2 つの計量単位で品目の在庫を管理して、トランザクションを処理できます。たとえば、販売は数量 単位、購買は原価単位、価格決定は重量単位で行われる品目について 2 重計量単位を指定します。
同様に、標準計量単位換算のある 2 重計量単位をトランザクションで使用できます。たとえば、品目 の計量単位が重量の場合、トンまたはポンドでトランザクションを処理して、2 重計量単位を使用で きます。この場合、2 重計量単位は 2 重単位数量に対して品目元帳レコードと品目残高レコードで 使用された計量単位になります。
2 重計量単位を指定する際には、品目にすべての在庫トランザクションについて基本計量単位と 2 次計量単位間の変動換算があるかどうかが確認されます。原価計算用として基本計量単位を、在 庫トラッキング用としての他の計量単位を 2 次計量単位として品目を設定する必要があります。
パッケージ製品、製造済みの最終品目にのみ 2 重計量単位を使用できます。バルク品目では 2 次 計量単位でのトラッキングは行われません。
次のプログラムでは、基本計量単位または 2 次計量単位に関連するトランザクション数量(つまり 2 重計量単位)を入力できます。その他の数量の決定には標準換算が使用されます。
• 購買オーダー(P4310)
• 受注オーダー入力(P4210)
• 製造作業オーダー処理(P48013)
ピッキング・オプションを有効にして、次の表で説明されているように許容範囲を設定できます。
ピッキング ピッキングは、オーダーを満たすための倉庫の保管場所からの在庫の移動を指します。倉 庫提示を基本計量単位、または別の計量単位のどちらで表示するかを品目レベルで指定で きます。2 重計量単位でのピッキングでは、数量全体を受注オーダー行に出荷するか、また は必要な行を分割するかも指定できます。
たとえば、100 ポンド(lb)の受注オーダーに対して 10 ケース(98 ポンド)をハード・コミットす る場合、ピッキング・オプションにより、2 ポンドの差のために別の行を作成することなく 10 ケ ースでオーダー処理できます。差が許容範囲内にありピッキング・オプションを使用する場合
は、受注オーダーは分割されません。
2 つの計量単位でのピッキングは、次のようにシステムの他の分野に影響します。
• 倉庫管理システムでは、トランザクション数量よりも 2 次計量単位数量が受注オーダ ーのピッキングに使用されます。
• 在庫照会と在庫引当の間に受注オーダーのピッキング・プロセスが使用されます。
• 受注管理と輸送管理システムでは、トランザクション数量または 2 次計量単位数量を 基に、ピッキング・プロセスを用いて 2 重計量単位品目を分割します。〈品目マスター〉プロ グラム(P4101)の[追加情報]タブで 2 重ピッキング・プロセス・オプションを使用してど の計量単位数量を使用するかを決定します。
品目に 2 つの計量単位を指定したら、在庫トランザクション処理中に許容範囲が必ずチェッ クされるよう指定できます。この許容範囲によって、トランザクションで 2 次計量単位数量を 入力する際に、基本と 2 次計量単位数量が標準換算の一定のパーセント内に納まります。
たとえば、約 100 ポンドの品目に 3%の許容範囲を設定すると、許容範囲内の重量は 98 か ら 103 ポンドになります。
〈在庫調整〉プログラム(P4114)または〈在庫出庫〉プログラム(P4112)を使用している際は、
許容範囲はチェックされません。
2 重計量単位は特殊取扱コードを使用して変換されます。2 重計量単位では、基本と 2 次計量単位 の特殊取扱コードは異なります。オンス、ポンド、およびトンなどの同様の計量単位では、特殊取扱 コードは同じです。たとえば、重量は 2 重計量単位としてポンド表記されているとします。2 重計量単 位によるトランザクション数量はトンで入力します。この場合、ポンドとトンは同じ特殊取扱コードでな ければなりません。
2 重計量単位の情報を処理する際には、次のテーブルが使用されます。
• 品目マスター(F4101)
• 品目元帳(F4111)
• 保管場所品目(F41021)
• 保管場所詳細情報(F4602) はじめる前に
ユーザー定義コード・テーブル(00/UM)で特殊取扱コードを設定します。
►
品目の 2 重計量単位を指定するには〈在庫マスター/トランザクション〉メニュー(G4111)から〈品目マスター〉を選択します。
1. 〈品目マスターの処理〉で、[検索]をクリックします。
2. 2 重計量単位を指定する品目を含むローを選び、[選択]をクリックします。
3. 〈品目マスターの改訂〉で、[重量/計量単位]タブをクリックします。
4. 2 次計量単位を指定するには、次のフィールドに値を入力します。
• 2 次
5. [追加情報]タブをクリックします。
6. 2 次計量単位での品目の管理を指定するには、次のオプションを選択します。
• 2 重計量単位の使用
7. 基本または 2 次計量単位をピッキング・プロセスで使用するには、次のオプションを選択します。
• 2 次計量単位でのピッキング処理
また、このオプションを使用して、受注オーダー行を基本または 2 次計量単位数量に 基づいて分割するかどうかを決定します。
8. 品目の許容限度チェックを指定するには、次のオプションを選択します。
• 2 重計量単位による許容度チェック
9. 2 重計量単位に許容限度チェックが必要な場合、次のフィールドに値を入力して、許容する パーセントを指定します。
• 2 重計量単位の許容率 10. [OK]をクリックします。
フィールド記述
記述 用語解説
2 次 品目の代替計量単位を指示するユーザー定義コード(00/UM)
2 重計量単位の使用 在庫数量を管理し、基本計量単位への換算式が指定されていない場合には 2 次計量単位で記録する必要があることを示します。これは通常、パッケージ 単位で購入または販売され、価格を重量あるいは容量単位で決定する品目 に必須となります。
注:2 重計量単位の品目には、在庫調整を除く在庫取引で基本計量単位と 2 次計量単位での許容度チェックを必須にすることができます。
2 次計量単位でのピッキング 処理
2 重単位の品目について、次の処理に基本と 2 次のどちらの計量単位を 使 用するか決定します。
o ピッキング
o 受注オーダーの引当可能数量チェック o 受注オーダーの在庫引当て
o 購買オーダー行の分割
基本計量単位を使用する場合にはこのオプションは選択しないでください。
このオプションは 2 次計量単位の場合に使用します。
2 重計量単位による許容度 チェック
在庫数量を管理し、基本計量単位への換算式が指定されていない場合には 2 次計量単位で記録する必要があることを示します。これは通常、パッケージ 単位で購入または販売され、価格を重量あるいは容量単位で決定する品目 に必須となります。
注:2 重計量単位の品目には、在庫調整を除く在庫取引で基本計量単位と 2 次計量単位での許容度チェックを必須にすることができます。
2 重計量単位の許容率 パーセントで表される数値で、基本計量単位数量と 2 重単位数量が標準換 算範囲内に あることを確認するときに使用されます。たとえば、品目の 2 重 単位許容度を 3%、1 ケースの 重量が約 100 ポンドと入力するとします。この 品目 1 ケースの出荷を確認するときに重量が 2 重単位許容度内になるよう にするには、97 から 103 ポンドの範囲内の重量を入力する必要が あります。
蒸発または減損が発生する在庫調整には、2 重単位許容度はチェックされま せん。
価格計量単位を使用した検索順序の設定
複数の計量単位を指定して、基本価格と価格調整を検索できます。たとえば、まずパレットを検索時 に使用する第 1 の計量単位として指定します。何も情報が検索されなければ、2 次計量単位として ケース、次に箱を指定できます。特定の品目に対して 8 つまでの順序を設定でき、検索順序は一定 の行程に従う必要はありません。
換算係数を使用して、他の計量単位へ調整が変換されます。たとえば、トランザクション計量単位を 使用して調整を検索する場合、価格設定計量単位も表示されます。計量単位変換係数を使用して、
価格設定計量単位の調整が再計算されます。
〈品目計量単位換算〉フォームで品目の価格計量単位順序を設定します。受注用、購買用にそれぞ れ 1 つずつ指定できます。
計量単位を使用して、検索順序を処理する次のテーブルが使用されます。
• 在庫固定情報(F41001)
• 計量単位換算係数(F41002)
• 価格調整詳細(F4072)
• 品目基本価格(F4106) はじめる前に
〈事業所固定情報〉プログラム(P41001)の〈システム固定情報〉フォームの[販売価格の計 算に使用する計量単位]フィールド(UDC40/SU)と[購買価格の計算に使用する計量単位]
フィールド(UDC 40/PU)で計量単位の値を指定します。
参照
検索計量単位の定義については『受注管理』ガイドの「システム固定情報の定義」
►
価格計量単位を使用して検索順序を設定するには〈品目の改訂〉メニュー(G4112)から、〈品目計量単位換算〉を選択します。
1. 〈品目計量単位換算の処理〉で、次のフィールドに値を入力して[検索]をクリックします。
• 品目 No.
2. レコードを選択して[選択]をクリックします。