼品 SCMn1A、SCMn2A JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 S35CN、S45CN JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 FC250

JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 FCD400、FCD450 6 ) 線 材

線材二次製品 JIS G 3502 ピアノ線材 SWRS

JIS G 3506 硬鋼線材 SWRH

JIS G 3536 PC鋼線及びPC鋼より線

SWPRl SWPDl SWPR2 SWPR7 SWPR19 JIS G 3549 構造用ワイヤロープ

7)棒 鋼

JIS G 3112 鉄筋コンクリー卜用棒鋼 SR235、SD295A、SD295B、

SD345、SD390、SD490 JIS G 3109 PC鋼棒 SBPR785/1030

SBPR930/1080 SBPR930/1180

8)その他 JIS G 1198 頭付きスタッド 呼び名 19, 22

鋼材の種類 規 格 鋼 材 記 号

接合用鋼材

摩擦接合用トルシア形高カボルト・六角ナット・

平座金のセット (日本道路協会) S10T 支圧接合用打込み式高力ボルト・六角ナット・

平座金暫定規格 (日本道路協会) B10T、B8T

線材二次製品

平行線ストランド (日本鋼構造協会規格)

被覆平行線ストランド(日本鋼構造協会規格)

4-1-3 板厚による鋼種選定標準

鋼板は主応力部材として、SS400、SM400、SM490、SM490Y、SM520、SM570 材を使用するものとする。

表2-48 板厚による鋼種選定標準

鋼種は板厚により表2-48 に基づいて選定するのを標準とする。

板厚が 40mm をこえる場合は、降伏点または耐力が JIS による鋼材の他に、板厚により降 伏点または耐力が変化しないことを保証された鋼材も使用することができる。この場合は 鋼種の名称(SM400C、SM490C、SM520C、SM570、SMA400CW、SMA490CW、

SMA570W)の後に“-H”を付記して JIS 規格材と区分すること。

板厚が8mm 未満の鋼材については、道示Ⅱ鋼橋編 4.1.4 及び 8.4.6 による。

道示Ⅱ (H24. 3) 1.6

4-1-4 添接用鋼材及びジベル (1)添接用鋼材

高カボルトを使用する。

高カボルトについて摩擦接合用トルシア形高カボルトを標準とする。

使用はボルト等級 S10Tを標準とする。(沖縄地区鋼橋塗装マニュアル(案)に示す 防錆処理ボルトを原則とする。)

(2)ジベル

ジベルは JIS B1198 「頭付きスタッド」の使用を標準とする。

径はφ19、φ22mm を標準とする。

4-1-5 使用鋼材の選定にあたっての留意事項 (1)普通鋼材

SS400 規格品材をさし、橋梁への適用を非溶接部材に限定することとする。

(2)高張力鋼材

高張力鋼材は現在、引張強さ 490N/mm2~720N/mm2程度が橋梁部材として使用さ れるようになった。[SM490A、SM490B、SM490C、SM490YA、SM490YB、

SM520C、SM570 等]

鋼材の使用については、構造及び経済性を比較検討した後採用すること。

原則として、SM490Y相当を使用し、必要に応じてSM570 を使用するものとする。

4-1-6 疲労設計 (1)概要

鋼橋の設計にあたっては、疲労の影響を考慮しなければならない。また、道示Ⅱ鋼 橋編では、新たに疲労設計が章立てされ、照査方法、疲労強度が規定されたほか、疲 労耐久性の照査に用いる強度等級の前提として溶接継手部の仕上げが定められた。

(2)基準

○道路橋示方書・同解説Ⅱ鋼橋編 平成 24 年3月 日本道路協会 ○鋼道路橋の疲労設計指針 平成 14 年3月 日本道路協会 ○鋼橋の疲労 平成 9年5月 日本道路協会

道示Ⅱ (H24. 3) 12.5.8

道示Ⅱ (H24. 3) 1.6

(3)疲労設計の流れ

疲労設計の流れを以下に示す。

注)疲労に対する安全性が確保されているとみなしてよい条件をすべて満たす場合は省略可能。

※1)照査①:一定振幅応力に対する応力範囲の打切り限界を用いた照査

※2)照査②:累積損傷度を考慮した疲労照査

※3)再検討:継手位置の変更、継手形式や構造の変更等の検討を行ったのちフローの適切な段階から 再度検討する。

疲労設計指針 (H14. 3) 図-2.1

4-1-7 防せい防食

道示Ⅱ鋼橋編には以下の防せい防食法が示されているので紹介する。

表2-49 鋼橋の代表的な防せい防食法

①塗装

塗装は鋼部材の防せい防食方法として現在最も一般的に用いられている方法であり、

鋼材表面に保護皮膜を形成して腐食を防止する。構造上の制約が少なく、色彩選択の自 由度が大きい等の特徴があるが、環境中では種々の要因で塗膜が劣化するため、周期的 な塗替えによる機能の維持が必要である。塗装には機能に応じて数種類の塗装系がある が、架橋位置の環境、維持管理方法等を考慮して適切なものを選定しなければならない。

具体的な内容は、「沖縄地区鋼橋塗装マニュアル(平成 20 年8月 沖縄総合事務局開発 建設部・沖縄県土木建築部 監修)」「鋼道路橋塗装・防食便覧(平成 17 年 12 月 日本道 路協会)」を参考にするのがよい。

②耐候性鋼材

耐候性鋼材は鋼材に適量の合金元素を添加することで、鋼材表面にちみつなさび層を 形成させ、これが鋼材表面を保護することで以降のさびの進展が抑止され、腐食速度が 普通鋼に比べて低下する。一般には、防せい防食機能の低下がないと考えられるが、鋼 材によっては無塗装で用いた場合に飛来塩分等が多い場合や凍結防止剤を散布する場合、

また凍結防止剤を散布する橋に隣接する場合等、塩化物の影響を受ける橋や、適度な乾 湿繰返しとならない環境のもとで均一でちみつなさび層が形成しにくい場合がある等の 問題があるため、材料に応じた適切な条件で用いなければならない。

たとえば、JIS G 3144 に規定する溶接構造用耐侯性熱間圧延鋼材については、原則と して所定の方法で計測した飛来塩分量が 0.05mdd(Nacl:mg/lOOcm2 /day)を超えない地 域、あるいは道示Ⅱ鋼橋編図-解 5.2.1 に示す地域では一般に無塗装で用いることがで きる。

耐候性鋼材の場合には、鋼材面のさびの状況について定期的に点検を行い、異常なさ びが生じた場合には、その原因を取り除き、必要に応じて塗装を行う等の適切な対応策 を講じることが必要である。

主たる防せい防食原理 機能低下形態(予想外の 劣化進行を含む)

機能喪失時の補 修方法

①塗 装 塗膜による大気環境遮断 塗膜の劣化 塗り替え

②耐候性鋼材 ちみつなさびの発生によ る腐食の抑制

層 状 剥 離 さ び の 発 生 と

それにともなう断面減少 塗装等

③亜鉛めっき

亜鉛酸化物による保護皮 膜及び亜鉛による犠牲防

亜鉛層の減少 溶射又は塗装

④金属溶射

溶射金属の保護皮膜及び 溶射金属(アルミ、亜鉛 等)による犠牲防食

溶射金属層(アルミ、亜鉛

等)の減少 溶射又は塗装

道示Ⅱ (H24. 3) 5.2

③溶融亜鉛めっき

溶融亜鉛めっきは 440°C 前後の溶融した亜鉛中に鋼材を侵せきし、その表面に鉄と亜 鉛の合金層と純亜鉛層からなる被膜を形成し、環境中で表面に形成される酸化皮膜によ る保護効果と犠牲防食効果により鋼材の腐食を抑制するものである。亜鉛めっきの耐久 性は亜鉛の付着量、腐食環境によって異なるため、定期的な点検により効果を確認する 必要がある。また、設計にあたっては亜鉛めっき槽による部材寸法の制限や、めっき時 のやけ、変形に対する材料や構造上の配慮等が必要である。

具体的な内容は、「溶融亜鉛めっき橋の設計・施工指針(平成8年1月 日本鋼構造協 会)」を参考にするのがよい。

④金属溶射

金属溶射はブラスト処理等の表面処理を施した鋼材面に溶融した金属を圧縮空気で吹 き付けて皮膜層を形成させる方法である。溶射金属としては亜鉛、アルミニウム、亜鉛 アルミニウム合金等が使用され、鋼材表面に金属皮膜を得る方法として溶融亜鉛めっき と異なり、構造物の大きさや形に対する制約が少ない。金属溶射面は凸凹が多く塗料の 付着性がよいことから塗装の下地として用いられることもある。

防せい防食法の機能を発揮させるためには、例えば塗装を行う部材において面取りを 行う等、それぞれの方法に応じて構造の細部についても十分な配慮を行うことが必要で ある。

また、溶接やボルト接合を行う場合等で異種の金属が接触する場合には、電位差に応 じてより電位の低い材料の腐食が著しく促進されるいわゆる異種金属間腐食が生じるこ とがあるので、このような場合には両者を絶縁する等の注意が必要である。

4-2 基本構造 4-2-1 桁配置

主桁間隔は、鉄筋コンクリート床版の場合最大 3.0m 程度より小さい範囲とし、車のわ だち等を考慮して2~3mの範囲で設計する。張出し部は 1.0m 前後を標準とする。ただ し歩道部及び中央分離帯部の張出し部はこの限りではない。

ここでは次のような理由により上記のような値を決めた。

(1)橋の全体の剛性を上げる。

道示Ⅱ鋼橋編 11. 6. 2 の解説に、「鋼げた橋の支間長、主げた間隔、断面二次モー メントをそれぞれ、1、a、Ⅰとし、荷重分配横桁の断面二次モーメントをⅠa とす ると、格子剛度Z=(1/2a)3×(Ⅰa/Ⅰ)と表されるが、上記の影響はZに大きく関係 する。Zの所要量は、支間長の増加に伴って増大するが、支間長 30m で、Zはほぼ 10 程度が必要である」とあり、Zを大きくするためにはaを小さくする方が好まし い。

(2)床版に対して主桁は車輪の軌跡の近くに配置するほうが好ましい。

(3)「道路橋鉄筋コンクリート床版の設計、施工について」の解説より。

この資料は、昭和 53 年4月 13 日の建設省通達で、「鋼道路橋設計便覧(昭和 55 年

道示Ⅱ (H24. 3) 11. 6. 2

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